《ファザコン中年刑事とシスコン男子高校生の愉快な非日常:5~海をまたぐ結婚詐欺師!厳島神社が結ぶ、をんな達のえにし~人ヴァイオリニストの橫顔、その翳が隠す衝撃の真実》キャスト的には山村もみ……

がびくっとを震わせる。

「部外者になんて言うことを教えるの?! 重大な社外じゃない!!」

この人はいつもこうだ。

昔からずっとそうだった。

仲居頭の米島朋子(よねしまともこ)。

経歴だけで言えば勤続30年以上、ベテランの域にる仲居である。

しかし彼咲と、その母親である咲子とをずっと昔から目の敵にしていた。

今ではその対象が里にも広がっている。

要するに彼咲と、彼に味方をする人が全員気にらないのだ。

その理由について古參の仲居で知らない者はいない。

咲ももちろん知っているが、その件についてはこの際、脇に置いておこうと思う。

「だいたい、貴がしっかり社長を支えないからこんなことになるのよ! 貴さえもっとしっかりしていれば……そう、將の肩書きに胡坐をかいて……社長の意見にいちいち反発してたっていうじゃない?! そんなことだから、こんなことになったんじゃない。いったい、どう責任を取るつもりなの?!」

これもいつものことだ。

何かトラブルが起きると、朋子はすべて『將が悪い』とサルのようにキーキーと大騒ぎをするのだが、よく聞いてみると容が一切ない。

學生時代は績優秀で、擔任の先生から有名大學に進學するよう勧められたこともある、などと吹聴していたが、本當かどうか疑わしいと思ってしまう。

とにかく彼は常に的で、論理的ではない。

つまらない嫉妬だ、と皆が言う。

朋子が社長である寒河江俊幸の人であることは、もはや新社員でさえ知っている、周知の事実である。

それに。

將である里はまだ30代前半。

若さと、持って生まれた貌については、どう頑張っても敵う訳がない。

朋子は咲の母親と同級生である。

加齢と共に、のハリが衰えていくのが恐ろしいらしい。

シミや皺を隠そうと、年々、化粧が濃くなる。

だから、若くて綺麗な新人がってくると、途端に彼の攻撃対象になる。

些細なことでクドクドと文句を言い、怒鳴り散らす。

若い新人は新人で堪え癥がなく、すぐに『辭めます』と言い出すのである。

本気でこの旅館をし、社長のこともしているのなら、自分だって『支え』になるべきだわ。

咲はずっとそう考えていた。

自分がしていないことを他人に要求する。

それはただの傲慢であり、不遜である。

皆、そう思っている。

だけど、表立って言えないのはやはり、朋子の立場だ。

朋子が「あいつ使えない」と社長に言えば、途端にその仲居は首を切られてしまう。

表向きは彼にそれなりに従っている仲居達が、姿が見えなくなった途端に悪口を言い出すのは、もはやお約束と言っていい。

    人が読んでいる<ファザコン中年刑事とシスコン男子高校生の愉快な非日常:5~海をまたぐ結婚詐欺師!厳島神社が結ぶ、をんな達のえにし~美人ヴァイオリニストの橫顔、その陰翳が隠す衝撃の真実>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください