《HoodMaker:馴染と學生起業を始めたのはいいが、段々とオタサーになっていくのを僕は止められない。<第一章完>》白か黒か…………もしくはその中間か2
「別に自分はそこまで嫌いしているわけではないんですけれど、周りから影響をけてはいるみたいで…………って、どうしました?」
奈々たちの話を終えると、ゆきねえが腹を抱えだす。
「……くくくっ。あはっ!」
「急に笑わないで下さいよ。俺、なんか変なこと言いました?」
しかも笑い方がっぽくて、別の意味でも困る。
「変というか……くくっ! 君が好きなの子ってさぁ……なんか濃いよな~!」
「……確かに濃いっていうのは認めますけれど、見た目は清楚なんです! シンプルなんです!」
「見た目って、それフォローになってないって」
「俺が好きだからいいんです! あのめちゃくちゃなじがいいです!」
「そうかそうか! それはきっと素晴らしい子なんだろうなぁ…………あっ!」
あっ! ってなんだ。何を思いついたんだ。
し距離を取ってみる。
「ねえ、その子の寫真見せてよ!」
差し出される右手から離れるよう更に一歩下がる。
「嫌です。絶対に嫌です」
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「ケチだなぁ。別に二回も言わなくていいだろう?」
「これぐらい言っておかないと、直ぐに手のひらで転がされるので」
この人には理屈で勝てる気がしない。
勝とうと思った時點で負けなのだ。気を付けないと――――――。
「なら換條件を出そうじゃないか」
「換條件?」
いや、まて。だから食いついちゃダメなんだって。
「馴染ちゃんのスリーサイズ、當ててあげるよ」
「な!?」
「そ、そんな事知ったところで別に…………」
「揺してるみたいだけど?」
「し、していることは認めますけれど、知りたくなんてありません! 俺は下品なよりも、清いがしたいんです!」
「あはははははは!! な~~に貞臭いこと言ってるのさ。なんだ? それなら今のうち私で卒業しておくか?」
「な……――――――――――――――――に言ってるんですか!?」
「その間はなんだよ~~想像しちまったのか~~?」
「~~~~~~~っ!」
「いいって、いいって!」
「むしろこのタイミングでスチルれられなくて申し訳ないぐらいさ」
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ゆきねえがわざとらしく腕組みし、を強調してくる。
「どうだ? 結構大きい方だと自負しているんだが」
「だからそういうのがダメだって言ってるんです!」
「別にいいじゃないか~減るものじゃあるまいし~」
「普通そのセリフ、男側が使うものですよね!?」
「男平等社會」
「やるなら彼氏さんにでもやって下さい!」
「むぅ~~~……………まあそうだな」
「あれ? そこで引き下がるんですか?」
「引き下がるも何も、正直、今のダイレクトアタックは効いたぞ…………」
「…………あ、すみません」
ゆきねえ、彼氏いないのか。意外だ。
「君はものの見事に地雷を踏みぬいていくな。親父さんから習わなかったのか? に年齢と彼氏の話をしてはいけないって」
「ほんとすみません……………」
「よーし、それじゃあ罰として、馴染ちゃんの寫真を」
「は、嵌められた!?」
この人一どういう思考回路しているんだ!?
「いや、今回は君が自しただけでしょ」
* * *
場面転換はせず數分後の海岸。
「駄目な転売の定義ねぇ………………」
逸れに逸れた話題を強引に引き戻す。
もう誰が話を逸らしたみたいな不な爭いはカットだ。
まあ、ゆきねえと一緒だと、いつもこんなじではあるが…………。
それよりも。
「別に線引きをしたい訳ではないですけれど、お金しさに暗黒面に墮ちたくはないですから。それに、転売的な事は初めだけで、しばらくしたら輸販売にシフトしていくと聞いています。これなら同じネットビジネスで、やり方も近いですし」
誠二から聞いた話とかじった程度の知識ではあるが、お金が一番ではないと主張する。
「これまた大きく出るんだね」
「いえいえ。俺には輸販売もステップアップにしか過ぎませんよ」
「ほう?」
「あくまで俺の目標は『かっこいい男』になることですから!」
その為の朝一ランニングをしているわけだし。
別にゆきねえに會いたいからではない。決してそうではないと言っておきたい。
「年…………前回の話覚えてる?」
「前回? えーと、ベス〇・キッドの件ですか?」
「丸々全部含めて」
丸々全部と言われても覚えていない。
「大丈夫ですって! 俺は俺なりで頑張ってみますので!!」
今の俺ならなんだかいける気がする!
