《【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】》力測定
四時間目の授業は、圭介が張り切っていた力測定。A組の生徒達は服に著替えてグラウンドに出る。ハンドボール投げやら五十メートル走やら、とにかく面倒なことを々やるらしい。
しかし力測定なんて隨分と久し振りだ。ジムでを鍛えてるからそこそこ良い記録は出るだろう。最初はハンドボール投げらしいので、俺は落ちていた小石を拾い、ウォーミングアップのつもりで力一杯投げてみた。
「……は!?」
思わず俺は聲を上げた。なんと俺が投げた小石は一瞬でグラウンドを越え、遙か彼方へと飛んでいったのだ。衝撃のあまり、俺は呆然と立ち盡くす。
なんだ今の? 言っておくが【怪力】を発したわけではない。ただ俺自の力で、俺が小石を投げただけだ。スポーツジムに通い始めた頃から能力の著しい向上はじていたが、まさかここまでとは……。
いつの間にか俺の能力は常人の域を超えてしまったらしい。やはりこの仮転生が特殊なのだろう。ていうか今の、皆に見られてたらマズいんじゃ――
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「見て、貓がいる!」
「キャー! カワイイー!」
幸い生徒達はグラウンドに迷い込んだ貓に夢中だったので、誰も俺の方を見ていなかった。グッジョブ貓。こんなことで支配人の手を患わせたくないからな。
「島崎、記録二十メートル」
「だーちくしょう!! もっと飛ぶと思ったのに!!」
ハンドボール投げが始まり、育教師の指示で生徒達が順番にボールを投げていく。圭介の奴、気合いってたわりには大したことなかったな。
「次、月坂」
「……はい」
さて、俺の番か。だがさっきのように全力で投げたら確実に大騒ぎになるので、できるだけ力を抜いてボールを投げた。結果、ボールはヒョロヒョロと目の前に落下した。
「……月坂、記録三十センチ」
生徒達から笑が湧き起こる。しまった、力を抜きすぎた。
「だっはっはっはっはっは!! 三十センチって秋人お前!! 稚園児ですらもっと飛ばせるぞ!!」
圭介が指を差して笑っている。さすがの俺もイラッときた。
続いて五十メートル走。これはわりと調整しやすそうだ。だがハンドボール投げとのバランスを取る為にも、平均タイムは下回るようにしよう。腕力全然ないのに走るのめっちゃ速い奴なんて滅多にいないだろうしな。
そんなことを考えながら走った結果、記録は十五秒。確か男子高校生の平均タイムは七秒臺だから……ゆっくり走りすぎた。
「だっはっはっはっはっは!! どんだけ運音癡なんだよ秋人!!」
またしても豪快に笑う圭介。あいつが転生杯の參加者だったら真っ先に落させてやったというのに。
お次は握力計を使った握力テスト。ここまでちょっと力を抜きすぎたので、今回はちょっと力をれて――
バギッ。握力計がぶっ壊れる音がした。今度は力をれすぎた!!
「どうした月坂?」
「せ、先生! すみません、握力計を壊してしまったみたいで……」
「……そうか。だいぶ古いやつだったからな。気にするな」
俺はをで下ろす。怪しまれなくてよかった。
新しい握力計を渡され、再挑戦。二度も壊すわけにはいかないので、もう最小限の力でやろう。その結果、記録は十キロ。小學校低學年レベルである。
「秋人お前……マジか……」
圭介はもはやドン引きしていた。笑われる方がまだマシだった。
「月坂。お前真面目にやってるか?」
「は、はい! 勿論です!」
「……そうか。ならいい」
おまけに育教師にも目を付けられる始末。頼むから早く終わってくれ……。
全ての測定が終わる頃には、俺はすっかり疲れ果てていた。言うまでもないだろうが、俺はどの種目においてもクラスで斷トツの最下位だった。
「まあ、なんだ。今の世の中、運能力ゼロでも生きていける。だから元気出せよ」
圭介に勵まされるとなんか腹立つな。しかしまさかこんなにも力の調整が難しいとは思わなかった。日常生活の中では無意識にできていたはずなのに、意識すると途端にできなくなるな……。
晝休み。本日の晝食は春香、千夏と一緒に屋上で食べることにした。いつもは売店で適當に買って済ませていたが、今日は千夏が用意してくれた弁當を持參していた。
「おお、こりゃ味そうだ」
蓋を開けると、厚焼き玉子や鶏の唐揚げなど、食をそそられるおかずが綺麗に並んでいた。
「大したものよね。アタシなんて朝は學校の支度で手一杯だから、弁當を作ろうって考えもしなかったわ」
「しかも三人分だもんな。ありがとな千夏」
「い、いえ! そんな大したことじゃないです! 住まわせてもらってるなので、これくらいはさせてください!」
「まったく、誰かさんも見習ってほしいものね」
「俺だって家事は々やってるだろ。そりゃ料理は全然だけど……」
それにしても手作り弁當なんていつ以來だろうか。腹も心も幸福で満たされ、大満足の晝食だった。
「ごちそうさま千夏ちゃん。さてと、アタシはそろそろ行くわね」
「春香さんってアイドル部でしたよね。これから練習ですか?」
「そっ、晝練。今日の放課後もライブがあるから頑張らないと!」
「またかよ。部活が楽しいのは分かるが、あまり夢中になるのは良くないぞ。そもそも俺達がこの學校にいる目的は――」
「はいはい、そういうのいいから。また後で!」
ヒラヒラと手を振りながら去っていく春香。まったく、春香には一度ガツンと言ってやった方がいいかもしれないな。
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