《高校生男子による怪異探訪》5.寫真の異変
一通り池の周りを調べて何事もなく合流箇所に到著。あちらも何も発見は出來なかったか、檜山がしょぼくれた表をしている。
「河いなかったー」
「いやまぁ、陸上にいたらそれはそれで驚きだと思うよ?」
「痕跡の類はないね。田んぼの方から來た可能もあるかなって思ったけどそれらしきものは何もなし。そっちは?」
「こっちもだ。何かが林から出て來たって線は薄いな」
報告しあうが芳しいものは何もなし。野生のの見間違い説がかなり怪しくなってしまった。いや、別に俺たちは専門家でもないし、見落としの類はあるだろうから完全に言い切れる訳でもない。でもこれ以上はどうしようもないのは事実だ。
「外周から証拠は得られなかったか」
「こうなったら池を調べるしか……?」
ぼそりと呟いたのに揃って顔を池に向ける。夕日の照らす池は水面が黃く染められてあのヘドロも隠されている。どれだけ強いが差してもやはり底など見通せず、かと言ってちょっと鼻を近付ければツンと刺すような生臭い臭気が仄かに立ち上った。
「挑むのは嫌かなぁ」
「同。潛水があっても指先だって浸けたくない」
「ここまで濁ってると水なのか泥なのかも分からないな」
共通認識で池にるのはやだ。俺たちの心が固く通じ合った瞬間だ。
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「この池って深さどんくらい? 足著く?」
「「「いやいやいや」」」
いや、一人乗り気な奴がいた。じっと水面を見下ろして今にも裾捲ってりそうだ。
「止めときなって檜山! こんな濁りきった所、どんな生きが潛んでるかも分からないしどんな菌があ繁してるかも分からないよ!?」
「そもそも深さだって分かってないしね。何度か水難事故が起こってることを考えると安易にるのは危険だよ。悪いことは言わないから止めときな」
「これ池と言うより沼に見えるし。足が底に屆いたとしてもそれが泥だったら踏ん張りなんて利かないだろ。這い上がるのが難しそうだし止めとけって」
総出で止める。強く引き止めないと檜山は突っ走る恐れがあるから俺らも必死だ。こちらの決死な説得に思い直してくれたみたいだが、それでも顔は殘念そうに池からじっと目を離そうとしない。どれだけ河捕まえたいんだ、お前は。
「そうしたら今日はもう撤収?」
「これ以上ここにいてもやれることはないだろ。流石に蘆屋先輩も水にれとは言わないよな?」
「會長さんはそこら辺の安全基準には意外なほどに厳しいから大丈夫だと思うよ。まぁ、次の時に完璧な潛水用意していそうだけど」
「そしたら俺がるよ! 河と一緒に泳ぐんだ!」
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話を纏めて今日は帰ることとなった。もう日も傾いてきたしな。あと一時間ほどで日も沈みそうだ。真っ暗になったらそれこそ事故に繋がり兼ねない。ここら辺が時だろう。
とりあえずり口側に戻って來がてら池の寫真を何枚か取る。暗くなってきているとは言えまだフラッシュを焚くほどではない。樹本が池に向かって何度もシャッターを切っているのを眺めつつ、元の場所まで戻って來た。
「さて、それじゃ帰るか」
「あ、ちょっと待って。ね、嵩原も何枚か撮っといてくれない? 僕の背だと全景を撮るの難しいんだよ。もうちょっと全をれた寫真がしいんだ」
「ああ、いいよ。し引きで撮ってみようか」
「あ! 俺も俺も! 水の底が撮れないか試したい!」
帰る前にと二人にデジカメが渡される。河の痕跡がさっぱり見付からなかったからせめて池の全容くらいは持ち帰らないとな。蘆屋先輩は寛容そうな雰囲気があるが、あの手の趣味嗜好に走る人間はそれ関係で不満抱えると酷く面倒臭いことになりがちだから油斷は出來ない。
「大した報は得られなかったなぁ……」
「お疲れだな、樹本」
はぁとため息吐きながら愚癡溢す樹本を労る。いや本當大変だよな。これで調査終了となればいいのだが、嵩原がついつい溢したように次は水中の調査になり兼ねないのが本當怖い。頼むからそれだけは勘弁願いたい。
