《HoodMaker:馴染と學生起業を始めたのはいいが、段々とオタサーになっていくのを僕は止められない。<第一章完>》學生起業の白と黒とグレーゾーン1
「……えーと、これから例の話について、々話そうと思うんだけれど……その前に禮夢。これは……どういうこと?」
誠二が小首をかしげる。
「ごめん。俺もよく分からない」
これから起業について話をしようと大學のテラスに集まったのだが、丸テーブルの周りには白い椅子が『5』つ並んでいる。
「はいどうも~これから面白いことすると聞いて飛んできましたー!」
明るく元気に挨拶する秋。
「右に同じく」
「ごめんね。むーくん」
目を爛々と輝かせている子が3人。
「別に話を聞くだけなら構わないんだけれど……そういう雰囲気にも見えないよね」
「……確かに」
いつの間にかテーブルの上にはそれぞれの筆記用とメモ帳。
凜はタブレットのアプリを開いている。
「実は思うところがあって新しいバイト先探しててさー。なんか條件良いところないかな~って。でも、どんなに都合のいい事書いてあってもさ、今の時代どこも一緒だと思うのよね~。で、そんな時に二人の話が聞こえてきちゃったわけ」
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「聞こえてきたって……」
あの時は誠二以外誰も…………あ。
「あれって飛んでなければ結構音拾うからねえ……」
誠二も察したのか苦笑いをしている。
「でもどこにいたんだ?」
あの時、俺たちは海のそばにいた。
辺りは見晴らしが良く、隠れられそうな場所なんて……。
「真後ろにあった休憩所の屋の上」
ちょこんと赤瓦の上に鎮座するドローンを想像する。
「目と鼻の先じゃん!?」
「あー普通は屋の上に気を配ったりしないもんね~」
恐ろしすぎる。
「ドローンって凄いよね~」
「だよね~」
秋と凜が顔を合わせて「ね~」と賛同する。
「だよね~じゃないから!」
そんなツッコミを見て、くくくっと笑う二人。
「こんなのそこら辺好き勝手に飛んでたら、プライベートもクソもないってほんと……」
心の底から規制されていて良かったと思う。もしそうでなければ……。
早朝、自室の窓の向こうで、ドローンがこちらを見ている姿を想像し鳥が立つ。
うん。ダメだ。
「まあ実際に盜聴されちゃったわけだけれど……もしかしてこれって訴えたら勝てたりする?」
ちらりと誠二が凜に目をやる。
「うっ……」
凜よ、自分でネタバレしておいて揺するなよ……。
「え!? 訴えるの!? ど、どうしよう!」
それよりも、更にうろたえるのが一人。わたわたと何とも表現しづらいきをしている。
ほんとこういう時の奈々はポンコツ可いなぁ。でも今日は。
「それはいいから本題! 三人とも冷やかしに來ただけなの!?」
その様子をしばらく見ていたいが、誠二も俺にも後の予定がある。
「えーと……」
もうしばらく導のコントが続くとでも思っていたのだろうか。三人が互いの顔を見合わせる。
「まあいつも通りだけど、いつも通りにするつもりはないんだよ」
楽しくわいわい。それが出來るのならそれがいいけれど、今日は特別な日だと思っている。
そこに水を差されると、これから先すべてが変わってしまいそうで、中途半端に構うことはできない。
「うーん。もうし様子を伺ってからって考えていたけど……」
おふざけモードは一旦停止して、真面目モードになる凜。
「それについては後でいいんじゃない? まずはお願いからしよう」
「うん」
それに合わせて共振する凜と奈々。
各々の意思確認が済んだのか、再び視線がこちらへ戻ってくる。
「「「私たちも仲間にれてください!!!」」」
それは深い深いお辭儀だった。
そしてぺこりと下げていた秋が、用意していた紙袋から包み紙を差し出す。
「こちらつまらないものですが」
け取る前に誠二がその包み紙をまじまじと見て一言。
「何故にスパムセット?」
「味しいので」
「それは分かるけれど」
「チューリップのほうが良かった?」
「いや、一応スパム派だけどさ……」
誠二はどうぞどうぞと差し出す秋に片手でストップをかけ、こちらを伺う。
「さて桃太郎さんや。向こうからきび団子を持ってきて、仲間になりたいと言っているけれどどうする?」
「そのきび団子は俺にも獻上されるものなのかな?」
秋に目線をやると真顔でふるふると首を橫に振っている。
なるほど。
「じゃあNOで」
こちらも同じように首振る。
「だそうです」
「何で!?」
「何で? と言われましても」
俺にも何かあっていいじゃないの?
