《HoodMaker:馴染と學生起業を始めたのはいいが、段々とオタサーになっていくのを僕は止められない。<第一章完>》早朝と馴染

夢と現実の境目はどこにあるのだろうか。

眼を開いた瞬間? それともアラームや風の音が聞こえてきた瞬間?

そんなことを考えながら、寢ぼけた頭を覚ますために大きくびをする。

多分その答えは分からない。それでも時々見る夢の郭に、フィクションとは思えない何かをじる。

意識が覚醒する中でぼんやりと殘るイメージ。それは白。真っ白な世界。

けれど、しばらくすればこの記憶も消えていく。

世の中には覚えられる夢と忘れてしまう夢があり、さっきまで見ていた夢は後者。

それは誰かがわざと塗りつぶしているかのよう。

けれど現実は常に明確だ。

くと服がれ、直ぐそばでは扇風機が風を切り、遠くからはエンジン音が聞こえてくる。靜かな朝の中にも誰かの存在をじ、自分が生きる世界はここにあるのだと実させられる。

スマートフォンを手に取ると畫面には『06:18』の文字。

それにプラスして『プレイリスト:お気にり環境音・雨・焚き火・ほか』と寢る前に聴いていたBGMが待機狀態になっていた。

験前は、寢ぼけた頭を起こすためによく聞いていた。

これを聞くと早朝勉強の導が苦にならない。

でもそうする必要もなくなった。僕は験戦爭に生き殘ったのだ

そうだ。もう大學生……だ。

一瞬、機に向う自分のうしろ姿が見えた気がして目をこする。

「何しよ……」

そんな事を考えながらも僕の右手は無意識にSNSを開き、畫面上で指をらすと畫面に簡素な一文が現れる。

新城禮夢:(あらしろ らいむ)おきたー

………さて、この後は何をするか。

ぼーっとしながら考えているとスマートフォンが震える。

松川 奈々:(まつかわ ななみ)おはよー!

自分の投稿に対して吊り下げられるようにコメントが付いている。

松川 奈々:今日の説明會何時ごろに行く?

そのコメントに返事を返すと、そのままラリーが続く。

新城 禮夢 :9時後かな。

松川 奈々:じゃあこの前のテラスで待ってるね!

新城 禮夢 :おっけー

さっときやすい服に著替える。

説明會はもうしばらく後。その間どうするか。

取りあえず顔洗って、歯磨いて、用足して、その後は……。

突然宙に浮いたかのような居心地の悪さに、次にすべきことを考えてみるが良き案は浮かんでこない。

半年前の自分は何をしていただろうか。

生活リズムが壊れてしまった今、頼りになるのは昔の自分だけ。

眉間に親指を押し當て思い返す。

確か朝は……走るか、読書をしていた。

本棚に目をやる。しかしそこには既に読み終わった本しかない。

それなら――。

ワイヤレスイヤホンを耳にかける。

スマートフォンのプレイリストは『オーディオブック』に。

目的地は最近開通したと噂の西海岸。カーテンを開放し天気を確認する。

外は晴れ。

――青空が見える。

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