《骸骨魔師のプレイ日記》アサシン・ルビーよ
――――――――――
種族(レイス):蛙人(トードマン) Lv12~15
職業(ジョブ):戦士 Lv2~5
能力(スキル):【舌】
【槍】または【斧】
【敏捷強化】
【水棲】
【暗視】
【粘】
【雷屬脆弱】
――――――――――
これが襲ってきた蛙人(トードマン)のステータスだ。正直に言えば、鼠男(ラットマン)と変わらないな。蜥蜴人(リザードマン)の漁師よりも弱いし、武裝も貧弱だった。村長なら我々同様、麥の穂を刈るように倒せるだろう。
しかし、とにかく數が多かった。さっきだけでも百以上倒したんじゃないか?數で圧殺されれば蜥蜴人(リザードマン)の村は簡単に潰されるに違いない。
今でこそ縄張りへ侵するのは散発的だが、一斉に侵攻されたら村は崩壊するだろう。そこまで追い詰められたなら、龍王(アグナスレリム)様がき出すと思うがな。
「どう考えても數が多すぎる」
これが、今回の調査の唯一にして最大の果だ。この異常増が、何故起こったのか。これを解き明かすことが全ての謎の答えだと思われる。
そこで村長に事を説明すると、老獪そうだった彼が狼狽をにした。彼曰く、確かに蛙人(トードマン)は自分達よりも繁力は上だが、流石に百を超える戦士がいるのは普通ならあり得ないとのことだ。
Advertisement
蜥蜴人(リザードマン)の村では総人口の約五百に対し、戦士は約五十人だった。蛙人(トードマン)の総數は推定で千だと言われており、集落における戦士の人數の割合が蜥蜴人(リザードマン)と同じであれば戦士は百前後のはずだ。
しかし我々が百以上倒したのに、相手にはまだまだ余力がある様子だった。十中八九、総數が膨れ上がっている。やはり、その原因と蛙人(トードマン)の異常行は無関係ではないのがより明白となったわけだ。
「當面の目標は蛙人(トードマン)の巣を目指すことだな。きっとそこに何がある筈だ」
「それは解るけどよ、あれだけいたら俺達でも突破なんざ今のままじゃ無理だぜ?」
そこなんだよなぁ。無數にいる蛙人(トードマン)を倒しながら進むのは現実的じゃない。絶対にどこかで誰かが倒れ、そこから戦線が崩壊するのが目に見えている。
一番無難なのはチマチマとレベルを上げて、全員が30レベル位に達してから挑む方法だ。これなら進化によって格段に強くなっているはずなので切り抜けられる可能は高い。
その代わり、時間が非常にかかる。今、最もレベルが低いのは24レベルであるアイリスだ。彼が6レベル上げるまでに、何百匹の蛙人(トードマン)を狩ればいいのだろうか。ネットゲームでは良くあることらしいが、気が遠くなりそうだ。
Advertisement
「なら、ボクが行くよ!」
そこで名乗りを上げたのはルビーだった。なるほど、彼は暗殺粘(アサシンスライム)。隠形に優れ、更に水辺でも音もなく活出來る。うってつけの人材、もとい魔材というわけだ。しかし、これにも問題がある。
「一人で、か?」
彼と同じレベルで隠形が可能な仲間はいない。となれば自ずと単獨行をしてもらう事になる。流石に厳しいのではないか?見つかったとしても恐らくは逃げ切れるだろうが、それでもかなり危険であることは確かだ。
「大丈夫だって!逃げ足には自信あるし!」
「そうか…なら、我々はとして派手に戦って奴等の気を引くとしよう。皆もそれでいいか?」
殘った四人で暴れれば、多はルビーの負擔も減る筈だ。同行出來ない者達による一杯の援護である。
「いいぜ。雑魚をダラダラとプチプチ潰すよりゃずっといい」
「ルビー、無理しないでね!」
「頑張るのじゃぞ」
皆も納得したようだな。源十郎は反対するかと思ったが、むしろお孫さんの活躍を嬉しく思っているらしい。似た者同士という訳か。
出発は一度ログアウトして休憩してからにした。龍という化けとの遭遇や蛙人(トードマン)との連戦で神的な消耗が激しいと判斷したからだ。幸いにもここは安全な場所だ。見張りを殘す必要もないので、揃ってログアウトするぞ。
Advertisement
◆◇◆◇◆◇
戻って來ました。おや、私が一番乗りか。そう言う日もあるわな。
さて、この時間に何をしておこうか。何をするにも時間が微妙だぞ。うーん…
あ!そうだ、思い出した!SPに余裕が出來たら取ろうと思っていた能力(スキル)があったじゃないか。ステータス上昇系の能力(スキル)だよ!【知力強化】と【神強化】、それに【力回復速度上昇】と【魔力回復速度上昇】だ!
