《【書籍化・コミカライズ】竜神様に見初められまして~げられ令嬢は霊王國にて三食もふもふ溺付きの生活を送り幸せになる~》第19話 水の霊魔法
ほどなくして、ソフィアの涙は止まった。
その後、何事も無かったかのように食事は進んだ。
その気遣いはソフィアにとって大変ありがたいものだった。
先程溢れ出た悲しみは、目の前に広がる料理の味しさによって一瞬にして吹き飛んだ。
シェフが一級というアランの言葉はまさに実で、ソフィアは數々の料理に舌鼓を打った。
「……!!」
ステーキは一口食べた瞬間、つま先から頭にかけて衝撃が走る。
口の中にソースとの旨味がじゅわり広がり思わず目を閉じてしまう程だった。
蒸した海老は大きくてぷりぷりで食べ応え抜群。
こんなに厚なは初めてだった。
クリームパスタも溶けてなくなるほどトロトロで後を引く味しさ。
鱈子の粒々のピリッとした辛味にほどよく甘いクリームが絡んでいた。
これが一人の食事だったら、ソフィアはどの料理を食べても味しい味しいとオーバーな表現をしてはしゃいでいた事だろう。
心の中に殘っていた理がギリギリ、ソフィアを淑のままにしていた。
「君は本當に味しそうに食べるな」
どうやらアランから見ると、ソフィアから味しいオーラが溢れ出ていたらしい。
「ご、ごめんなさい、どれも味しくて、つい……」
「何を謝る事があるのだ? 味しいものを味しいと食べるのは當たり前のことだろう」
そう言ってアランは、一切れが拳大ほどあるの塊を頬張った。
一口が竜のそれである。
「そういえば、気になったのですが」
視線だけで“なんだ?”と尋ねるアラン。
「アラン様の本來の姿……竜のの大きさにしては、この食事量だと足りないような気がするのですが、大丈夫なのでしょうか?」
を飲み込んでから、アランは答える。
「あの姿は主に霊力でいているからな。食事のエネルギーはさほど使っていない」
「なるほど、そういう仕組みなのですね」
「とはいえ腹は減る。だから栄養はしっかりと摂らねばならない」
もりもりと食べ進めるアランの食は止まる事を知らず、あれだけあった大盛り夕食がもうほとんど空になっていた。
ついでにソフィアのコップの水もそろそろ空になりかけている。
「こちら、おれします」
すかさずクラリスがやってきて、ソフィアのコップを手に取る。
「あ、ごめんなさい。ありがとうございます」
「仕事ですので。……水の霊よ」
クラリスがそう言うと、ぼうっとコップがった。
すると次の瞬間、コップの中にが魔法のように現れる。
ちゃぷんと波打つ不純のない明なそれは紛れもなく水だった。
「わ、すごい! クラリスさんも、魔法使いなのですか?」
「厳には、霊魔法です」
「あ、そうでした」
フェルミでは魔法。
エルメルでは霊魔法。
この區分けに早く慣れないといけない。
「霊魔法も、々使えて便利そうですね」
「私の力は平均的ですので、一度にこれくらいしか水は出せません。なので本當に、日常的に使えるくらいです」
クラリスからけ取った水を口に含む。
しっかりと冷たくて、味しい水だった。
「私の霊力って、結構あるんですよね?」
ふと、アランに尋ねる。
「結構、どころではないな。水の霊魔法一つ取ってみても、下手するとこの部屋が水浸しになるくらいの威力を持っているかもしれない」
「いや、流石にそれは……」
ないだろうと、ソフィアは思った。
エドモンド家きっての天才と言われた妹のマリンの水魔法でさえ、一度に発生させられる水はひと抱えほどある大きな桶サイズくらいだった。
それでも凄い凄いと持て囃されていたのだから、この部屋を水浸しに……と言われても現実味が無かった。
無かったけど、冗談など微塵もじさせないアランの真面目な橫顔を見ていると、なんだか怖くなってきた。
「すぐにわかる」
そう言って、アランは殘りのにナイフをれるのであった。
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