《化けになろうオンライン~暴食吸姫の食レポ日記~》キャラメイク

化けになろうオンライン、その名の通りプレイヤーは人外となる。

それもただの人外、過去のVRMMOでよくある獣人やドワーフ、エルフなどではない。

世界に存在するありとあらゆるモンスターや伝説上の生、神話の存在に架空の生から実在するや昆蟲、はては微生まで。

それらの特徴をそのに宿すことができる。

それはつまり、どんな存在でも食べられるということだ!

「くふふふ……未知の味……ひひひ」

おっと涎が……とりあえずベッドに橫たわってツールを起

『登録者確認、伊皿木剎那と照合。ツール起、おはようございます』

「おはよう、システム起化けになろうオンライン」

『システム起開始。オンラインモードにります。登録者のに異常が発生した場合はすぐに通報されるようになっております。確認を』

「確認、問題ないよ」

『確認を得ました。ではよいオンライン生活を』

ツールの人工的な聲を耳に殘しながら一瞬の浮遊を抱き、バーチャル空間へと降り立つ。

何度も見てきたけれど、この空間もまた面白い。

ふわふわと浮かぶ四角いボタン、それらは私の所有するゲームをはじめとしたさまざまなアプリだが今は化けになろうオンライン、通稱化けオンを起するとあらかじめ伝えてある。

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そのためすぐにバーチャル空間は期待していた通りの場所へと切り替わった。

『化けになろうオンラインへようこそ。ここではキャラメイクを行います。説明を聞きますか?』

「はい!」

『かしこまりました、化けになろうオンラインはあらゆる存在になることができるゲームです。初期ポイントは一律100、ですが種族固有のデメリットを付與することでポイントを増やすことができます。ただしあまり人の姿とかけ離れたものになろうとすれば大量のポイントが必要になり、また作も難しくなるとお考え下さい』

たとえばスライムのような不定形の存在になろうとした時に10ポイントの支払いが必要となる。

デメリットをなくせば10ポイントそのまま、しかしデメリットを付與することで使用したポイントを取り返すどころかそれ以上を得ることもできる。

ただしスライムのような弱小モンスターでは與えられるデメリットがないため、せいぜいが數ポイント分のアドバンテージにしかならない。

また同じような弱小モンスターでもゾンビのような弱點の塊みたいな存在で有ればデメリットによって得られるポイントは跳ね上がるし、逆にドラゴンみたいな無茶苦茶強い種族ならばデメリットで還元されるポイントはなくなるという事だ。

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『このゲームはステータスが存在しません。正確にいうのであればステータスという概念すべてが隠しステータスという扱いになっているとお考え下さい。ゲーム中にステータス畫面を確認することはできますが表示されるのは現在のレベル、次のレベルまでに必要な経験値、所持スキルのみです』

ほほう、これは面白い。

現在主流のゲームとはまったく別方向だ。

最近人気のゲームでは王道なRPG型が流行っていたが、その波の中でも異質だ。

『ゲームチャット、掲示板などを利用する場合は安全な場所か、なくとも戦闘中以外をお勧めします。基本的にデスペナルティはレベル20までありません。21以降は種族に応じてデメリット増加と経験値取得量低下となっています』

「ヘルプ機能、種族特の追加は存在する?」

『ヘルプ機能を確認、回答します。種族特は後天的に取り込めるものとキャラメイク中にしか取得できないものがあります。ただしキャラメイクに関してはレベル10に到達するまでならば何回でもやり直すことができます。レベル10に至っても追加料金の支払いでキャラメイクをやり直すことが可能ですがレベル20以降は追加料金によるキャラメイクを行うたびにレベルが10になりデスペナルティと同等のバッドステータスを72時間付與されます』

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なるほど、レベル10が一區切りと考えるべきね。

それまでに自分に合ったプレイスタイルを見つけろということ。

でもまぁ、私の場合ある程度考えてあるから大丈夫か。

問題はレベル20以降の種族変更ね……72時間という事は三日間ろくに冒険できないということ。

それまでにお金をためたりしていたらやれることも多いかもしれないけれど、それなら種族を変えないか、どうしてもというならサブキャラでも作ってしまえばいいんだけど……なにかあるのかしら。

『説明を再開します、ゲームでレベルが20を超えるとプレイヤーからドロップアイテムが発生します。例えばスライムとゾンビを掛け合わせたプレイヤーからはスライムの粘、腐った、腐臭のする骨が通常ドロップ。スライムの核、腐臭のする頭骨、溶けた臓がレアドロップとして取得できます。これらはプレイヤー同士の戦闘で相手を殺害した時のみ発生します。代わりに所持品や裝備のドロップはありません、一つ注意點を上げるならば高ポイントを必要とする種族ほど良いアイテムをドロップするためレベルが一定値を超えると対人戦の発生率が上がります。特にレベルが高くなればなるほどドロップアイテム自の品質が上がりますのでご注意ください』