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「本當に疲れるよ。どうして僕はオカ研なんかに所屬してるんだか……。嵩原こそ會すればいいのに」
「あいつは個人で楽しんでるだけっぽいからな。義務として関わるのは嫌なんじゃないか? 蘆屋先輩も會報がどうのと言っていただろ。同好會とは言え、やっぱり活容は學校側に提示する必要があるのか?」
「うーん、得にそんな話は聞かないかな? そもそもいくら同好會だからと言っても、會長と僕しか會員がいないんだからり立つはずがないんだよね。本來なら人數の時點ではねられてるはずなんだ」
え、二人だけ? もっと會員はいると思ってたぞ。
「二人って、それでよくこれまでやって來れたな」
「去年まではね、三年の先輩が三人ほどいたんだよ。でも皆卒業しちゃって現在は僕と會長の二人だけだよ。會長は黙っていれば人だから會を希する人もちょくちょくいたんだけど、皆追い出されるか會長に著いていけなくて止めちゃった。結果僕しか殘ってないの」
それはそれは。先輩目當てに鼻の下ばした野郎共が不気味に笑う當人に追い出される様が目に浮かぶ。理屈をこねて論破とかやりそうだもんな、あの人。
「だとするとお前と檜山は貴重な人員になるのか……」
「檜山はあくまで助っ人で會員じゃないけどね。でもまぁ、なんだかんだ結構手伝ってくれてるし助かってるのは事実かな。本人が楽しそうにしてくれてるのがせめてもの救いだよ。君も仲間になってくれると心強いんだけどな」
「丁重にお斷りします」
オカルト趣味に巻き込まれるのは嵩原で間に合ってる。いや、嵩原だって良くはない。何をけれているのか自分は。
ま、樹本も冗談で言ってるだけだ。半笑いなのが何よりの証拠。分かっていてそれでも大袈裟に斷るのはそれがノリであることと、あとはほんのちょっと本気がってるかもしれないので保険としてしっかりと斷った事実を作っておきたい。そのためだ。
「ん?」
後ずさった拍子に足にコンといが返ってきて思わず視線を落とす。ボウボウにびた草の間に何やら白いが見えた。
「どうしたの?」
「何か転がってる。これ……、看板か?」
よく見ればそれは一抱えほどある看板だ。目を引くのは大きな赤いバツだな。文字も書かれているが、れているのと草に半ば埋まっていてよく見えない。
「古戸池の看板? バツってことは何かの注意喚起かな」
「文字はまだ読めそうだな。『…泳止。…亡事故、有り。夜…、…止』……。これは……」
飛び飛びでしか読めないが何を伝えようとしてるのかはなんとなく分かる。よくよく見れば赤いバツの下に青い波線と薄ら人型が描かれていた。郭くらいしか殘ってないが、波線から顔と両腕が突き出されているのが分かる。
「……何件か水難事故があるっていってたね」
「ああ。これを見るにそれは事実らしいな。しかも死亡者が出てる」
文字のれ合から見てもそれなりに昔に立てられただろう。こんな草に埋もれるようにしてあるのは倒れてからもそこそこ時間が経っているのか。近くを探れば看板の足らしき木片が突き立ってるのを見付けたが、それも斷面はボロボロで背丈の長い草に隠れてしまっていた。
この池で誰かが死んでる。事故があったと聞かされた時から頭の片隅にはっていたと思うが、こうもまざまざと証明されると心に來るものがある。樹本も神妙な顔を浮かべていた。
なんとなく気まずい空気が流れる中、突然騒がしい聲が聞こえてきた。振り向けば池の近くで檜山と嵩原が何やら言い合っている。樹本と顔を合わせ、急いで二人の元へと向かった。
「どうしたの? 何を騒いでるの」
「ああ、いや大したことないんだけどね」
聞けばどうやら檜山がやらかしたらしい。
「ある程度報告用の寫真を撮ったから亨にカメラを渡したんだ。どうしても水の底が寫るか確かめたいって言うからさ。そしたら……」
「フラッシュ暴発して驚いてカメラ落とし掛けた。マジ危なかった」
水面を撮ろうとしゃがんだ檜山はシャッターを切り、そこで何故かフラッシュが作、白くったのに驚いて手がり危うく池にカメラを落とし掛けたらしい。それ蘆屋先輩からの借りなんですけど?
