《【書籍化】追放された公爵令嬢、ヴィルヘルミーナが幸せになるまで。》第23話:アレクシ様改造計畫
雑役中のセンニを呼び、アレクシ様があなたから見てどうかという話をします。
もちろん主人への不敬は問わないと言い聞かせて。
「やっぱり髪がもじゃもじゃなのが変だなあって」
ヘアバンドを借りて髪を上げてもらいます。
「こっちのが全然良いですね!」
わたくしは彼に問います。
「眉はどうかしら?」
「あー、旦那様ってひょっとしてそんなの気にされていたんですか?
言われてみれば太くてちょっと左右で揃ってないですが、別に普通ですよね?」
アレクシ様はがっくりと膝をつかれました。
「センニの言う通り、なくとも平民からの視點ではアレクシ様を醜いと思うことはないかと思いますわよ」
町を歩いて道ゆく人の姿を見ていれば、アレクシ様が普通の外見であると分かるでしょうに。それだけ貴族子弟たちに蔑まれていたということなんでしょうけども。
「奧様は旦那様をかっこよくさせたいんですね! あたしもお手伝いします!」
センニは両の拳を握りました。ふふ、手伝ってもらいましょう。
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…………
「まぶたに生えていると眉間の繋がってしまっている部分のは抜いてしまいましょうか」
旦那様と向かい合って座り、が途中で切れないように抜きで引っこ抜いていきます。
「痛い!」
センニには鏡でアレクシ様の顔にを當ててもらっています。
「我慢です、アレクシ様」
を抜くたびに彼のがびくりと震えます。
「痛い!」
「ふふ、わたくしたちがどれだけ苦労しているかお分かりになりましたか?
さあ、眉の形も整えていきましょうね」
「痛い!」
…………
「アレクシ様は黒髪に濃い茶の瞳と合いが落ち著いていらっしゃるので、顔が暗く見えてしまします。顔のは剃りましょう。額や目元はセンニにやってもらってください」
「はい! 奧様!」
センニは剃刀片手に嬉しそうです。アレクシ様の顔は引き攣っておられますが。
「毎日の洗顔、あとお髭は毎日剃って下さいね。研究がお忙しくてもです」
…………
「床屋に行ってきてくださいまし。そうですね、全的にさっぱりと、前髪は眉に掛からないくらい、もみあげは耳のくらいまでの長さで三角形に、襟足は短く産は剃ってもらって清潔あるように。そうお伝えください」
「え、ん?」
アレクシ様が困されたご様子。
「覚えられませんでしたか? もう一度言いますね。全的に……」
…………
「以前王宮へいらした時のようなどれだけ質の良い服を纏っても、サイズがあってなければ醜いだけです。特にブカブカの場合は貧相に見えます。
アレクシ様の重はおいくつですか?」
「52kgくらいだったかな……」
「えええええっ!」
センニがんで床に倒れ込みます。
「あたしと変わらない……」
「アレクシ様、痩せすぎです。もうしをつけましょう。センニ、アレクシ様の食事量をしずつ増やして」
…………
「ここに立って下さい」
わたくしは家の柱の前にアレクシ様を立たせます。ふむふむ。
「アレクシ様、背中の上の部分が柱についていないのが分かりますか?
逆にお腹のうしろの部分が柱についていることも。これが貓背です。はい、背すじをばして」
ちょっとが右に傾いていますわね。
「アレクシ様、書や読みをするとき、が斜めになっていることをご認識されていますか?」
「あー……なんとなくは」
ふう、とため息をつき、センニに定規を渡します。
「センニ、これからアレクシ様が貓背になったりが傾いでいたら、これで背中を叩いて下さい」
「お任せ下さい!」
機嫌の良さそうに定規をけ取るセンニ、アレクシ様が不満そうな顔をされます。
「わたくしは五歳ごろにこれをやりましたわ」
「うっ……はい」
…………
平民用の仕立てを行う店に行きます。貴族が行くような高級仕立屋《オートクチュール》とは異なり、生地もそこまで高い店ではありませんし、寶石をい込んだりもしない店。ヒルッカが屋敷の者たちに尋ね、男用と用で一軒ずつ選定してくれました。
さらにはタルヴォから紹介狀までいただきました。
紹介狀のおかげもあってか店にるとすぐに奧の部屋に通され、店主直々に対応して下さいます。
「ペルトラご夫妻ですね、初めまして」
「初めまして。
主人のスーツを一揃えお願いしますわ。採寸から仕立てていただきたいの」
「なるほど、ご希はございますかな」
「最初の一品ですからオーソドックスなものを。主人はこの型ですからしっかりと型に合うものを仕立てていただきたくて」
「なるほど、上背があられますからな」
痩せすぎとは言わずに上手く躱しましたわね。
仕上がるには一月ほどかかるとのこと。値段を見てアレクシ様の瞳が見開かれます。彼は店を出てからわたくしに言いました。
「平民用でもこんなにするんですね……」
大、給與の半年分以上といったところでしょうか。
「當然ですわ。わたくしは今著ているデイドレスを仕立て直していただきますので、そこまではかからないでしょう」
「……そうか」
アレクシ様が向き直ります。
「君には迷をかけている」
「良いんですのよ。夫婦なのですから」
「そうか……夫婦だからか」
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