《やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中》7
山のふもとに建っている一階建ての小屋は、り口をって正面に広い居間が、左手は廚房や風呂場といった水回りがととのえられており、右手奧には寢臺がある部屋がふたつある。
寢室のひとつはジルとハディスが、もうひとつはカミラとジークが居間のチェストにクッションや布を敷いて作った簡易寢臺と替で使うことになっていた。
分と別、関係からいっても妥當な部屋割りだろう。
だが、竜妃とはいえ、小さなの子の騎士となったジークは、現在の部屋割りを心から賛はしていない。
「おい陛下、今はともかく帝都に戻ったら隊長と寢室わけるんだろうな」
「わける? どうして?」
著替えをジルの見ていない居間ですませる気遣いはできるのに、質問の意味がわからないという顔でハディスが返す。そんな態度をとられるとますますジークは警戒せざるをえない。
「十歳に添い寢ってぎりぎりだろう」
「夫婦だし」
「……それが通じる相手ばっかりじゃないだろう」
「君はもう帝都に戻ったときのことを考えてるんだ」
笑いを含んだ聲に、ジークはむっとする。
「戻れないっつうのか、竜帝サマが」
「いや」
短く否定したハディスは、ジルの指摘通り、本當は事態の収拾の算段をつけているようにみえた。
「それより明日から、ジルをよろしく頼むよ。ジルは賢いけど、こっちの國の報にはうといだろうし、何よりまだあの年齢だ」
「止めないんだな、隊長を」
「基本的にジルのやりたいことを邪魔する気はないんだ、僕。嫌われたくないしね」
それは信頼なのか。
(隊長をためしてるみたいにじるのは、俺だけか?)
じっと見つめていると、著をいだハディスが振り向いた。
「男の著替えなんか見て楽しい?」
「ずいぶん鍛えてるだな」
「君ほどじゃないよ」
「質素な暮らしにも慣れてんだな」
「まあ、ずっと辺境で皇族らしい生活はしてなかったしね」
桶の湯に布をつけを拭いていくハディスに、不慣れさも嫌悪もない。
そもそもハディスの荷にっていたのは、火をつける道に鍋に攜帯食料、地図、大小そろった麻布、薬や消毒などった簡易の救急箱、數種類の通貨だ。完全に遭難用で、皇帝の持ちではない。それだけ放り出されることに慣れているだろう。
――というか。
「……妙なにおいがするぞ、何れた今」
「油。君も使う? さっぱりするよ。臭もとれるし。髪には香油がおすすめ」
「乙か!」
「ジルがこのにおいが好きだって言うんだ。よく眠れるって。それにやっぱり好きな子の前では綺麗でいたい」
だめだ、つっこみが追いつかない。嘆息したジークは、ハディスから目を離してごろりと簡易寢臺に橫になる。
「まあなんだっていい。給料払ってもらえればな」
「それならジルを守ってもらわないと」
「何度も言うな。それが仕事なんだからな、やる」
目を閉じると、部屋に漂う油のにおいが確かに心地よくじる。
(催眠作用のある変なもん嗅がされてんじゃねーだろうな)
何もかもが胡散臭い皇帝だ。偽帝だと騒ぎたくなる貴族連中の気持ちがわかる。
「いざとなったら僕を叔父上に突き出せ」
目をあけて、を起こしてしまった。
を拭き終えたハディスは、寢間著を羽織りながら、靜かに笑う。
「ジルを守るためならそれくらいやれ。そうだろう、竜妃の騎士」
ジークは知らず握っていた拳をほどき、今度は薄い掛け布団を頭からかぶって目を閉じた。
(それは隊長や俺達に裏切られるってことだろうが)
切り抜ける自信があるとしても、心が痛まないわけではないだろう。それとも、信じていなければ痛まないのか。
本當に何を考えているのかよくわからない皇帝だ。
けれどもジルを大切に思っていることだけは、本當だ。だからジークは黙って、眠ってやることにした。
戀人に別れを告げられた次の日の朝、ホテルで大人気女優と寢ていた
彼女に振られ傷心のまま自棄になり酒を煽った巖瀬健太は、酔った勢いで居酒屋で出會った一人の女性と一夜を共にしてしまい後悔に駆られる。しかし、早々に一人立ち去る女性を見て、関係はこれっきりなんだと悟り、忘れようと努めたが……二人は隣人関係であり、奇妙な交友関係が始まりを告げることになる。
8 182【書籍化】妹がいじめられて自殺したので復讐にそのクラス全員でデスゲームをして分からせてやることにした
僕、蒼樹空也は出口を完全に塞がれた教室で目を覚ます 他にも不良グループの山岸、女子生徒の女王と言われている河野、正義感が強くて人気者の多治比など、僕のクラスメイト全員が集められていた それをしたのは、ひと月前にいじめが原因で自殺した古賀優乃の姉、古賀彩乃 彼女は僕たちに爆発する首輪を取りつけ、死のゲームを強要する 自分勝手な理由で死んでしまう生徒 無関心による犠牲 押し付けられた痛み それは、いじめという狀況の縮図だった そうして一人、また一人と死んでいく中、僕は彼女の目的を知る それは復讐だけではなく…… 小説家になろう、カクヨム、アルファポリスにて連載しております 2月12日~日間ホラーランキング1位 2月22日 月間ホラーランキング1位 ありがとうございます!! 皆様のお陰です!!
8 178高校生である私が請け負うには重過ぎる
海野蒼衣(うみのあおい)、高校三年の春。 そんな時期に転校してきたのは黒衣をまとった怪しげな男子高生。 彼には決して表向きには行動できないある『仕事』を行なっていた⁉︎ そしてひょんな事から彼女は、彼の『仕事』へと加擔せざるを得ない狀況に陥ってしまう。 彼女の奇妙で奇怪な最後の一年間が始まろうとしていた。
8 159極限まで進化した頂點者の異世界生活
主人公の黒羽海斗は他の人間とは違うものを持っていた。完全記憶能力、そして、絶対なる力・・・破壊と創造の力を・・・ これは人間が進化をした先にもつ頂點の能力だった・・・ 力を使い、大切な物を守り抜く。 これはそんな主人公の異世界生活の物語。 注意無雙はしません。 応援お願いします。 更新は進みしだい更新します。 不定期の更新だと思います。
8 174村人が世界最強だと嫌われるらしい
ある日、事故で死んでしまった主人公烈毅は、神様からこう言われる。『世界を救ってくれ』と。ただ、それは余りにも無理な話であり、勝手なものだった。 なんてったって、この世界では最弱の村人として転生させられる。 ただ、それは名前ばかりのものだった。 何年も費やし、モンスターを狩りに狩りまくっていると、いつの間にかステータスの數字は?????となり、數値化できなくなる。 いくつものスキルを覚え、村人とは思えないほどの力を手に入れてしまう。 その事を隠し、日々過ごしていた烈毅だったが、ある日を境にその事が発覚し、周りからは引き剝がされ、ひとり孤獨となる。 世界中を周り、この地球を守り、この世界の真理にたどり著く、主人公最強系異世界転生物語!
8 159ひねくれ魔術師が天才魔法使いよりも強い件について
『大魔法世界』この世界で懸命に生きる ひねくれ魔術師の物語 強者揃いの魔法學園で暴れ回る! こちらの作品は様々な事情から『ひねくれ魔術師と魔法世界』に移行しました。 ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。
8 187