「亨もなんとか落とさずに済んだから良かったけど、最悪カメラも記録もおじゃんだったよ」
「危な……。ちょっと檜山、勘弁してよ。會長にこれ以上無理難題押し付けられたくないよ、僕」
「いやごめん。油斷してた。なんでフラッシュ暴発したんだろ?」
「なんか変な所押さなかった?」
回収されたカメラをけ取って樹本は設定なんかを確認する。周囲は徐々に暗くなってきてるから、そりゃいきなりフラッシュなんか焚いたら眩しさで驚きもするか。その瞬間を見てはいないけど、多分一瞬池周りは眩しくなったことだろうよ。
「あれ……?」
カメラを確認していた樹本が何やら呟きを落とす。その聲がどうにも呆然としていると言うか、し震えて聞こえてきたので気になった。見ればじっと、デジカメの小さな畫面を凝視している。
「どうした? データ吹っ飛んでたか?」
「それは最悪だね」
聲を掛けながらひょいと橫合いから手元を覗き込む。畫面には古戸池らしき畫が映り出されていた。データが消えた訳ではないようだ。
「え、データ消えた? お、俺の所為か?」
「いや、そう言う訳じゃ」
「ね、ねぇ。これ、なんだと思う?」
焦る檜山を安心させるため答えようとしたその前に、樹本が震える手でデジカメを突き付けて來た。怯えを滲ませる樹本も気になるが、目は眼前に曬された畫面へと吸い込まれるように寄っていく。
表示された畫はなんだかよく分からないものだった。異様に白くってるしピントが全く合ってなくて、全が非常にぶれてぼやけている。
なんぞこの寫真と思い、そして慌てて回収した際に撮れたものかと予想を立てる。よく見れば古戸池らしき水面や生い茂る木々、それに茜に染まる空など、この場らしきものが隨所に寫っていた。水面も畫面の半分を占めるなどかなり低い位置での撮影っぽいから多分當たりだろう。檜山の奴、よっぽど慌ててカメラ摑んだんだろうなぁ。
失敗寫真だな。それ以外には特に目を引くものもない。樹本は何を気にしているんだろうか。
「? これが一何……」
「ここ、ここをよく見て」
首を傾げ訊ねればつっと指先で畫面の中央右を指す。んん?っと唸りながら顔を畫面に近付けて凝視する。ボケて詳細なんか全く分からないが、それでも指定された箇所をじっと眺めていれば違和に辿り著いた。
ヘドロの濁った水面。暗と夕日のが混じるそこにぽつりと白が浮いている。フラッシュの反かと思うけど歪な上にどう見てもそれはじゃない。水面から何か白いものが出ているようにしか見えなかった。
「……なんだこれ?」
「僕の方が知りたいよ……!」
思わず訊ねれば泣きそうな顔でそう返される。
何々?と顔を寄せる殘り二人にも畫面を見せた。件の箇所を指差して示せば、うわーと軽い驚きの聲が上がる。
「何これ河?」
「皿の部分? それとも頭頂部? ぼやけ過ぎててこれだけだとどうにも判斷出來ないね」
すっかり震え上がってる樹本とは対照的に二人は興した様子で議論する。枝か何かを見間違えただけではと思い一応池を確認したのだが、水面から突き出ているなど特に見當たらない。凪いだ水面が変わらずそこにある。
「気になるね。これが河の正だとすれば是非とも確証を得たいね。もうちょっと調べてみようか」
「も、もう充分じゃないかな!? この寫真だけでも立派な証拠になるんじゃないかな!?」
「立派な検証材料になるからこそ更なる調査を言い渡されるんじゃないかな? これだけ持って帰った所で會長さんは満足しないと思うけど」
「……」
調査継続を語る嵩原に、樹本は必死で食い下がるがあっさり言い負かされて俯く。俺もあの先輩ならもっと調べろって命を下すと思う。を蹴ってでも行かせると思うな。
「どこ見ても白いのはないなぁ」
「寫真にだけ寫ったのか、それとも一瞬水面から出ていただけか。どうすれば確認出來るだろう?」
早速と再調査を始める河絶対見付け隊の二人。何も言い返せずただ俯くしかない樹本が哀れだ。
「適當に寫真を連続で撮ればまた寫るかな?」
「お? 撮ってみるか? よっしゃ任せろー。はいチーおわっ!」
「あ、フラッシュ焚く設定が継続してたね、そう言えば。と言うかオートになってるのかな?」
檜山の気の抜けた掛け聲と共にバシャッと一瞬視界が白む。フラッシュ強いなぁ。日が落ちてきているから一層白いが強力に辺りを照らす。
確かに油斷してる時に目の近くに強烈ながあると一瞬怯むよな。日中であれば大して気にならない白も、こんな夕方以降の薄暗い中で見ると非常に強く目を引く。ここは他に源なんかもないし。
「今度は落とさなかった!」
「亨って反神経いいよね。どれ、確認と。……ん?」
「……お?」
え? カメラ覗き込むなり騒がしかった二人が急に黙り込んだぞ。肩寄せ合ってじっと畫面を凝視している。
何か寫ったのか? チラリと樹本に視線をやれば樹本も俺の方を見ていた。気になるので黙り込む二人をそっと窺う。
「ど、どうしたの? 何か寫った?」
恐る恐る樹本が聲を掛けると、二人はチラリと畫面から樹本へと視線をかし、そして向き合うと何事か目で會話をわしたあとすっとデジカメを差し出した。
「え……」
無言で渡されたデジカメを思わずけ取った樹本は、そのまま畫面に目を落としてピシッと固まってしまう。
え、そんな? さっきよりも余程分かり易いリアクションを披する樹本に倣って、俺も畫面を覗き込んだ。
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