《【書籍化・コミカライズ】竜神様に見初められまして~げられ令嬢は霊王國にて三食もふもふ溺付きの生活を送り幸せになる~》第41話 思 モーリスside
エルメルの軍務大臣にして竜神アラン。
彼の書であるモーリスという男は一言で表すと『超真面目な堅』であった。
生まれつき高い能力と努力を惜しまない忍耐力を持ち合わせ、果を出すことを何よりも生き甲斐としている。
上下関係に厳しく命令には忠実。
目的のためなら手段を問わない冷徹な一面もあった。
そんなモーリスが尊敬する上司から仰せつかった指令──妻となるソフィア嬢の、霊魔法の制について指南する事。
……何故私が?
と思わなかったといえば噓になる。
誇り高きユニコーン族の中でもとびきり優秀という事もあって、モーリスのプライドは高い。
霊王國の大臣クラスのお付きとして日々の仕事に誇りを持って取り掛かっていたが、人族の國からやって來た令嬢に霊魔法を教えるという急に降って湧いてきたイレギュラーな仕事には困ものだった。
確かにモーリスの経歴上、霊魔法を教授するという時期が無かったわけではないが、本當に自分が適任なのか? という思いが強いがモーリスのプライドを刺激していた。
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言葉を選ばずにいうと、霊王國に暮らす獣人族や竜族と比べても神も弱い人族の、そして箱りであろう貴族令嬢のお守りだなんて……という心境である。
(とはいえ、アラン様から仰せつかった仕事……どんな意図があろうとも、全力で取り組まないといけません)
ここはモーリスの生真面目さが幸いして、ソフィアの霊魔法の強化に盡力しようと決めていた。
「私は厳しいですよ」
だからこそ、この訓練はお遊びではないことを最初に宣誓しておく。
モーリスの尾がフリフリとく。
考え事をしたり、何か重大な決心をする際に起こるモーリスの癖であった。
一転、真面目モードになったモーリスにソフィアはごくりと息を呑んだが……。
「ええ、頑張るわっ」
ぎゅっとの前で両拳を握って、ソフィアはむふーと息をまいた。
「よろしくね、モーリス」
笑顔で言うソフィア。
どこかさの殘るその仕草に、警戒心の欠片もない表に、モーリスは思わず頭を掻いた。
(なんだか……調子が狂いますね……)
不思議な雰囲気を纏う令嬢だな、とモーリスは思った。
ちなみにこの仕事を與えられた際、下調べとしてソフィアがどのような人でどのような経歴の持ち主なのか報がしいとアランに相談したのだが「自分の目で確かめたらいい」と返された。
報なぞ無くても大丈夫だろうというアランの判斷だろう。
というわけで、モーリスが持つソフィアに関する報はほぼ皆無に近い。
……一點だけ、「莫大な霊力を持っていて、霊魔法に関する素養も尋常ではない」と言われたが、本來、人族がほとんど持つことのない霊力を大量に持ち合わせているなぞ眉唾ものであった。
ほんの數十分接したじの印象は……明るくポジティブだが、どこか抜けてて危なっかしいお嬢さん、と言ったところだろうか。
(まあ、お嬢様だろうと、甘く接するつもりはありませんが……)
霊魔法は一朝一夕にしてならず。
それは、日夜何十年も霊魔法の訓練に明け暮れ、の滲むような努力の末にしずつ力をものにしてきたモーリスが誰よりも知っている事だった。
じっくり、粘り強く。
心を鬼にして訓練にあたろうと、モーリスは再度考えを纏める。
モーリスの尾が再びふりふりといた。
眼鏡をクイっと持ち上げ、こほんと咳払いをして、モーリスは口を開く。
「では初めに」
「あの」
「なんですか?」
「あ、ごめんね。言葉を遮っちゃって」
「お気になさらず。それで、如何いたしましたか?」
「えっとね、訓練前に、本當に申し訳ないんだけど……」
おずおずと言いづらそうにしているソフィアに、モーリスは目を細める。
(まさか、この期に及んで……怖気付いたのでしょうか?)
し圧を加えすぎたかもしれない、と反省。
だが、今更方針を変えるつもりは無かった。
ソフィアには張がない。
見たところ打たれ強くは無さそうだし、箱りという點もあって努力を継続的に出來るかも怪しい。
その點を許容して甘々な指導をしても絶対に霊魔法は上達しないし、何よりもアランのむ果には結びつかないだろう。
それは、與えられた仕事に対し強い責任を持つモーリスにとって一番避けたい事態であった。
(やっぱりやりたくない、などと弱音を吐くのであれば……多厳しくても喝をれ……)
モーリスの尾がフリフリとく中。
爛々と目を輝かせて、ソフィアは上った聲で言った。
「その尾、っていいですか?」
「……は?」
素っ頓狂なモーリスの聲がれた。
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