《【完結】前世は剣聖の俺が、もしお嬢様に転生したのならば。》第二〇八話 虹大蛇(レインボウサーぺント)

「……こんにちは、あなたは功をしつつある、でもそれ以上に求めているものがありますね」

「おじさん誰? ここ関係者以外止なんだけど……」

目の前に現れた金髪、不気味な赤い目をした東歐貴族風のスーツの男が僕に話しかけてくる……僕の名前は和 雅空(わこう がく)。職業はミュージシャン……と言っても僕一人で音楽を作っているわけではなく、Word of the Underworldという新進気鋭のクリエイターズユニットでボーカルを務めている。

熱心なファンからは稱でWoU(ウォウ)と呼ばれている僕のユニットは、數回アニメの主題歌を努めることになったことでそれまでのコアなファンだけでなく、若いのファンが一気に増加した。

「おじさんファンじゃないよね? 困るんだけど」

若い、と言ってもアニメを熱心に見ている年代層の子が多いので、やはり高校生が増えているのが特徴だ……特に僕は自分で言うことではないかもしれないけど、それなりに整った容姿をしている。

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それ目當てのも多く、楽屋には人を近づけないでほしい……とお願いをしている。間違いがあったらスキャンダルになってしまうし、ただでさえやる気満々でやってくるファンに手荒な真似はご法度だからだ。

室許可はいただいております、私……こういうものです」

差し出された名刺を見ると、そこには『輸出代行 プロデューサー アンブロシオ・チェロニアーティ』と書かれており、僕はもらった名刺とその男の顔を何度か見直してみるが……日本の人じゃないよな? とし眉を顰めて彼の顔を見つめる。

確かに僕は最終的には海外へと出たいと考えている……アニメの主題歌は手っ取り早く人気を得るためにはよかった、そういう意味では今契約をしている會社や、プロデューサーには本當に謝をしているのだが。

「……僕契約している會社あるんだけど……おじさん、引き抜きかなんか?」

「いえいえ、和さんが契約している會社の社長さんには許可をいただいておりますよ」

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アンブロシオと名乗る男はニコリと笑うと、軽く後ろに向かってこちらへ來いと指を振る。その後ろから彼の鞄を持っているのか、年若いが軽く頭を下げてから部屋へとってくる。

はまだ未年に見える……茶がかったショートヘアがよく似合うで、僕の顔を見るとしだけびっくりしたような表を見せたが、すぐに首を振って慌ててアンブロシオさんへと鞄を渡す。

「こちら我が社でアルバイトをしている立川です、和さんのファンだそうで」

「あ、ひゃあいっ……た、立川 藤乃です。わ、Wor(ワー)様のファンでして……お會いできて栄でしゅっ!」

しだけ頬を染めて噛みながら挨拶をしてくる立川さんというを見て、クスッと笑いがれてしまう。未年……まだ一七、一八歳くらいだろうか? 細に都にある子高の制服を著ている。

アルバイトというのも噓ではないかもしれないな……僕は椅子から立ち上がると立川さんへと軽く手を差し出して握手を求める。

「本當はいけないんだけど、特別にね。いつも僕達の音楽を聴いてくれてありがとう」

「あ、ありがとうございますっ!」

立川さんは激したのか両手で僕の手を摑んでぶんぶん振っている……可いなこの娘。笑顔でそのまま握手を続けると、立川さんは急に恥ずかしくなったのか手を離し、雇い主であるアンブロシオさんに軽く頭を下げると彼の後ろへと下がってしまう。

そんな彼の様子を見ながら、アンブロシオさんは笑顔のまま僕へと鞄の中を開けて、いくつかの品を取り出し床へと並べていく。

「私は社の社長とは古い友人でして、和さんへお送りしたいと思ったものをお持ちしました」

「……これは?」

僕はその床に並べられている品を一つ一つ見ていくが、恐ろしく奇妙なものばかりでしだけ目を奪われてしまう。

その中の一つを僕は手に取る……ペンダント、シルバーのチェーンの先にとても奇妙な形の裝飾品がついたものだ……裝飾品は何を模ったものだろうか? 蛇? ぬらぬらとる蛇の裝飾品のようにも見える。興味深そうにペンダントを見ている僕へアンブロシオさんはニコリ、と笑うと裝飾品へと軽く手を添えて、僕へと説明を始める。

「お目が高い……こちらは虹大蛇(レインボウサーペント)のペンダントですね。世界に二つとない希品(レア)ですよ」

確かに目を奪われてしまう……虹に輝くその大蛇の意匠がなぜか目から離せない……とても魅力的なもののようにじて僕はその大蛇へと手をばす。

チクリ、と指先に痛みをじて僕は思わずペンダントを取り落としてしまう……な、なんだ? 急に痛みが……だがほんのりとが溫かくなっていくような覚に襲われ、思わず大きく息を吐き出す。

アンブロシオさんはニコニコと笑ったままそのペンダントを拾い上げると、優しく僕の首にそのペンダントを巻いて止めると、立川さんへと合図をすると彼し悲しそうな顔をしながらドアから出ていく。

