《【書籍化・コミカライズ】竜神様に見初められまして~げられ令嬢は霊王國にて三食もふもふ溺付きの生活を送り幸せになる~》第56話 功
「はぁ……はぁっ……」
霊魔法を発現し終えた途端、ソフィアのからぶわりと汗が吹き出した。
次に鉛がのしかかったような倦怠。
途方もない集中力と力を持っていかれた実がソフィアにはあった。
「完璧……です」
一方で、震えた聲で呟くモーリス。
目を見開き、信じられない景を目の當たりにしていると言わんばかりだった。
ソフィアの目の前に出現した土塊に歩み寄るモーリス。
「四方の長さも一メートルぴったり、耐久も十分、質も上々……素晴らしい……」
土塊に手を當てて言うモーリスに、ソフィアは尋ねる。
「えっと……つまり……功?」
「大功です」
モーリスの言葉に、ソフィアの目に溢れんばかりの星屑が弾けた。
「やった……やった……!!」
の芯の底から湧き出る嬉のに思わずソフィアはぴょんぴょんと飛び跳ねる。
ようやく、ようやく功したと喜びにを震わせた。
「あっ……とっと……」
霊魔法を使った直後かつ、初めての功で気が抜けよろけそうになるソフィアのを、クラリスがすかさず抱き留める。
「大丈夫ですか、ソフィア様」
「なんとか……ありがとう、クラリス」
「どういたしまして」
にこりと微笑んだ後、クラリスは言う。
「おめでとうございます、ソフィア様。よく、頑張りましたね」
まるで自分ごとのように喜んでくれるクラリスに、ソフィアののあたりがじんわりと溫かくなる。
「えへへ……ありがとう、クラリス」
はにかみながら言った後、ソフィアはモーリスにぺこりと頭を下げる。
「ごめんね、モーリス。長らく時間がかかってしまったわ」
「長らくも何も……」
息を吐きながらモーリスは口を開く。
「この課題、普通なら達までにどれくらいかかるか、伏せておりましたよね」
「え、ええ、そうね」
「通常なら、一年かかります」
「い、いちっ……」
「ええ、なので、長らくも何も早すぎるくらいです」
いやはや、末恐ろしいお方だと、モーリスは乾いた笑みをらした。
「とはいえ、功したのはまだ一回なので……あと何度か試してみて、確実を上げましょうか……と、言いたいところですが」
未だ肩で息をするソフィアを見て、モーリスはふっと口元を緩める。
「今日はこのくらいにしておきましょう。無理はです」
「ええ、ありがとう。そうしてくれると助かるわ……流石にちょっと、気が抜けてしまって……」
あははと、照れ臭そうに笑うソフィアが続けて言う。
「じゃあ、今日の訓練はこれで終わりってことね」
「ええ、し早いですが切り上げましょう」
「わかったわ。じゃあ、モーリス、あの……」
「えっ? ああ、はいはい」
ソフィアの言葉から全てを察したモーリスが、自分のおを差し出す。
「どうぞ」
「ありがとう!」
日課である、モーリスのもふもふ尾をもふるという最後の仕事にソフィアは取り掛かった。
課題をクリアした達も相まって、今日のもふもふは至高の極みであった。
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