《銀河戦國記ノヴァルナ 第2章:運命の星、摑む者》#14
「ノア、ポジトロンパイクを貸せ!」
そう言いながらノヴァルナは『センクウNX』が手にする超電磁ライフルを、ノアの『サイウンCN』に向けて放り投げる。意図を察したノアは「了解」と応じ、『サイウンCN』の持つポジトロンパイクを『センクウNX』へ投げた。『センクウNX』のポジトロンパイク二刀流と、『サイウンCN』の二丁拳銃ならぬ二丁ライフルの出來上がりだ。
そんなノヴァルナとノアに対し、敵の指揮は僚機に、球形に取り囲んで仕留めるよう指示を出す。だがノヴァルナとノアの対応の方が早い。
「ノア、敵が陣形を組むのを阻止してくれ」
「わかった!」
ノアの応答を聞く前にノヴァルナは『センクウNX』を急加速させ、単機で敵に突っ込んで行く。その後方でノアは『サイウンCN』の、複數の目標に照準を付けるイルミネーターを起、両手に握る二丁のライフルで、大きな円を描きながら次々にトリガーを引いた。
その弾丸は二人を球形陣の中に取り囲もうとしていた、敵BSIユニット全てに向けて放たれた。各機が回避行をとって連攜がれたところを、『センクウNX』が仕掛ける。
Advertisement
「でやぁあああ!!」
一番距離の近いところにいた敵の『ミツルギ』に、瞬時に間合いを詰めたノヴァルナ機は、右手のポジトロンパイクを振り抜いた。咄嗟に超電磁ライフルを突き出す敵機。『センクウNX』の斬撃はライフルの銃だけを切り砕く。だがそれで終わりではない、ポジトロンパイクは左手にもある。続けさまに斜め下から振り上げた斬撃は、敵機の右脇腹から板を深く切り裂いた。
破斷箇所から破片とのような赤いプラズマを撒き散らして、その『ミツルギ』はかなくなる。だがその時にはもう『センクウNX』の姿は無い。言うまでも無く、次の敵機を目指しての事だ。
一方のノアは、敵BSI群からの超電磁ライフルによる反撃を、恐るべき機で悉く回避していた。四肢との姿勢制はNNLの脳波コントロール、飛行方向と重力子バランサー制、そしてエンジン出力は縦桿とスロットルとフットペダル―――その全てを、ノアは自分の神経の延長線上にでもあるかのように、完璧にって見せる。
「3、2、1、今!」
照準センサーの中で敵機の機を予測したノアは、自分の點に飛び込んで來るようにタイミングを合わせてトリガーを引いた。
「ウヴァッグ!?(なにっ!?)」
キャーメラー星人パイロットがんだ瞬間、ノアが放った銃弾が機を直撃し、なぜ自分の方から銃弾に突っ込む事になったかを考える間もなく、パイロットはと意識を消滅させた。
「ガフグ・ラヌ・BSHO!」
仲間を撃破された、別の『ミツルギ』のパイロットがいきり立って、ノアの『サイウンCN』に対してライフルを連する。しかしその銃弾は全く掠りもしない。とその時、し離れた位置にいた僚機が警告を発する。
「ラペチャ・ルグロン・ラヌ!」
僚機からの警告と同時に、ヘルメットに敵の接近警報が鳴り始めた。ノヴァルナの機が猛スピードで右上方から迫って來る。慌ててノヴァルナ機にライフルを向けるそのパイロット。するとその直後、ノヴァルナは『センクウNX』の右手のポジトロンパイクを、一直線に投げつけた。トリガーを引くより早く、元にポジトロンパイクが突き刺さった『ミツルギ』は、大きくのけ反る。
「ベフッマ!」
ノヴァルナの接近を警告していた別の『ミツルギ』が、橫合いからノヴァルナ機に銃撃を浴びせる。それをノヴァルナは波打つような機で回避すると、元にパイクの刃が突き刺さった『ミツルギ』と一気に距離を詰め、左手のポジトロンパイクで腹部を両斷して撃破、さらにその機の超電磁ライフルを奪い取ると、橫合いから撃って來ていた敵機に撃ち返した。
その『ミツルギ』はノヴァルナの反撃で、超電磁ライフルごと左腕を破壊された。怒聲を上げたパイロットは、健在な左手にポジトロンパイクを握り、ノヴァルナに突っかかって來る。しかし量産型BSI一機では、BSHOに敵うはずがない。ノヴァルナは敵の斬撃をパイクで跳ね返すと、袈裟懸けに斬り捨てた。
これに唖然としたのは、瞬く間にBSIの半數を失ったシーガラック星系軍の、二人の編隊長である。こうなれば仕方ない―――とばかりに、殘存の量産型BSIには『サイウンCN』を狙うよう指示を出した。そして二人は協力して、ノヴァルナの『センクウNX』を狙うつもりである。能向上型の親衛隊仕様に乗る自分達が連攜すれば、BSHOでも太刀打ち出來ると踏んだのだった。無論、ノヴァルナもむところだ。敵の新たなきを見て不敵な笑みを浮かべる。
「おうよ! 相手になってやるぜ!!」
▶#15につづく
【書籍化決定】婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。
アメリアには、婚約者がいた。 彼は、侯爵家の次男で、貴重な「土魔法」の遣い手だった。 婚約者とは良好な関係を築けていたと思っていたのに、一歳年上の彼が王立魔法學園に入學してから、連絡が途絶える。 不安に思うが、來年には自分も入學する。そのときに話し合えばいい。 そう思っていたのに、一年遅れて入學したアメリアを待っていたのは、周囲からの冷たい視線。 婚約者も理由をつけて、アメリアと會おうとしない。 孤立し、不安に思うアメリアに手を差し伸べてくれたのは、第四王子のサルジュだった。 【書籍化決定しました!】 アルファポリスで連載していた短編「婚約者が浮気相手と駆け落ちしたそうです。戻りたいようですが、今更無理ですよ?」(現在非公開)を長編用に改稿しました。 ※タイトル変更しました。カクヨム、アルファポリスにも掲載中。
