《HoodMaker:馴染と學生起業を始めたのはいいが、段々とオタサーになっていくのを僕は止められない。<第一章完>》誠二は一何者なのだろうか2

「ルール?」

誠二以外の全員が首を傾げる。

「ルールというか、自分をこう見せたいっていう、いわゆるブランディングってやつなんだけど、聞いたことある?」

誠二の説明に僕は首を傾げる。

「ブランディング? それル〇ビトンの仲間とか?」

すると奈々からの冷たい視線。

「むーくん。ルイ・『ヴィ』〇ンね』

「どっちでもよくない?」

「いやダメでしょ」

どっちがどっちか知らないけれど、別にそこまで気にしなくても……。

「奈々。こういういい加減な男は収もいい加減だから、ちゃんとしっかりとした男を捕まえるんだよ~」

調子を取り戻した凜が、やれやれっといった様子で、奈々へ余計な知識を授ける。

「なっ!!?」

誰がいい加減だって!? というかこの場合どっちの意味……って、そうじゃない!!

「ははははははは」

「誠二、笑うなって。灑落にならないから」

既に振られている上に、將來まで否定されたらマジで凹んでしまう。

あと前にした奈々との話、忘れてないよね!?

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「あ~ごめん、ごめん。でもそれって、禮夢が笑われない男になるしかないでしょ?」

「ぐぬぬ。そうかもしれないけど! そうかもしれないけど!!」

誠二の返す正論に唸る事しか出來ない。別に犬でもないし、小さくもないけれど、威嚇は大事なのだ。

すると凜がクエスチョン。

「まさかSNSにも『ル〇ビトン』って書いていたりしないよね?」

「大丈夫、それは無い。というか、書くシチュエーションが考えられない」

「シチュエーションが考えられない……ということは、ブランド全般からっきしてことでいいのかな?」

「……はっ!」

痛いところを突かれる。

「安い男?」

「お買い得かはビミョーだけどね」

「止めてくれない!? そのいじり方!」

一気に子からの評価が下がってしまった。

「誠二ぃ~~~~~~」

ここはもう男は男で同盟を結ぶしかない。

「そかそか。今度敘〇苑連れて行ってやるから我慢しな」

「それめられているようで、ダメージれてない?」

「あ、ばれた?」

「誠二ぃいいいいい!」

「ごめん。ごめん」

このいじられ方、評価以前の話かもしれない。

「まあ、仲間ならこんな失敗、笑って済まされるけれど、ネットだと揚げ足取りばかり。出來るだけ気を付けるに越したことないんだよ。それに続けていけば、いずれ信頼と共が得られる。そうやって自分の価値が上がれば、んなことが出來るようになる――――なんて言われたらやるしかない。でしょ?」

「それって誰に言われたの?」

秋が不思議そうに尋ねると、誠二は考える素振りを見せる。

「誰? あーこういう場合なんて言えばいいんだろう。一応メンターって呼ばれているけれど、一般的に考えれば先生というか、師匠というか。まあ、人生の先輩だよ」

誠二の話は実意興味深い。

普通ならそこまで考えて行出來ないだろう。

ただ……なんというか……確かに素晴らしい考え方だとは思うけれど……。

これって……。

「もしかして、意識高い系ってやつなのかな?」

「こらっ! 奈々!」

頭の隅でチラついていた言葉をさらりと口にした奈々

世の中言っていいことと、悪いことが……!

「はははっ! その通りだよ!」

「ほら、奈々謝って……って、え?」

そんな奈々の予想外の行に対し、更に誠二の想像とは違う反応に思考がフリーズする。

「実際そういった本を読んでるし、がっつり影響けてるから」

そう言って誠二はくくくと笑う。

「なんならセミナーがあれば參加してるし、時々だけど手伝いもしてる。あ、今のところ怪しいことはしてないグループだからまだ大丈夫。でも世の中誰がどう転ぶか分からないからなぁ」

奈々の不用意な発言に、場の空気が凍り付くと覚悟していたが、むしろそれを聞いて誠二は明るく笑っていた。

「怒って……ないの?」

僕は失禮かもしれいと分かっていながらも、ついそんな聞き方をしてしまう。

「あー大丈夫、大丈夫! これぐらい言われ慣れてるから」

「言われ慣れてるって……」

「ああ。別に直接面と向かって、とかじゃないから。ただ裏ではそんな話があるって耳にするだけで」

容が段々と重たくなっていく。

「もしかして地雷踏んじゃった?」

「だから余計なことは言わないの!」

そんな危険地帯を奈々はずんずんと進んでいく。

なんと恐ろしいだろうか。

「そう諭すと自分も考えていたって、ばらしているようなもんだけど……」

「うっ……」

秋の指摘がに刺さる。

じゃあ秋はどうなんだとやり返して見せると。

「ま、私は正直に言うよ~」

「何て?」

「面白いって!」

「調子のいいやつだな」

「だって本當のことだも~ん」

くぅ。上手くだしに使われてしまった。

僕と比べて上手く立ち回る子に恨めしさをじる。

「そうだ。撮影する前にアイス食べない? 向こうに売店あるからさ。正直さっきから暑くって。あ、もちろん俺の奢りでね」

「アイス!!」

「うん。いいね」

その提案に子組が食いつく。

そしてこの子も……。

「あぁ^~いいっすね~~」

あああああああああもう止めてくれえええええ!!

奈々のくだらないギャグに全に鳥が立つ。

そしてそのドヤ顔! もうドヤ顔って言葉も死語だけど、それ以外言いようのない顔だ。

本當に勘弁してほしい。

「うん? いま一瞬ひやっとする何かが……」

「ううん。なんでも無いよ!」

今日三度目の『なんでも無いよ』に僕はうな垂れる。

なんで僕はこんな子を好きなったの? ねえ、だれか教えて!? これも自業自得ってやつなの?

「誠二!」

僕は腕を組んで誠二に聲をかける。

「ちょーとこの子とお話ししたいことあるから、先に行っててくれない?」

「ほほう。おっけー。頑張れよー」

「頑張ってもらうのは僕じゃないんだけどね~~~」

何を想像したのか知らないが、これか先は奈々に対するお説教タイムである。

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