ほほう、プレイヤーからアイテムがドロップするのか。

そして高ポイントキャラほど狙われやすい……それは面白いわね。

おそらくだけどキャラメイクで使ったポイント量というのはある種の暴力、1ポイントも使わなかったプレイヤーと500ポイントつぎ込んだプレイヤーでは地力が違う。

ということは、プレイヤー相手にレイドバトルが発生することもあるのね。

問題があるとすれば高ポイントプレイヤーはいざとなったら逃げるという選択肢があるという部分だけど、それを妨害するのもレイドの醍醐味といったところかしら。

……私の構想キャラだと結構な頻度で狙われそうね。

それに品質、アイテムそのものに品質があるというのであればそこから作れる武や防の出來栄えにもかかわってくる。

ゲームの最前線で遊ぶ、いわゆる攻略組や検証班といった部類の人たちはいろいろしがりそうね……あれ?

「ヘルプ機能、それって特定の人がデスペナけてる間集中砲火されることもあるんじゃないの?」

『ヘルプ機能を確認、回答します。プレイヤーの方々がデスペナルティをけている間はアイテムドロップが発生しません。またマスクデータですがカルマ値というものが存在し、デスペナルティ中に中立地帯や安全地帯にいるプレイヤーを攻撃した人のカルマ値が低下します。また必要に応じて運営側が対処にあたらせていただく場合、一定期間のログイン停止やアカウントのはく奪もありえます』

なるほど、そのあたりはしっかりしているのね。

だとしたら弱ってるときは窟に隠れなきゃいけないなんてこともないのね、よかったわ。

『ただしデスペナルティをけている間にダンジョンや戦闘エリアにいるプレイヤーからは通常通りアイテムがドロップします。またカルマ値の低下もありません。しかし全プレイヤーの行をAIが監視していますので無理やり連れだすような行為をした場合は処罰対象となる可能がありますのでご注意ください』

うわこわっ、でも悪質なプレイヤーにはそのくらいやらなきゃいけないのか……な?

まぁ私には関係のない話かな、そんなプレイするつもりないし。

とりあえずしばらくは食い倒れになるでしょ。

『ほかに質問がなければキャラメイクに移ります。まずプレイヤーネームを力してください』

「フィリアで」

『プレイヤーネーム、フィリアを確認。力完了。続けて別、年齢、報を取得します。許可を』

「許可します」

『許可を確認、ロード中』

これはVOTを通して私の別とかそういうのを確認している。

報というのは端的に言えば病気とかないかの確認。

一部のゲームは心臓に悪かったりするからね、そういう時のために運営側がフィードバックを緩和してくれたりする。

『ロード完了。では最後に種族の作ります』

その言葉と共に眼前に私の虛像が現れる。

これをベースに々変えて行けということだろう。

ネカマやネナベが珍しくない時代に別固定なのかとおもったけれど、とかもいじれるみたいだ。

まぁ全年齢対象だからNPCの反応が変わるくらいしか効果はないだろう。

あるいは選べる種族にし違いが出るくらいか。

えーと、とりあえず私が選ぶのは捕食者側の種族。

まずはベースを吸鬼に、これでが飲み放題だ!

使用ポイントは90……やはり強力な種族はそれだけでポイントが大きいな……。

デメリットは結構な量があるけど、まず主食というのは除外。

これは以外口にできない、あるいはできてもおいしいとじなくなるというデメリット。

私のプレイスタイルには合わない。

次に銀に弱い、これは取得……ん? デメリットレベル?

「ヘルプ機能、デメリットレベル」

『ヘルプ機能を確認、回答します。デメリットレベルは文字通りデメリットのレベルです。これが高いほど弱點として致命的になります。その代わり得られるポイントが増加します。また特定の種族はある種のデメリットとメリットを最初から獲得しています。例えば人魚の種族は雷などの魔法に弱いですが水屬には強い耐を持つため、デメリットレベルを上げたとしても一定レベルまでは相殺されることになります。ただしメリットレベルが高くともダメージの完全相殺は起こりえず、デメリットレベルの上昇に応じて軽減ダメージも変化していきます』