8 50【書籍化】その亀、地上最強【コミカライズ】
ブルーノは八歳の頃、祭りの出店で一匹の亀を手に入れた。 その亀、アイビーはすくすくと成長し続け……一軒家よりも大きくなった。 ブルーノはアイビーが討伐されぬよう、自らを従魔師(テイマー)として登録し、アイビーと一緒に冒険者生活を始めることに。 昔のようにブルーノの肩に乗りたくて、サイズ調整までできるようになったアイビーは……実は最強だった。 「あ、あれどうみてもプラズマブレス……」 「なっ、回復魔法まで!?」 「おいおい、どうしてグリフォンが亀に従ってるんだ……」 アイビーによる亀無雙が今、始まる――。 5/28日間ハイファンタジー1位! 5/29日間総合3位! 5/31週間総合5位! 6/1週間総合3位! 6/2週間ハイファンタジー1位!週間総合2位! 6/14月間5位! 【皆様の応援のおかげで書籍化&コミカライズ決定致しました!本當にありがとうございます!】
8 198【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】
※書籍&コミカライズ決定しました!書籍第1巻は8/10発売、コミカライズ第1巻は10/15発売です! ※ニコニコ靜畫でお気に入り登録數が16000を突破しました(10/10時點)! ※キミラノ注目新文蕓ランキングで週間5位(8/17時點)、月間15位(8/19時點)に入りました! ある日、月坂秋人が帰宅すると、そこには三人の死體が転がっていた。秋人には全く身に覚えがなかったが、検察官の悪質な取り調べにより三人を殺した犯人にされてしまい、死刑となった。 その後、秋人は“支配人”を名乗る女の子の力によって“仮転生”という形で蘇り、転生杯と呼ばれる100人によるバトルロイヤルの參加者の1人に選ばれる。その転生杯で最後まで勝ち殘った者は、完全な形で転生できる“転生権”を獲得できるという。 そして參加者にはそれぞれスキルが與えられる。秋人に與えられたスキルは【略奪】。それは“相手のスキルを奪う”という強力なスキルであった。 秋人は転生権を獲得するため、そして検察官と真犯人に復讐するため、転生杯への參加を決意した。
8 151彼女たちを守るために俺は死ぬことにした
約200日後に死ぬ俺。業界初!…かは知らないけどリアルタイム小説! 5月19日以降、 物語はリアルタイムで進みます。 ┛┛┛ のんべんだらりと生きる高校2年男子、 小鳥遊知実(たかなし ともみ)。 ある日突然、頭痛で倒れ、 病院で目覚めたとき 半年の余命か 今までの記憶がなくなる可能性の高い大手術か 選択を迫られることになる。 そんな狀態にも関わらず、 無情にも知実の學校生活は穏やかではなかった。 1⃣全校生徒をまとめきれないワンマン文化祭実行委員長。 2⃣學校の裏山を爆破しようと計畫している馬鹿女。 3⃣ロボみたいなイエスマンの心を閉じた優等生のご令嬢。 4⃣人生を全力で寄りかかってくる俺依存の幼なじみ。 5⃣諦めていた青春を手伝う約束をした貧乏貧乏転校生。 おせっかいと言われても 彼女たちを放っておくことが どうしてもできなくて。 ……放っておいてくれなくて。 そんな知実が選んだ道は。 悲しくて、あたたかい 友情の物語。 ※病気は架空のものです。 ※第6部まであります。 ┛┛┛ エブリスタ・ノベルバ同時公開。 ノベルバは時間指定でリアタイ更新です。 16時一気読みしたい人はエブリスタで。 (長すぎる日は16時と20時に分けます) リアタイ感をより味わいたい人はこちらで。
8 101スターティング・ブルー〜蒼を宿す青年〜
世界が『魔素』という物質に覆われて早數百年。人々は各地に階層都市を築いて平穏に暮らしていた。 そんな中、死神と呼ばれる男が出現したという報せが巡る。その男が所有している魔道書を狙い、各地から多様な人々が集まってくる。 だが、彼等は知らない。その男が持つ魔道書、それと全く同じ魔道書を所有している人物が居る事を──
8 111創造神で破壊神な俺がケモミミを救う
ケモミミ大好きなプログラマー大地が、ひょんなことから異世界に転移!? 転移先はなんとケモミミが存在するファンタジー世界。しかしケモミミ達は異世界では差別され,忌み嫌われていた。 人間至上主義を掲げ、獣人達を蔑ろにするガドール帝國。自分達の欲の為にしか動かず、獣人達を奴隷にしか考えていないトーム共和國の領主達。 大地はそんな世界からケモミミ達を守るため、異世界転移で手に入れたプログラマーというスキルを使いケモミミの為の王國を作る事を決めた! ケモミミの王國を作ろうとする中、そんな大地に賛同する者が現れ始め、世界は少しずつその形を変えていく。 ハーレム要素はあまりありませんのであしからず。 不定期での更新になりますが、出來る限り間隔が空かないように頑張ります。 感想または評価頂けたらモチベーション上がります(笑) 小説投稿サイトマグネット様にて先行掲載しています。
8 156