いやいや、すっかり忘れていたよ。これから連戦になるし、イベントで得たSPも余ってるから今すぐ取得しよう。必要SPは前と変わっていないな。よし、取得!
――――――――――
SPを消費して【知力強化】を取得しました。
SPを消費して【神強化】を取得しました。
SPを消費して【力回復速度上昇】を取得しました。
SPを消費して【魔力回復速度上昇】を取得しました。
――――――――――
SP26を突っ込んだぞ!【鎌】と合わせて38SPを使った訳だけど、まだまだ余っている。けど、後から必要になるかもしれないし、これ以上は注ぎ込まないでおくか。
「戻ったぜ」
「イザーム、早いですね」
「うおお、燃えてきた!」
「これこれ、落ち著かんか」
おっと、ここで皆が到著か。四人がほぼ同時というのも珍しいのかな?
そんなことより、蛙人(トードマン)の縄張りに出発だ。さぁて、々派手に暴れてやりますか!
◆◇◆◇◆◇
「うひゃあ、一杯いるなぁ」
ボクは暗殺粘(アサシンスライム)のルビー。魔だけのパーティー、『夜行』の斥候職だよ。今、ボクは一人で蛙人(トードマン)の巣に侵してるんだ。
水の中をスイスイと泳げば見付からずに忍びこむのは以外と楽だったよ。途中で見掛けた蛙人(トードマン)は全員気付かせずに倒したから、【暗殺】のレベルが上がった。やったね!
とまぁ、道中は楽だったし警戒もされてないんだけど…思ったより巣が広くて蛙人(トードマン)の數も多いね。ここからは慎重にならないと!
「……」
ボクは粘(スライム)のを薄くばして壁や地面、屋の上を伝って奧へ奧へと進んでいく。藁葺き屋のせいで音が鳴った時はヒヤッとしたけど、バレなかったよ。ギリギリセーフ!
「ここだね」
ボクが當たりを付けた建は、どれよりも大きい家。きっと重要な施設だよ。から観察すると、思った通り警備が厳重だ。
數もそうだけど、何よりも敵が強そう。これまで見てきた蛙人(トードマン)よりも筋質だし、顔付きもなんだか厳めしい。私達と同じ、20レベル臺だと思う。
それが十で周囲を囲んでるって言われたら、忍び込む何て無理だと思うでしょ?でも、大丈夫!ボクには策があるんだ!
「狀化、発!」
これはボクのが完全なになる能力(スキル)。『風と探索の神』ホリュセさんの加護を貰った時に使えるようになった、多分ボクだけの能力(スキル)だ。
ゲームの一日に一回しか使えないし、戦いには向かないけど、ほぼどんな場所にだって潛できるから便利なのは確かだよ。それに蛙人(トードマン)の巣は蜥蜴人(リザードマン)の村とほとんど同じ立地條件だから、水が至る所にある今の狀況にはうってつけ!
地面に染みている水に紛れて家に近付いて、土壁の隙間から潛に功!上手く行った!
「わわっ!」
「ゲコ?」
あ、あっぶなぁ~!潛したのはどこかの廊下だったんだけど、狀化が切れた時に丁度角から巡回の蛙人(トードマン)が曲がってきたんだよ!き、気付かれたかと思ったぁ~!
急いで飛び上がって梁にくっついたボクは、それを伝って移する。家の構造は単純みたいで、梁の上を行けばどの部屋も覗けそうだね。々見て廻ろう。
うーん。大量発生の原因っぽいものは無いなぁ。魔の素材で出來た裝飾品がぎっしり詰まった寶庫っぽい場所や同じような武庫はあったけど、中は大したことなかったし…
だってさ、裝飾品ならアイリスが良いを作ってくれるもん。この前だって裝備したら移速度が上がるアイテムの開発に功してたし。アイリス印の裝飾品に比べたら、蛙人(トードマン)が集めたお寶は殘念に見えちゃうんだよね。
「あと調べていないのは、ここだけ…うん?聲が聞こえる?」
家の構造から見て中央に當たる場所が最後の部屋だね。梁を伝ってそこへ近付くと、部屋の中から聲が聞こえる。何かありそうだね!を細くして壁の隙間から中にろう!
「ッ!?」
く、臭い!?何?この臭いは!?ボク達のアジトがある下水道も臭いけど、ここの臭さはが違うよ!何て言うか…そう!理科室の薬品の臭いだ!刺激臭とか腐卵臭って奴だよ!
「ゲロォ…ゲゴゴゴォ…」
刺激臭が満ちる部屋の中にいたのは、今まで見たどの個よりも大きい、メ(・)ス(・)の蛙人(トードマン)だった。何でメスだと解ったかって?今まさに卵を産んでいるからだよ!