アンブロシオさんはその場で息を荒くしている僕を見ながら薄く笑うと、それまでの営業用の笑顔ではなく、恐ろしく獰猛な笑顔を浮かべて笑った。

「こちらはあなたに引かれているようですね……お得意様は大事に、私のモットーですので……離さず持っていてください、きっとあなたのを葉える道となるでしょう……貴(・)方(・)の(・)真(・)の(・)(・)(・)をね」

「あかりん、今週末からWord of the Underworldのライブツアーだよ! 日曜日だからね忘れちゃだめだよ!」

「正直忘れてました、すいません……」

登校時に一際明るいミカちゃんが、私がすっかり忘れていたWord of the Underworldのライブの件を思い出させてくれる……そういや一緒に行くって言ったんだよね、私が! なぜなら私は……このクリエイターズユニットのファンだからだ。

というか、ミカちゃんに勧められて聴いてすっかりハマってしまったわけだけど、前世では想像もしないくらい音の複雑さや奧深さというのをじたわけだ。

まあ主題歌を歌っているアニメもミカちゃんに勧められて見ているんだけど、なかなか面白いんだよね……ちょっと主人公とその友人による男同士のドキドキする友が魅力の作品で剣と魔法の世界の話なのに、登場人が全員超形で、ちょっとボディタッチが多いからターくんには見せないようにしてるんだけどさ。

「あかりん、今週末は戦場なのだぞ? オールスタンディングのライブなんだからいい場所取らないと!」

「そ、そうだね! 私も頑張るよ! 他の人をちぎっては投げ、ちぎっては投げればいいんだよね!?」

私とミカちゃんが鼻息荒く顔を見合わせて盛り上がっているのを見て、心葉ちゃんが呆れたような顔で私たちを見ているのに気がついた……おっと、そういう顔は関心しませんなあ。

ミカちゃんも心葉ちゃんの表を見て懐に手を突っ込むと、チケットを取り出して彼へと見せる……ミカちゃんの手に握られているチケットは、一枚、二枚……三枚!? い、いつの間に……。

「ふふふ……私は気が利く乙なのだよ、心葉ちゃんにもライブに行ってもらえるよう三枚目をゲットしていたのだ!」

「え……? た、頼んでいないのですが……」

「心葉ちゃん、日曜日空いてるよね?」

「空いていますが……って何で燈さん私のスケジュール知ってるんですか?」

〜、でも空いてるんなら問題ないよ!」

「じゃああかりんと心葉ちゃん、そして私の三人でライブに行きます! もう決めました! 今日から心葉ちゃんがアルバムを聴くこと!」

ミカちゃんの宣言を聞いて、心葉ちゃんがお前何言ってんだよ、という呆れ顔に……そして私を見てどうにかしろよって表を浮かべるが、私はすかさず鞄に手を突っ込むと、持ち歩いている四枚のCDを取り出して彼へと見せたことで、彼の表が大きく変化する。

Word of the Underworldがデビューしてからのアルバムは四枚……インディーズからスタートして、メジャーデビューしたのが三枚目……これにもアニメの主題歌がっているが私のおすすめは最新の四枚目……。

「心葉ちゃん……四枚目は絶対聴いて、私これおすすめなの」

「燈さん……目が怖いですよ?」

そりゃそうだ、友達にこのWord of the Underworldという素晴らしいクリエイターズユニットを布教できるのであれば、私は悪魔にでも魂を売るのを躊躇わないのだ……この場合の悪魔、はミカちゃんだけど。

私とミカちゃんの圧力をけて、心葉ちゃんはし引いている気もするが、それもお構いなしにずずい、と距離を詰める。

「心葉ちゃん、あかりんもハマりきってるんだよぉ〜、私が教育したからね……次は心葉ちゃんの番だよぉ〜」

「……ミカさん、怖いんですけど……」

「怖くない、怖くないよぉ……ウヘヘ、ほらあかりんも一緒に」

ミカちゃんが心葉ちゃんへと躙り寄る……側から見ているとめちゃくちゃ怪しい景ではあるが、私はミカちゃんを止めることなく一緒になってCDを心葉ちゃんに押し付ける。このCDはいいものなのだ、全國のファン層へ伝えてくれぇ。

そんなことをやっていると、校門に立っている學校の先生が私たちへと聲をかけてくる。

「お〜い、お前ら何してんの……もうすぐ校門閉めちゃうぞ」

「あああああ! やばいあかりん、心葉ちゃん走ろう!」

ミカちゃんのびで私は軽く手元のスマートウォッチを確認するが……やばい、もう時間ないじゃん! いつの間にこんなに時間が経過していたんだ。私たちは慌てて校門の中へと走っていく……でも、楽しいな……子高生を楽しんでいるがあって。

ふと私は心葉ちゃんを見ると、彼は走りながら私へと笑いかける……その笑顔はとても可くて私も釣られて笑顔になってしまう。心葉ちゃんは笑顔のまま軽く私に顔を寄せて囁く。

「楽しいですね……私東京來てよかったです」

「私も……楽しいね、毎日こんなだったらいいのにね……」

_(:3 」∠)_ 日常回と見せかけた不穏な始まりを書いてみるw

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