《ウイルター 英雄列伝 英雄の座と神代巫》46.真直ぐに打ち込む心
徒歩で登校する途中、のぞみはいつもと雰囲気が違うことに気付いた。往來する人々が皆、のぞみを見ている。
マスタープロテタスだけでなく、様々な端末を使えば闘競(バトル)の報はすぐに手にる。
のぞみは新學期早々、ハイニオスに通い始めて一週間と経たないうちに宣言闘競(ディクレイションバトル)を申し出た転生として衆目を集めていた。
この朝、神崎のぞみという心苗の名は、ハイニオス學院だけでなく、全學園に関わる者たちの脳裏に刻まれた。道を歩いているだけで全に視線が突き刺さるのは、そんな理由からだった。
二年生棟―ハストアルに著く。
校舎の一階玄関に近付くと、石柱を背もたれにして腕組みしていた蛍がのぞみに気付いた。石柱から背を離し、見下すような顔でのぞみと対峙すると、宣戦布告をしたときと同じ、甲高い聲で呼びかけた。
「ごきげんよう?許可通知書はもらえたかしら、マヌケ」
蛍の源気(グラムグラカ)が上昇している。
プレッシャーを與えるためだけのその行に、のぞみは気を引き締めて耐えた。眉を寄せ、深刻な面持ちで応える。
「はい。確実にけ取りました」
のぞみは予言者のような口ぶりで蛍に言う。
「森島さん、あなたはたしかに実力がおありです。ですが、このままではあなたは、おしまいです」
蛍(ほたる)は不快そうにせせら笑った。
「はっ、それ、どういう意味よ」
「森島さんは気の毒な方です。たしかな実力があるのに、私をいじめるためにしか使えないなんて、悲しいことだと思いませんか?このままじゃ、本當におしまいですよ」
蛍はそれを聞くと、呆れたように薄笑いを浮かべた。
「へぇ?教室で座ってることもできないくせに説教?あんた、マジでナンセンスなのよ!」
のぞみは澄んだ瞳でまっすぐに蛍を見つめる。
「森島さんに実力があることは認めます。でも、私を舞鶴さんと同じように考えていると大間違いですよ?これでも私、元フミンモントルの優等生ですから。そう簡単には負けません」
「なっ!?」
蛍はを固まらせ、目を白黒させている。
のぞみは落ち著いているふりをして、できる限りゆっくりと階段を上り、一歩一歩、蛍に近付いていく。心は震えていたが、そんな様子は見せまいと、小芝居を打つつもりで勇気を振り絞った。
「森島さん、元ヤングエージェントなんでしょう?その頃の森島さんに戻れなければ、私には勝てませんよ」
「何ですって?!」
「お互い最高の狀態で、と言いましたよね?そうでなければ、こちらがバトルを申し出た意味がありません」
いつもの弱な印象と異なるのぞみの態度に、蛍はひるんでしまい、とっさに言葉が出てこなかった。
のぞみは置き土産のような言葉を放つと、ハストアルに踏みこむ。蛍の肩と、れそうでれない距離だった。
蛍は過ぎ去るのぞみを振り向き、背中を見つめる。ヤングエージェントであった過去を、あのはいつ知ったのか。
プレッシャーをかければ怯えて逃げ出すとばかり思っていたのぞみの言葉に、蛍はかえって気をされていた。
つづく
包帯の下の君は誰よりも可愛い 〜いじめられてた包帯少女を助けたら包帯の下は美少女で、そんな彼女からえっちで甘々に迫られる高校生活が始まります〜
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