うげぇ、一つ一つが人間の頭位の大きさがある蛙の卵って…ううっ!気分が悪くなってきた…。
「ゲゲゴォ…ゲェ…」
気分の悪さは我慢して…このメスが原因かもしれないね。だって聲を出す度に卵のったジェル見たいなのを産んでるんだもの。一回の産卵で十個前後の卵を産んでるみたいだね。そりゃあ、無盡蔵に増えるよ。
「いけるかな…?いや、やるんだ」
この蛙人(トードマン)が原因なんだとしたら、ここで倒してしまえばクエストをクリア出來ると思う。だったら終らせてみせる!
ボクは何の拠も無く暴走している訳じゃない。ちゃんと倒せる可能の方が高いと思っているんだ。
ボクの【暗殺】レベルは13。そこまでで手にれた武技は二種類ある。一つ目は夜襲。効果は夜、的にはゲームで午後6時から午前6時までの間に、奇襲の功率が上昇すること。今は大午後7時だから、効果があるね。確実に気付かれてないし、ほぼ確実に功すると思う。
二つ目は斷骨。効果は斬撃武による切斷が発生し易くなること。ハッキリと書かれて無いけど、これって首を斬り落として即死させ易くなってるんだと思う。奇襲じゃなくても効果があるから便利だよ。
んで、武は『蒼月の試練』で貰った二本の短剣だね。イザームに【鑑定】してもらった能はこんなじ。
――――――――――
白の短剣 品質:神 レア度:G(神級)
あらゆる魔を祓う白亜の短剣。破壊不可。所有者固定。
真の力は持ち主の長と共に解放されるだろう。
初期効果:【切斷力上昇】Lv3、
【対魔ダメージ増強】 Lv3
黒の短剣 品質:神 レア度:G(神級)
あらゆる魔を飲み込む漆黒の短剣。破壊不可。所有者固定。
真の力は持ち主の長と共に解放されるだろう。
初期効果:【敏捷増強】Lv3
【変形】
――――――――――
最初は戸ったよ。だって二本あるけど、他の皆よりも武の能力がないんだもん。私だけ冷遇されてるのかと思って落ち込んだこともあるけど、そうじゃなかった。ボクのレベルが20になった時に解放された【変形】。これがありきの武だったんだ!
「変形、混沌の黒白剣!」
黒の短剣は変形して白の短剣と合させる事が出來るんだ!そして合した時、武自の攻撃力は上がって、更に両方の能力を使える。合には制限時間があるけれど、不意討ちの一回に使うならそれで十分だよ!
「ふっ!」
ボクは梁から音もなく蛙人(トードマン)の後ろに降りると、混沌の黒白剣を橫薙ぎに振るう。皮、、そして骨を斷つが確かに伝わってきた。
ゴトリ…
鈍い音を立てて蛙人(トードマン)の頭が床に落ちる。即死させるのは功だ!
――――――――――
種族(レイス)レベルが上昇しました。1SP獲得をしました。
職業(ジョブ)レベルが上昇しました。1SP獲得をしました。
【短剣】レベルが上昇しました。
【暗殺】レベルが上昇しました。
稱號(タイトル)、『見えざる暗殺者』を獲得しました。
――――――――――
おおお!やった!久しぶりの稱號(タイトル)だ!どんな容なのかな…
ブヂュルルルルルルルル!!!
えええ!?な、何それ!蛙人(トードマン)の死から剝ぎ取って逃げようと思ったら、死から凄い勢いで卵が出てきたよ!?正確な數はわからないけど、數百個はあるんじゃ…?新しい稱號(タイトル)で喜んでいる場合じゃないよ!一つでも多く潰さないと…!
「ゲロ?」
「ゲコゲコ?」
ヤバっ!今の汚い音が他の蛙人(トードマン)を呼んじゃった!折角ボクが無音で暗殺したのに!けど、まだボクが犯人だってバレた訳じゃない。急いで逃げよう!それから皆に報告だ!
ボクがこのクエストを終らせてしまうつもりだったけど、やっぱり隠しクエストは一筋縄では行かないか!ちょっと悔しいけど、やれることはやったさ!
サブタイトルで遊んで見ました。面白いですよね、あのシリーズ。
ルビーの武は合武です。合時間は短いですが、一撃で暗殺するなら時間なんて飾りですよね。
- 連載中228 章
【書籍化】わしジジイ、齢六十を超えてから自らの天賦の才に気付く【8/26から電撃マオウでコミカライズスタート!】
スキルと呼ばれる特殊能力が発現する世界で、老人であるディルはある日突然力を得た。ただ殘念なことに、それは老體では扱いに困るような戦闘に特化した能力だった。「わし、もういい年なんじゃけどなぁ……」 齢六十を超えた老人による遅すぎるセカンドライフが今、始まる。 ※書籍化&コミカライズ決定しました! 書籍の発売日は5/2、レーベルはドラゴンノベルス様、イラストレーターは吉武さんです!