多分!
「ものの見事にフラグ立てるなぁ」
「?」
なんか苦笑されてしまった。
「よし、ここで本題に戻るけれど、し例え話してもいいかな?」
俺は縦に首を振る。
「そうだな…………じゃあ。數か月後に突然、未知のウイルスで、世界中が大混に陥るとしよう」
「ええぇ……。未知のウイルスって、いきなりスケールの大きな話をされても…………」
「まあいいから! これは例え話!」
「それに世の中何が起きるか分からないし、世の中実際そうなんだからさ」
「そう……なんですかね?」
俺にはピンとこない。
人生経験がまだまだ足りないという事だろうか。
いや、でも歴史の授業ではよく出てくるか。
スペインかぜとか、ペストとか……。
「話を続けるぞ?」
「はい」
俺は再度首を縦に振る。
「その際にマスクや料品を転売した場合、100パーセントに近い確率で批判される。これはさっき話してくれた複製原畫のパターンと一緒。必要としている人間に対して、現が圧倒的に足りてない場合だ。しかも命の直結している。これは生きとして當然の反応だろう。君で言うところの暗黒面、つまり黒だね。じゃあ今度は逆にトイレットペーパーの芯について。元々こういったものが売れるのは、子供の工作や、奇抜なアートを作る変わった人がいるからだろう。ただし需要と供給も微々たるもの。けれどウイルス等で自宅待機し、暇を持て余した人が増えると考えると、需要がびるかもしれない。でだ……トイレットペーパーの芯を売ることで批判されるだろうか? いや、その可能は低い。トイレットペーパーの芯を売ることで、將來の蕓家の手助けをしている私たちに何の文句があるというのだろうか。しいと思う人もなければ、売ろうとする人もない。ましてや生命の危機に直結しているわけでもない。もしそんな人間がいたとしても、それこそ暇を持て余した変人だ。と、まあこんなじでトイレットペーパーの芯売りは未來のの手助け、なので白とする」
ゆきねえの語りはまだまだ続く。
「さて、ある狀況下で黒と白を分けたわけだが。批判されない白は殘念ながら大した儲けにならない。逆に黒はかなりの大金を手にれることが予想できる。商売の難しい所はこういったところで、いい塩梅が大事だ。更に話を掘り下げるのなら、転売という職種……について考えてみる。転売とは、ようは仲介業者であり、それは不産・銀行・スーパーもそうだ。これらの業種が一般的に批判されることがあるだろうか。野菜がしい人が農場へ出向き、更に価格渉をする手間を省いていることと、トイレットペーパーを買い集め、消費する手間を省いていることは、本質的に同じで、買い手と売り手の雙方に合意があるのであれば、それは正しい取引。で、あるのにも関わらず、転売に対するイメージに嫌悪するのは何故か。流・ネット・攜帯端末・自由の解釈…………要因は様々あるが、単純に言い表すなら、その嫌悪は全て…………勘違いだ」
………………………………………勘違い?
「これから先、賢い君は白よりのグレーゾーンを探し當てなければならない。好きな子に嫌われず、それでいて売り上げをばし、尚且つかっこいい男を目指す。これはきっと厳しい道になる。それに5人でチームを組んでいるんだろう? 男関係トラブルに利益の分配方法、モチベーションに思想の対立、引き抜きに退。面白そうなイベントが盛りだくさんじゃないか。うん、羨ましいぐらいだぞ。頑張りたまえ年!」
言いたいことを言って最後は放り投げる。
これがゆきねえクオリティ。
「なんか急に難易度上がってませんか?」
「上がるもなにも、社會に生きるならこんなものだ。産業革命以降、社會で生きる人間は換価値を重要視しているからな。ある意味君たちの活路は経験価値をどう扱うかじゃないか?」
換価値? 経験価値?
