《HoodMaker:馴染と學生起業を始めたのはいいが、段々とオタサーになっていくのを僕は止められない。<第一章完>》blue,Next blue2
「勝負……?」
「なに難しいことはしないよ。ただ君が私の核心部分に興味を持ったようだから『私と言う存在を理解』できるか勝負しようって、持ちかけているわけだよ」
理解を勝負?
この人何を言っているんだ?
「それって既にゆきねえが有利じゃないですか? 存在を理解だなんて、まさしく象的じゃないですか……」
というか何を持ち掛けられているかハッキリしない。
「それは大丈夫。その理解は君の主観で判斷で構わない」
主観で判斷……。
「それって俺が分かったと思えば、分かったと判斷していいと?」
「ああもちろん」
「それただの言ったもん勝ちになるんじゃ」
「問題ない。この勝負の勝ち自には何の意味もない。ただ君が満足できるか否か、それだけだからね」
「それなら別に勝負じゃなくても」
問いかける。
勝ち負けがあるから勝負なのであって、勝ちに事態に意味がないって、一どういうことだろうか。
「セイッ!」
なっ!
このタイミングで仕掛けて來るとは思わず、完全に視線を逸らしていた。
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だが目の端に揺れるゆきねえの髪の端がり、どうにか不意打ちに気づく。
「むぅ……當たらないか。隙を突いたつもりなんだが……」
今度はボディへのストレート。さっきの手刀打ちよりも早かった。
「隙って!? 今から毆り合いでもするんですか!?」
一この人は何を。
「確かに毆り合いも一つの手」
「昔の男は河原で毆り合って仲良くなったと言うし、格闘技も拳をえて試合終われば互いをたたえ合う。実にボクサーらしい考え方だ。だが……」
ゆきねえは自分の人差し指を、トンとこめかみに指し
「ここを目一杯使って闘おうじゃないか!」
笑ってそう言う。
「え、じゃあさっきのボディストレートの意味は………」
攻撃を仕掛けてきたのそっち……
#
「理由? 避けられたから」
「勝負に関係は……?」
「…………ない。ただの腹いせ…………だね」
「ええええええええええええええ!!」
ああもう滅茶苦茶だ!! なにこの人!? 超面倒くさい!! なんで俺この人と話してるの!? マジで意味わかんない!!
「それじゃあ~~~~」
「え、え!?」
「始め~!!」
こっちが混している間に、よく分からないゲームが始まる。
落ち著け。落ち著くんだ俺。これじゃあ前回と同じだ。
見る限りゆきねえは全く反省していない。分かりやすくまとめるなんて言っていたけれど今回の會話に全然活かされていない。
「時間はこの辺が明るくなるまで」
ちゃっかり主導権は自分で持っているし。
「それまでの間なら何しても構わないよ」
「それは」
「何でもだよ。年」
「その代わり私も君のことを理解させてもらう。それはもう、人間観察。いや、もはや人実験かもしれないけれど、なんでもだから仕方ないよね。本當は『あの場所』に來れるようになったらやろうと思っていたけれど、別に大丈夫だよね」
なにやら不穏な単語が聞こえてくる。けれど、その疑問を深く考えようとすれば、直ぐにデッドロックする。この人は答えが無いものを、わざと振ってくるんだ。それに気づかずに、あーだこーだと、困っている俺を見て面白がる。ゆきねえは、前に悟さんが言っていた変人の一種なのだろう。だから取り合えずは保留。
ゆきねえとの話にはそれが必須をラーニングする。そしてその分考える方にリソースを割く。ゆきねえは分かりやすさの反対を現しているような人。だから話し方も、一般的な分かりやすいとされているものの真逆だと考える。
一般的な分かりやすい話し方をする人は、先に結論を話す。そして『なにが』『いつ』『だれが』『どこで』『なぜ』『なにを』『どのように』を意識して、なるべく短く簡潔にまとめる。
それの真逆だとすれば、結論は最後に。なんなら結論なんてなくて、常に『本當に?』『実は…』『かもしれない』みたいなじで捻ってくる。
それってどこのソクラテスだよ。
ふう…………………。
だとすれば一文だけではなく、ゆきねえが握っている會話全の流れを見るしかない。
これって結構頭使うから、どうにか脳みそのメモリ増築出來ないかな。
出來たら出來たで気持ち悪いけれど。
取り合えずは……………。
「何でもって言うのなら、こっちは文明の利を使わせてもらいますよ」
「ほう」
こっちはゆきねえがべらべらと話をしていた間に、一つ案を思いついていた。
ゆきねえの年齢は推定25歳。ならSNSの一つぐらい使っていてもおかしくはない。
使っていなくても、何かしら記事があるかもしれない。
俺だって高校時代の戦績が載っているぐらいなのだから。
「雪代雨………っと」
…………………………。
…………………………。
…………………………。
…………………ない。
「どうだい?」
「む~~~~~~~~」
當てが外れてしまった。とはし違う。これは微妙な狀況だ。本當にしかった報はゆきねえのSNS、もしくは記事。
だが雪代雨で検索をかけると、ゲームのキャラ紹介が出てくる。
『キャラクター紹介:雪代_雨(ゆきしろ_あめ)』
これはゆきねえの名前が、ゲームから引用した偽名と言う事だろうか。それともただの同姓同名か。もしかしたらヒントがあるかもしれない。そのページを開いてみる。
……………が。
あれ?
