《【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】》【逆行】のスキル

「勘違いしてるみたいだけど、アタシのスキルは〝治す〟ものじゃない。ただ〝戻す〟ものなのよ」

「戻す……?」

「そっ。アタシのスキルは【逆行】。対象の時間を戻すことができるの。は勿論のこと、生にも有効よ」

驚いた。春香が俺に自分のスキル名を明かしたのは、これが初めてだったからだ。

「秋人の怪我だって治してたわけじゃなくて、ただ怪我をする前の狀態に戻してただけ。その度にの節々が痛むのは、急激なの変化で自律神経がれるせいなのよ」

「そういうことか……」

あの節々の痛みにもちゃんと理由があったんだな。

「だから氷人形達も〝倒した〟というよりは、生される前の狀態に〝戻した〟というのが正しいわね。アタシのスキルは間接的にれた場合にも有効だから、バットが當たった瞬間に氷人形は消滅したってわけ」

「……それ、最強じゃないか? どんな敵だろうと赤ん坊になるまで時間を戻してしまえば余裕で倒せるだろうし」

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「ま、本當にそんなことができたら楽なんだけどね」

溜息じりに春香が呟く。

「できないのか? ああそうか、転生杯の參加者は仮転生した時點で16才だから、いくら時間を戻しても16才のままなのか」

「そうじゃなくて、そんな一気に時間を戻せるわけじゃないってこと。々と複雑な條件があって、対象の質量とか接度によって戻せる時間は変わってくるの。さっきの氷人形にバットを當てた場合だと、戻せるのはせいぜい一時間ってところね」

つまり氷人形共を消滅させることができたのは、あいつらが生されてまだ一時間も経っていなかったから、というわけか。

「でも、いいのか? 自分のスキルをそこまで俺に話したりして。以前はいくら俺が聞いても頑なに教えてくれなかったのに。どういう風の吹き回しだ?」

「……そんなの言わなくても分かるでしょ」

「いや、分からん」

「鈍いわねもう! 自分のスキルを教えてもいいくらい秋人のことを信頼するようになったってこと! 察しなさいよ馬鹿!」

顔を赤くしながら言い放つ春香。これがツンデレってやつか。

「なになに!? 何の話をしてるの!?」

復活した朝野が興味深そうな顔で歩み寄ってきた。

「そういえば春香ちゃん凄かったにゃ! 氷の人形達をパーッと消しまくってたし! あれ春香ちゃんのスキルだよね!? どういうスキルなの!?」

「その話はもう終わったし、アンタに教えるつもりもないわ」

「えー!? スキル名くらい教えてよ!」

「だーめ。今は共闘してるけど一応アンタは敵なんだし、そう簡単に報を渡すつもりはないわ」

「むー! ケチケチ!」

春香って意外と慎重だよな。俺だってついさっき教えてもらったばかりだし。

「まーそれはさておき、闘ってる春香ちゃんを見ていて思ったんだけど、攻撃する時は技名をんだ方がよくない? 私の〝綺羅星弾〟みたいにさ!」

「何言ってんだ。つーか俺との闘いの時も思ったんだけど、技名をぶ必要なんて全くないだろ。それで技の威力が変わるわけでもないし」

「全然変わるよ! 技名をぶのとばないのとでは威力が30%以上違うにゃ!」

「そんなに!?」

っていやいやそんなわけないだろ。朝野の実年齢は知らないけど、きっと中は子供なんだろうな。スキルにもそれが表れてるし。

「春香ちゃんも技名をぶのオススメ! この際だから考えてみたらどうかにゃ?」

「だから必要ないって。なあ春香?」

「技名……いいかも……!」

乗り気かよ! そういや春香の中も子供だったな……。

「良いの思いついた! 〝逆行斬〟なんてどうかしら?」

「おおーっ! なんかカッコイイにゃ!」

スキル名っちゃってるし。もういいや放っておこう。

それにしても、何故雪風はこの屋上にあれだけの氷人形を出現させたのか。ただ俺達の力を削るのが狙いというわけでは――

『いやあ、驚いたよ』

その時、雪風の聲が響いた。しかし雪風の姿は見當たらない。またどこからともなく聲だけを……!!

『せっかく僕が生み出した子供達をあっという間に全滅させてしまうとは。君達は容赦がないね』

「黙れ!! いい加減姿を現せ!!」

『おや? 元気そうだね月坂秋人くん。生徒全員で協力して君に致命傷を與えるよう石神くんにお願いしてたはずだけど、どうやら失敗したみたいだね』

やはりあれは雪風の差し金だったのか……!

『やれやれ、使えない連中だ。これはお仕置きが必要かもしれないな』

「……何をする気だ!?」

『なに、ちょっとしたゲームさ。さて、果たして君達は何人の命を守れるかな? クックック……』

雪風の聲が途切れる。間違いなく何か仕掛ける気だ。雪風の狙いは――

「きゃあああああ!!」

「た、助けてえええええ!!」

直後、生徒達の悲鳴が響いた。一何事かと、俺達はフェンスまで駆け寄って地上を見下ろす。

「おいおい……!!」

俺は驚愕に目を見開いた。新たな氷人形共が生徒達を襲っていたのだ。雪風の奴、今度は地上に氷人形を出現させたのか!? 屋上の氷人形は俺達をここにき寄せる為の囮、本命はこっちか!! しかも數は五十や百じゃない……!!

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