なるほど、じゃあとりあえず最大レベルの10で。

これで銀に弱いレベル10になった。

多分銀にれただけでHPの大半が持ってかれるんだろうな……。

まぁいいや食べないし。

次に川を渡れないとか、招かれなければ家にれないというのがあるけど……これもなしでいいかな。

前者はともかくとして後者はレストランとかにもれなくなりそうだから。

あ、でもこの聖屬に弱いはレベル10で取得。

なんか食べられないからどうでもいい。

聖水に弱い……ちょっと悩むけれどこれもレベル10で取得。

弱點といっても食べられないわけじゃないから、聖水使った料理を食べたら死ぬだけだから問題なし。

それから木の杭で心臓を貫かれた場合デスペナルティ2倍も取得。

これはデメリットレベルがなかったから固定なんだろうな。

えーとこれで殘りポイントは……82か。

どうしようかな、他になんかないか……あ、太に弱いと炎屬に弱いと水屬に弱いがある。

全部レベル10で取得。

雨天ダメージというのもあるからこれもレベル10で取得して殘りポイントが162になった。

ふむふむ、弱點屬関連はレベル10にすると20ポイントるわけだ。

よし次、人狼を取得。

この種族は生でも食べられるからね、最初から取得を考えていた。

必要ポイントは50、殘り112か……余ったら適當なデメリット消そう。

まず吸鬼同様に持っていた銀に弱いを10に上げて、次に武を持てないを選択。

魔法と爪と牙で戦うつもりだし、武はなくてもいいかなと思っていたから。

他のゲームじゃ剣士とかよりも武闘家の方が得意だったのもあるからね。

それより銀に弱いがレベル20か……れただけで蒸発とかしないよね。

それはさておき、これでポイントが142になった。

次に取得するのがネクロマンサー。

必要ポイントは80。

これは食事のためというよりも戦闘のために選んだ。

相手が5割以上を殘した狀態で撃破した場合、スキルを行使することでアンデッドとして蘇らせて戦うことができるのが魅力。

なおこの種族の最大の問題はデメリットがないということ。

いいことじゃないかと思われるかもしれないけれど、化けオンはデメリットの積み重ねと共にいろんな種族特を得ることで自分に合ったキャラクターを作ることだからキャラクリ勢の多いこのゲームではデメリットだろう。

とりあえず銀に弱いと聖屬に弱いをそれぞれレベル10で取得。

殘り102ポイント……うん、この調子ならあれもいけるかな。

夢魔、必要ポイントは60。

相手を眠らせる魔法と、夢から夢へと移する魔法、それと相手の夢を食べることで傷をいやす魔法が使えるからね。

夢ってどんな味がするんだろ……。

デメリットの銀と聖屬は相変わらず10レベル。

うーん、この魔法を悪用すれば吸鬼の川を越えられないも取得しちゃっていいかな。

でも面倒だしいいや、次に狙っていたのはドライアド。

いわゆる樹木の霊で必要ポイントはなんとお手頃な20。

霊系は運営の善意と悪意がり混じった存在なのよね……取得できるデメリットの數が多いのにリーズナブル。

だけど事前報で手してたけど木と炎の霊で火に弱いデメリットをつけたら自分自の炎でダメージけて死んだというβプレイヤーがいたから。

つまり私は水と炎と霊関連は取得するだけで詰みね。

でもこれは単にポイントを増やしたいという理由ではなくて植っての拘束スキル。

ほら、食べるのに暴れられても困るから。

あとができるらしい。

の味ってどんななんだろ……あ、でも私吸鬼だから太に弱いんだった。

まぁなんとかなるでしょ。

で、デメリットは火に弱いを10レベルで取得。

他にある実れられないとかは全部拒否。

だってねぇ……食事ができないとか意味がないもん。

殘りは82ポイント……なににしようかしらね。

あ、そうだ。

「ヘルプ機能、ポイントの使い道」

『ヘルプ機能を確認、回答します。ポイントはキャラクリエイトのみで使用可能です。超過分はゲーム通貨として1ポイント1000ルルに換金されます』

なるほどお金が増える。

でもなぁ8萬2千……えーとルルだっけ。

そんなにあっても多分最初は使い道ないし、普通にキャラクターを作るほうがいいわね。

じゃあ……踴り食いしたいわね。

水中適正の高い人魚を取得、40ポイント。

弱點は火に弱い10と、捕食された場合にデメリット2倍と敵に狙われやすいを取得。

あらポイント増えて86ポイントになったわ。

うれしい誤算というべきかしら。

次に空も飛びたいから……いろいろあるわね、飛べる種族。

それにほとんどの種族が選べるけれど……一つ気になるのが取得に必要なポイントが200の悪魔ね。

魔法と素手の攻撃に重點を置いているうえに空も飛べる。

うん、私のプレイスタイルに合っている。

なにより気になるのが悪魔の種類が選べるということ。

の悪魔とか、嫉妬の悪魔とか。

その中でももっとも気になるのは暴食の悪魔よ!

これは何が何でも取得しなければ……。

まず選択はできる。

でもポイントが赤文字になってマイナス表記になった。

ここからデメリットを追加していくわけだけれど……銀、聖に弱いは10ずつ。

これで殘り必要ポイントは74ポイント。

聖水に弱いも10で取得して、食事ゲージの減衰率上昇……つまりお腹がすきやすくなるのも取得。

殘り42ポイント必要か……。

なにかあったかしら。

あ、ドライアドの毒に弱いを10で取得して殘り22ポイント。

人魚の槍に弱いを10で取得して殘り2ポイント……微妙に足りないわね。

「ヘルプ機能、ポイントのマイナス」

『ヘルプ機能を確認、回答します。ポイントがマイナスの場合初期の所持金や裝備を代償にマイナス分を埋めることができます』

ほうほう、2ポイント程度なら大したことないでしょ。

じゃあこれで決定!

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