《ウイルター 英雄列伝 英雄の座と神代巫》66.対話 ②
蛍は八咫烏の突撃に慣れてきたらしく、『紫一閃』で斬り消しはじめた。破壊された八咫烏は、一瞬、の玉となって砕け散った。
「ふん。この程度のハリボテで私が負けると思ってんなら大間違いよ!戦場で士がいつも闘士(ウォーリア)に負ける理由、あんたは知ってる?」
のぞみが聞いているのかどうかもわからないまま、蛍は続ける。
「闘士が能力を特化させれば、攻防どちらにおいても士では及ばないからよ!」
蛍はさらに源気(グラムグラカ)を湧き出させる。
紫のは炎が立ちのぼるかのごとく、厚くを覆う。ひゅん、と風切り音がして、また一羽の八咫烏が散った。
のぞみは報ボードの數値から、蛍の源気數値が9500を超えていることを知った。それは、C級の中でも最上級のC4に値する。蛍が自分よりも実力があるのだという事実を、のぞみはけれるしかなかった。
(さすがは元ヤングエージェント……。この源気數値はほとんどB級といってもいい。こんなに強い彼が、どうしてこんなことに……。プライドが邪魔をしてる?)
この時點でのぞみは、蛍に勝つことができないのだと悟った。だが、勝負に負ける覚悟はできても、蛍の心に何か、爪痕を殘したい。それだけは諦めきれなかった。
「ふふん、あんたの攻撃パターンは見破ったわ!!」
八咫烏(やたがらす)はもう、最初に仕掛けた數の四分の一まで減っている。蛍(ほたる)はのぞみを見下したように笑った。
「さっきからあんた、私が死ぬだの、誰かが私のせいで死ぬだの、ずいぶん笑わせてくれるじゃない!」
「信じてくれないようですね?」
「信じるも信じないも、他人の命なんて、私には関係ないわ!たった一人の強者だけが生き殘る、それが真実でしょ?」
「……どうして、元ヤングエージェントのあなたが、そんなことを言えるんですか?」
のぞみはとうとう、自分の気持ちを吐しはじめる。
「私はかつて、ヤングエージェントに志したことがありました。でも、家族の理解が得られず、ヤングエージェントになることは葉いませんでした」
突然の告白に、観覧席もまたどよめきはじめる。
「森島さんは、ローデントロプス機関の推薦でセントフェラストへ學したと伺いました。気高き者の代名詞のようなあなたが、どうしてそんなことを口にするようになってしまったんですか?」
「ふん!あんたが勝手にヤングエージェントに幻想を抱いてるだけじゃない!」
「今、森島さんが仰っていることは、ヤングエージェントを務めていた時から言っていましたか?」
「いいかげん、黙りなさいよ!!」
また、一羽の烏(からす)が斬り払われる。しかし、その逆方向から、三羽の烏が蛍を目指して飛んできていた。
「私は諦めません」
のぞみの思いに沿って、烏たちのきはより、獰猛になる。防が崩れた蛍は、下方から次々と突撃する烏たちの連続攻撃をけ、空へと打ち上げられた。
「…くはああぁ!!」
高い空で、九羽の八咫烏がエネルギーとなり、同時に蛍に追撃する。発が起こり、上空から墜落した瞬間、蛍は意識と無意識の狹間で、あるできごとを思い出していた。
『
森島蛍 : 神崎のぞみ
ダメージポイント 19860 : 11210
源気數値(GhP) 9670 : 7490
殘り時間 6:30
』
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