8 161 - 連載中330 章
【コミカライズ配信中】アラフォー冒険者、伝説となる ~SSランクの娘に強化されたらSSSランクになりました~
【コミックス1巻 好評発売中です!!】 平凡な冒険者ヴォルフは、謎の女に赤子を託される。 赤子を自分の娘にしたヴォルフは、冒険者を引退し、のんびり暮らしていた。 15年後、最強勇者となるまで成長したパパ大好き娘レミニアは、王宮に仕えることに。 離れて暮らす父親を心配した過保護な娘は、こっそりヴォルフを物攻、物防、魔防、敏捷性、自動回復すべてMAXまで高めた無敵の冒険者へと強化する。 そんなこと全く知らないヴォルフは、成り行き上仕方なくドラゴンを殺し、すると大公から士官の話を持ちかけられ、大賢者にすらその力を認められる。 本人たちの意図せぬところで、辺境の平凡な冒険者ヴォルフの名は、徐々に世界へと広まっていくのだった。 ※ おかげさまで日間総合2位! 週間総合3位! ※ 舊題『最強勇者となった娘に強化された平凡なおっさんは、無敵の冒険者となり伝説を歩む。』
8 138 - 連載中65 章
勘違い底辺悪役令嬢のスローライフ英雄伝 ~最弱男爵家だし貴族にマウント取れないから代わりに領民相手にイキってたらなぜか尊敬されまくって領地豊かになってあと王子達にモテたのなんで???~
男爵令嬢のカリンは、幼少期に連れられたパーティーで、主催者である伯爵令嬢に心無い言葉を投げかけられて――彼女のようにズケズケとものを言っても許されるような存在になりたいと心の底から思ったのだった! カリンは悪役令嬢を目指すことを決意する! そして十三歳となった時には、カリンはその地位を確立していたのだった! ――領民相手に! パンをパシらせてはご褒美という名の餌付けをし、魔法も使え剣の指導も受けているカリンはすっかりガキ大將となった! そんなカリンに待ち受けているのは、小麥の高騰によりパンを作れなくなったパン屋、畑を荒らす魔物、そして風俗狂いの伯爵令息! さらには、そんな困難に立ち向かう姿を見初める王子達…! 貧乏領地で細々と領民相手に悪役令嬢っぷりを振りかざすだけで満足していたカリンは、しかしその思惑とは裏腹に、誰もが彼女に好意を寄せることとなるのだった。
8 129 - 連載中15 章
無能力者と神聖欠陥
一度崩壊した世界は生まれ変わり、それから特に成長したのは人類の「脳開発」だった。頚椎にチップが埋め込まれ、脳が発達し、人は超能力を手にするようになり、超能力を扱えるものは「有能」と呼ばれる。しかし、チップを埋め込まれても尚能力を持てない者は多數いた。 「無能」は『石頭』と揶揄され、第二新釜山に住む大學生、ググもまた、『石頭』であった。 ある日、アルバイト先で、一人の奇妙な「有能」の少女と出會ってから、ググの日常はそれまでとは大きく変わってゆく。
8 76 - 連載中10 章
職に恵まれた少年は世界を無雙する
ある日突然、出雲高等學校2年2組にやってきた、異世界から來たというエルバという人間。 その異世界は今、滅亡寸前!助けを求めてやってきたらしい。主人公はその異世界を救うために異世界へ転移した。ありきたりなファンタジーがここに來る! チート級スキルの主人公無雙! 感想とか間違いとかコメントくれたら嬉しいです!入れて欲しいキャラとかこうして欲しいとかあったら遠慮なくコメントしてください。 表紙→picrew「君の世界メーカー」 Twitter→真崎マサキ @skmw_i 投稿→不定期 気長に待てる人は読んでください。
8 198 - 連載中37 章
従妹に懐かれすぎてる件
昔から仲の良かった従妹が高校進學を機に一人暮らしの俺の家に住むことになった。 可愛い女の子と暮らせるなんて夢のようだ、と思ったのだが……。 「ゆうにぃ、おはようのキスは?」 俺の従妹は想像以上に懐いていました。 もはや同居じゃなくて同棲、ラブラブな新婚生活だよこれ……。 季節を追ってエピソードが繰り広げられていく日常アニメならぬ日常ラノベ! 甘々過ぎてちょっぴり危険な二人の生活を覗きに行きましょう! 2017/7/28-30 本日のノベルバ ランキングにて2位をいただきました!
8 136