「ちょ、ちょっと。なんか言い回し変わってません?」
「そうか?」
「し待ってください。ちょっと調べても……」
ポケットからスマホを取り出し―――。
「ダ~~~~~~メ!!」
ひょいとスマホが取り上げられ、元のポケットへと戻される。
「えええ!!?」
「君、知らないことを知らないままにするのも一興だと思わないかい?」
「何言ってるんですか。知らないと會話にならないでしょう!?」
「そんなことはないさ」
ゆきねえが、今日一番の笑顔を見せる。
「誰かに何かを伝えようとすることに、言葉の意味だけ當てはめるだなんて、人間そんなに小さくないって。それに知らないってことはとても貴重なことなんだ。時々聞かないかい? 『記憶を消してもう一度」って。この世界には、知らない事、見えないもの、じ取れないなにかがいくらでもある。既に明言化していようと、知らないものは知らないし、だからといって完全な無知でもない。それに私はそういったのが結構好きでね。だから君からあるものを奪っていたりするんだけれど…………その話はまた今度にするとして」
…………。
「初めて會った時に言ったことを覚えているかい? 覚えてない? ほら、薄く細い繋がりってセリフだよ。人間ってやつは、偶然や論理的に説明できないものを奇跡だとか運命だとか、ベタベタと後付けして、まるで意味があったかのように振る舞ったりする。點と點が繋がることが當たり前みたいに考えて、本來そこにあったものを捻じ曲げる。つまり……………」
「ゆきねえ! ストップ! ストップ!!」
俺は耐え切れず、ゆきねえの話を制止する。
「何だい? 今いい所なんだけど」
「話が飛躍しすぎてついていけないよ」
「転売の話じゃなかったの?」
あまりにも元の話から線し過ぎていて理解が追い付かない。
「うん? 転売について話していたけれど?」
「いや、その……俺には途中から、違う話にしか聞こえなかった…………」
「そうなの?」
ゆきねえが不思議そうにする。
「はい……」
「そ、そうか…………」
正直に答えると、ゆきねえは目を丸くして、大きくため息をつく。
「ごめん。結構飛んでたみたいだね…………私の頭の中が」
「えーと、はい。飛びすぎてやばかったです……」
「……やばいのか」
「……やばいです」
――――――。
「そうか……なら、今日はこれくらいにしておこうか。今度はもっとシンプルに話しできるようにまとめて……」
「えっと」
――――――。
#禮夢
「ほんとごめんなさい」
「え、いや、なんで君が謝る? 君の話をごちゃごちゃと難しくしたのは私なのに」
「いや、確かに途中から何の話か分からなくなったんですけど……でも! ……その途中までは、ゆきねえらしい話で……面白かったです! 普段はこんな話できないし、話す事自が貴重な験な気がして、ただ……………」
―――――――。
「ただ?」
「ちょっと怖くなったというか、々見かされているみたいな、導されいるような……主導権が俺からいつの間にかゆきねえに移ってるみたいな、なんか、そんな怖いじです」
―――――――。
「………………………」
「………………………」
「…………ゆきねえ」
「……………なに?」
「ここで無言は駄目ですよ」
「………わかってるって。この方が雰囲気出るだろ?」
「だから主導権を俺から取らないで下さいよ………まじで怖いんですから………」
「私にだって主導権はないよ……今はただ考えてるだけ」
―――――――。
「思ったよりも早かったな…………って」
「それってどういう―――――」
「今日はここまでにしよう……。ちゃんと相談に乗ってあげられなくてすまない。どうやら悪い癖が出たみたいだ。また今度、ゆっくりと話そう」
…………………。
…………。
……。
【電子書籍化決定】わたしの婚約者の瞳に映るのはわたしではないということ
わたしの婚約者を、わたしのものだと思ってはいけない。 だって彼が本當に愛しているのは、彼の血の繋がらない姉だから。 彼は生涯、心の中で彼女を愛し続けると誓ったらしい。 それを知った時、わたしは彼についての全てを諦めた。 どうせ格下の我が家からの婚約解消は出來ないのだ。 だからわたしは、わたし以外の人を見つめ続ける彼から目を逸らす為に、お仕事と推し事に勵むことにした。 だいたい10話前後(曖昧☆)の、ど短編です。 いつも通りのご都合主義、ノーリアリティのお話です。 モヤモヤは免れないお話です。 苦手な方はご注意を。 作者は基本、モトサヤ(?)ハピエン至上主義者でございます。 そこのところもご理解頂けた上で、お楽しみ頂けたら幸いです。 アルファポリスさんでも同時投稿致します。
