《銀河戦國記ノヴァルナ 第2章:運命の星、摑む者》#00

夜明かたに佐久間大學織田玄蕃かたより

早鷲津山丸山へ人數取かけ候由追々注進在之

此時信長敦盛の舞を遊し候

人間五十年下天のをくらふれは夢幻の如く也

一度生を得て滅せぬ者の有へきかとて

螺ふけ足よこせと被仰めされ

たちなから食を參り甲をめし候て出陣

【信長公記 首巻より抜粋】

「出撃する! 皆に知らせ! 俺のパイロットスーツを持って來い!!」

インターコムの向こうにいるナガート=ヤーグマーに、ぶように命じたノヴァルナは、跳ねるようにベッドから起きて降りると、寢室を出てリビングに向かう。ノヴァルナの行く手を照らすようにオートモードの照明が、主君の接近に反応して明かりを燈していった。今日は妻のノアは別の寢室で休ませている。ウォーダの主君用の広い居住區畫には、複數の寢室や個人用の部屋があるのだ。

この日が來た!―――

一世一代の大勝負だという想いをに、ノヴァルナはリビングにる。するとそこにいたのは片膝をつくトゥ・キーツ=キノッサだった。宇宙要塞『マルネー』からの急電を取り継いだばかりの、小柄なこの若者の腕に抱えられるはノヴァルナの青いパイロットスーツである。ノヴァルナがヤーグマーに命じるより早く、用意してここに控えていたに違いない。

「サルっ!!」

「はっ!!」

キノッサが差し出すパイロットスーツをけ取りながら、叩き付けるように言うノヴァルナ。二人の間に張り詰めた空気が流れる。

「メシだ。インスタントヌードンで構わねぇ!!」

ところがキノッサは、ノヴァルナの言葉に対して首を左右に振った。

「その儀につきましては―――」

「は?」

その儀についてはノアの出番である。いつの間にか起きていたノアは、キッチンから姿を現すと、ノヴァルナに聲を掛ける。

「おはよう」

「ノア…おまえ…」

▶#01につづく

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