仲間にれてと言いつつ、仲間外れにするなんて悲しいと思わない?
まあ始めは誠二におんぶにだっこかもしれないけどさ。
「もうBoooo↓ だよむーくん! これはもうBoooo↓なんだよ!」
同じように殘りの二人も憾の意を表す。
「「「Boooooooooooooo!!」」」
「うっさい! その親指引っ込めろ!」
中指立てないだけましだけど、俺だけ風當たり強くありませんか?
「というか、この流れでOKが出るわけないだろ!」
「そうかもしれないけれど! そうかもしれないけれど~!!」
ムキになる奈々。
「というか、これから何をするか全く決まっていないのに、首を突っ込むのか?」
「というと?」
ここで一度脅しをかける。
「もしかすると子にとって嫌な思いをするような容かもしれないし。もう金に目がくらんであれこれと手を出すかもしれない。うーん。例えば……マグロ漁……とか! あと保険とか、なんだったらねずみ講みたいなこととか、新興宗教みたいなの作って、信者に毎月4冊出版する新刊を10冊ずつ買わせて布教させたり、あとは別れさせ屋、示談屋、アイコラ畫像収集、パチの打ち子、夜逃げ屋……特殊清掃員、死洗い、堀り、運び屋、口座売買、アダルトゲーム、そんな當たりビジネスかもしれないぞ。それでもいいのか?」
もうそれが仕事なのかは分からないが、脅しは無理難題を押し付けるぐらいが丁度いい。
「…………うん?」
そこで子組が首を傾げる。
「俺だって今日初めて話を聞くのに、それなのにひょいひょいついてきて……って、あれ? どうした?」
目をまん丸くしている奈々たち。
「えっと……全く決まってないの?」
「ああ」
「全くの全く?」
「ああ。全く」
「それは……どんなジャンルなのかも?」
「そうだな」
「……もしかして誠二くんが何をしているのかも……知らないと?」
「それこそ全くだ…………うん? そう言えばそうだな。だから今日話を……」
どういうことだろうか。先ほどから俺が悪いかのような空気が生まれているのだが。
「あー。そういえば……」
何か思い出したのか、誠二はスッとを子側に傾けつつこちらを見る。
「禮夢は帰りの途中寢てたよね……気持ちよさそうに」
「え、何。寢てた……? ってどういうこと?」
うーんそういえばあの日……。
奇麗だった夕日がいつの間にか姿を消し、気が付いた時には黒く染まった道をぼーっと眺めていたことを思い出す。
「仕方ないだろ? あの時は一大決心した後だったから疲れてたんだよ……」
水平線を見ながら『お互いビッグになろうぜ』とか
『金稼いだら東京行きたいな』とか
『一人前の男になったらもう一度告白する』なんて語っていたのだ。
素面であんな事できるはずもない。
多分奈々に告白したとき並みには興していた気がする。
思い返してみると相當恥ずかしい…………。
もうあんな小っ恥ずかしいセリフなんて言えない……って、あれ?
……そういえば、それ以外にも々言ってたな。それを……。
ちょっと……待って。
小っ恥ずかしいセリフ……。
を……?
っっっ!?
おおおおお、落ち著け俺。落ち著くんだ俺…………。
………。
……………。
…………………。
噓でしょ!!!!!?
「ちょっと! ちょっとタイム!! 誠二こっち來て!」
誠二を立ち上がらせ、自販売機の裏側へと引っ張る。
「え、何? そんなにスパムしいの?」
「加工の話はどうでもいいからこっち來て!」
これは子には聞かれてはいけない。
絶対に、絶対に聞かれてはいけないのだ……。
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