8 76家から逃げ出したい私が、うっかり憧れの大魔法使い様を買ってしまったら
◇SQEXノベルさまより書籍全3巻発売中!3巻は完全書き下ろしで、WEB版の続きになります。幸せいっぱい、糖分過多のハッピーエンドです。 ◇ガンガンONLINEさまにてコミカライズ連載中! コミックス2巻が発売中です。 ◇ 書籍ではWEB版のラストを変更しています。 伯爵家に引き取られたジゼルは、義母や妹に虐げられながらも、持ち前のポジティブさと亡き母に貰った『やさしい大魔法使い』という絵本を支えに暮らしていた。 けれどある日、自身が妹の身代わりとして変態侯爵に嫁がされることを知り、18歳の誕生日までに逃げ出す計畫を立て始める。 そんな中、ジゼルは奴隷市場でムキムキの青年を買うつもりが、ついうっかり、歳下の美少年を買ってしまう。エルヴィスと名乗った少年は、ジゼルをクソガキと呼び、その上態度も口もとんでもなく悪い。 ──実は彼こそ、最低最悪の性格のせいで「人生をやり直してこい」と魔法を封印され子供の姿にされた後、神殿から放り出された『大魔法使い』だった。 魔法によって口止めされ、自身の正體を明かせないエルヴィス。そんな彼に対しジゼルは、あまりにも辛い境遇のせいでひねくれてしまったのだと思い、逃亡計畫の傍らひたすら愛情を注ぎ、更生させようとする。 (あれ、エル、なんだか急に身長伸びてない?魔法が少し使えるようになったって?ていうか距離、近すぎるのでは……?) 世話を焼き続けるうちに、エルヴィスに少しずつ不思議な変化が現れ始める。彼に掛けられた魔法が、人を愛することで解けることを、二人が知るのはまだ先で。 家を出たい心優しい少女と、元の姿に戻りたい優しさの欠片もない魔法使いが、幸せになるまでのお話です。
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8 158俺は、電脳世界が好きなだけの一般人です
簡単に自己紹介をしておこう。 俺は、高校生だ。確かに、親父に騙されて、會社の取締役社長をやっているが、俺だけしか・・・いや、幼馴染のユウキも社員になっていた・・・と思う。 俺の親父は、プログラマとしては一流なのだろうが、面倒なことはやらないとという変わり者だ。 そんな親父に小學生の頃から、プログラムやネットワークやハードウェアの事を叩き込まれてきた。俺が望んだと言っているが、覚えているわけがない。 俺が、パソコンやネットワークに詳しいと知った者からお願いという名の”命令”が屆くことが多い。 プログラムを作ってくれとかなら、まだ話ができる。パソコンがほしいけど、何がいいくらいなら可愛く感じてしまう。パソコンが壊れた、辺りの話だと、正直何もできないことの方が多い。 嫌いな奴が居るからハッキングしてくれや、元カノのスマホに侵入してくれ・・・犯罪な依頼も多い。これは、”ふざけるな”斷ることができるので気持ちが楽だ。それでも引き下がらない者も多い。その時には、金銭の要求をすると・・・次から話にも來なくなる。 でも、一番困るのは、”なんだだかわからないけど動かない”だ。俺は、プロでもなんでもない。 ただただ、パソコンが好きで、電脳世界が好きな”一般人”なのです。 そんな”一般人”の俺に、今日も依頼が入ってくる。
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一度崩壊した世界は生まれ変わり、それから特に成長したのは人類の「脳開発」だった。頚椎にチップが埋め込まれ、脳が発達し、人は超能力を手にするようになり、超能力を扱えるものは「有能」と呼ばれる。しかし、チップを埋め込まれても尚能力を持てない者は多數いた。 「無能」は『石頭』と揶揄され、第二新釜山に住む大學生、ググもまた、『石頭』であった。 ある日、アルバイト先で、一人の奇妙な「有能」の少女と出會ってから、ググの日常はそれまでとは大きく変わってゆく。
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『私達は何処に心を置き去りにしていくのだろう』 高校生活二年目の夏休みの手前、私は先輩に誘われてレズビアン相手の援助交際サイトに書き込んだ。そこで初めて出會った相手は、私と同じ學校の女生徒だった。心の居場所を知らない私達の不器用な戀の話。
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