《銀河戦國記ノヴァルナ 第2章:運命の星、摑む者》#01
夜明け前の出陣は、ノヴァルナが寢る前から決めていた事だ。そうであるからノアを別の寢室で寢かせていたのだ。夫が起きて來るのを待っていたかのように、出迎えたノアの手には、トレーに乗せた五つのライスボール(おにぎり)がある。言うまでもなくノアの手作りであった。
「作り立てだからね。食べて」
そう言ってノアは、ライスボールの乗ったトレーをノヴァルナに差し出す。これに対しノヴァルナは素直に「こいつぁ、ありがてぇ」と言って、ライスボールを両手に取り、二つ…三つと、かぶりついた。味付けは塩だけで、単純な味であるはずを、「うんめぇ!」と喜ぶノヴァルナの橫顔を見るノアの眼に、想いが募るが宿る。その間にも用にノヴァルナは、キノッサの手伝いによってパイロットスーツを著込んでいった。
「ごっそさん!」
ノアの心が籠った手作りのライスボール(おにぎり)を全て平らげたノヴァルナは、それと同時にパイロットスーツを著用し終え、ノアと無言で向き合う。空気を読んだキノッサは深く一禮して、そのままリビングを退出した。
キノッサが空気を読んでノヴァルナとノアのもとを離れると、その直後、第一種戦闘配置を告げる警報音が鳴り始める。ノヴァルナの指示をけた詰所の『ホロウシュ』が、寢ている者も全て起こすために鳴らせたのだ。ノヴァルナとノアのいる居住區畫でも、天井の間接照明となっている赤燈がゆっくりと點滅を開始した。
「……行って來る」
「うん………」
赤燈のに染まりながら見詰め合うノヴァルナとノアに、それ以上の言葉は必要なかった。これが生涯最後の會話になったとしても、悔いはない…そんな思いの籠った、短い言葉の差であった。
踵を返し部屋を出ていくノヴァルナ。
「ご武運を…」
夫の背中に小さく呟いたノアの背後から、パイロットスーツを著用したメイアとマイアの雙子姉妹がやって來る。夫の後詰めとしてラゴンの衛星軌道上で待機するつもりのノアは、姉妹に問い掛けた。
「私の『サイウン』の用意は?」
ノアを唯一の主君と誓うカレンガミノの一卵雙生児姉妹は、二人が聲を揃えて返答する。ノヴァルナの死はノアの死を意味し、それはつまり姉妹にとっても、命の盡きる時となる。
「完全武裝で、すでに完了しております」
それを聞いたノアは小さく頷き、短く告げた。
「まず、作戦指令室へ行きます」
ノヴァルナはキオ・スー城に置いていた『センクウNX』を縦し、シャトルに乗り込ませると、そのまま他の兵を待たずに宇宙へ上がった。それに続くのは夜勤當直であった『ホロウシュ』のナガート=ヤーグマー、キスティス=ハーシェル、シンハッド・モリン、トーハ=サ・ワッツ、ジョルジュ・ヘルザー=フォークゼムの五人と、シャトルポートで待っていたラン・マリュウ=フォレスタのみ。
だがノヴァルナ達と、その専用機を載せたシャトルが向かった先は、総旗艦『ヒテン』ではない。星ラゴンの衛星軌道を四半周して、キオ・スー城のあった夜明け前の面から晝の面へ出ると、そこにあったのはノヴァルナのもう一つの専用艦、戦闘輸送艦『クォルガルード』であった。『クォルガルード』は同型艦の『ヴァザガルード』と『グレナガルード』と共に、シーモア星系の二重太のを反させながら、ラゴンの白い雲海の遙か上に浮かんでいる。
シャトルからそれぞれのBSIユニットに乗って飛び出した、ノヴァルナと『ホロウシュ』達は『クォルガルード』へと接近した。通信機を起して呼び掛けるノヴァルナ。
「俺だ。格納庫の扉を開けろ。すぐに出航だ」
▶#02につづく
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