『404.That's an error.』
『申し訳ございません。指定されたファイルは存在いたしません』
消されているのか? だったら……。
リンク先のURLをコピー。
comより後を全部消して、直接トップページへ飛んでみる。
…………………。
…………………ダメだ。
ならキャッシュで。
検索エンジン自が過去のページを保存しているはず。
…………………。
…………って、え?
開こうとするとアプリが落ちた。
再度チャレンジするも同じことが起きる。
どういうこと?
「やはり異世界宇宙人……報が完全に隠蔽されている」
冗談9割、疑が1割。
「あ、もしかして未來の記事を開こうとしてる?」
「未來の記事?」
「あれね。ページ見れないくせに検索上位に挙がってくるんだよね。ちょこちょこ調べているのだけれど、一どこの誰が作ったか不明でね。分かっていることは、このサイトの投稿日が2年後になっていることだけ。ほんと、何だろうね…………」
「なるほど……」
俺は小さく相槌を打つ。そして。
「そのよく分からないサイトのキャラ名なら、偽名として使っても問題ないし、興味を持った人をからかえて一石二鳥だと」
「おい待て! 雪代雨はれっきとした私の本名だぞ!」
「じゃあその証拠を出して下さいよ~」
「証拠なんてそんな不明なものはない」
「証拠を不明とか何基準ですか!?」
「私は私。それで十分だ」
「この人絶対に理解させる気ないですよ! ガチの変人じゃないですか!?」
「おうおう素敵な譽め言葉ありがとう」
「やっぱり同類!」
「ほーー誰と照らし合わせているか知らないが、その人が言っていなかったか? 類は友を呼ぶって」
「いやいやいや! そんなこと言ってませんって!」
「本當に~~~~~?」
「何を拠に疑ってるんですか! あの人がそんな事言う訳!…………あ」
「ほらみろ」
「言ってないっていたら言ってないんです!」
「いや~がっつり心當たりある顔してるだろ~それこそ『変人の素質がある』なんて言われたんだろう~?」
「やや、やっぱりゆきねえは宇宙人だ!」
この人は!
ほんとこの人は~!!!
結局、ひらりひらりと躱され続け
俺はゆきねえについて何も理解することが出來なかった。
それを楽しそうにして『また次にね』と言い殘したあの人は、本當に何者なのだろうか。
【書籍化】隻眼・隻腕・隻腳の魔術師~森の小屋に籠っていたら早2000年。気づけば魔神と呼ばれていた。僕はただ魔術の探求をしたいだけなのに~
---------- 書籍化決定!第1巻【10月8日(土)】発売! TOブックス公式HP他にて予約受付中です。 詳しくは作者マイページから『活動報告』をご確認下さい。 ---------- 【あらすじ】 剣術や弓術が重要視されるシルベ村に住む主人公エインズは、ただ一人魔法の可能性に心を惹かれていた。しかしシルベ村には魔法に関する豊富な知識や文化がなく、「こんな魔法があったらいいのに」と想像する毎日だった。 そんな中、シルベ村を襲撃される。その時に初めて見た敵の『魔法』は、自らの上に崩れ落ちる瓦礫の中でエインズを魅了し、心を奪った。焼野原にされたシルベ村から、隣のタス村の住民にただ一人の生き殘りとして救い出された。瓦礫から引き上げられたエインズは右腕に左腳を失い、加えて右目も失明してしまっていた。しかし身體欠陥を持ったエインズの興味関心は魔法だけだった。 タス村で2年過ごした時、村である事件が起き魔獣が跋扈する森に入ることとなった。そんな森の中でエインズの知らない魔術的要素を多く含んだ小屋を見つける。事件を無事解決し、小屋で魔術の探求を初めて2000年。魔術の探求に行き詰まり、外の世界に觸れるため森を出ると、魔神として崇められる存在になっていた。そんなことに気づかずエインズは自分の好きなままに外の世界で魔術の探求に勤しむのであった。 2021.12.22現在 月間総合ランキング2位 2021.12.24現在 月間総合ランキング1位
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