《化けになろうオンライン~暴食吸姫の食レポ日記~》ジュースハゲ

「ぷはぁ……」

酒場の食事はそれなりに味しかった。

といっても既知の食べばかりで珍しいものはなかったけどね。

それでも殘ってた5000ルルをほとんど使いきってしまうほど食べたわ。

いわゆる安酒場だったのもあって、せっかくだからやってみたかったこともやっちゃったのよね。

メニューのここからここまで、ってやつ。

結果すごい量の食事が出てきて、殘すのは信條に反するから全部食べたわ。

『稱號:暴食を取得しました。満腹度の上限を超えて食料の摂取、貯蓄が可能です』

ほほう、種族特上お腹がすきやすい私には便利ね。

殘り500ルルか。

大切に使わないとね。

「らっしゃーい、吸鬼向けの特別ドリンク120ルルだよ!」

「一つくださいなー!」

「まいどあり!」

……殘り380ルルか、大切に使わないとね!

とりあえず當面はレベリングとお金稼ぎかしら。

だとしたらまず一般的なのはクエストよね。

確か攻略報だとプレイヤー専用のクエスト注ポイントからけられる汎用クエストと、何かしらの條件を達することで注できる特殊クエスト、あとは未発見で出現條件がシビアなシークレットクエストと、特別な種族限定のユニーククエストがあるんだったかしら。

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まぁ普通に汎用クエストよね。

一番手っ取り早いし。

えーと、町の中央広場にある掲示板からクエストを選択して注できるから……こっちかしら。

「おい押すな!」

「お前が押すなよ!」

「ちょっと誰よおったの!」

「すし詰め狀態なんだからしょうがないだろ!」

うーん、汎用クエスト用の掲示板。

通稱クエストボードが激混みしてるわ。

どうしたものかしら。

あそこに近づくのは骨が折れそうね。

とりあえず一番後ろに並んでおこうかしら。

「わっ!」

「えっ?」

「きゃっ!」

あ、最前線にいた人たちが押し合いでバランス崩して倒れた。

大変ねぇ。

「危ない!」

「ほえ?」

ぼーと観察してたら人がドミノ倒しみたいにこっちに向かってきた。

とりあえず避けるけど左右は埋まってるから後ろよね。

と、思った私がばかでした。

いつの間にか私の後ろにも人が並んでいた。

バックステップから後ろを見ると鈍い鉛の鎧をに纏った人がたっていた。

多分鉄製よね、なら大丈夫でしょう。

そう思っていた私は見逃してしまった。

その人のに十字架のネックレスがかけられていたのを。

「あ゜」

はいリスポン。

「た、ただいまです」

「今度は何で死んだ?」

ステータス畫面から確認すると【銀にれた】と書かれていた。

なるほど、あの十字架は聖屬じゃなくて銀扱いなんだ。

「銀のネックレスにぶつかりました。中央広場の人ごみの中でごつんと」

「そうか、あそこは人が多いから気をつけろよ」

「はい」

半ばあきれた様子で、そして特に何か言うでもない兵士さん。

もう慣れてるね、すごいね人間。

しかしあの調子じゃクエストけるのも一苦労よね、何かないかしら。

「そういや嬢ちゃん、あんた何度も死んでるけど心が折れたりしないのか?」

「くじけぬ心を持ってますから」

稱號でね。

「なるほどなぁ……ちょっと面倒な仕事があるんだがよかったらけてみないか?」

お?

「どんな仕事ですか?」

「この先にある森でな、植を採取してくるだけの仕事なんだ。ただ採取対象がマンドラゴラでな……抜くと悲鳴上げやがって死ぬから犬に引っ張らせてってのが通常のやり方なんだが嬢ちゃんならやり遂げられるんじゃないか?」

「おぉ、それはいいですね。やります!」

「そうか、頼むぜ」

その言葉と同時にクエストメッセージが眼前に出てきた。

『シークレットクエスト:マンドラゴラ採取を注しました。クエスト容:マンドラゴラを10本納品』

なるほどなるほど、10本マンドラゴラ持ってくればいいのね。

じゃあやることは単純、ヒントも出そろってるからよしとしましょう。

……正直ヒント無視してゾンビアタックしてもいいんだけどね、せっかくだから従いましょうか。

まず森、通稱ペナルティエリアって言われてる私が最初に落ちてきたところとは別の森ね。

そこに向かう道中で狼型のモンスターをサクッと倒します。

そして死者呪転でペットにします。

この時名前は付けないのが重要、著湧いちゃうからね。

次に森についたらお話をします。

誰とって? それはもちろん。

「ねぇあなた、マンドラゴラってどこに生えてる?」

「お前嫌い、仲間むしった」

「あなたもむしってもいいのよ?」

「あっちにいる!」

「そう、ありがとう」

その辺に生えている植とです。

木の霊、ドライアドの能力で植とお話しできるのよね。

まぁそれが原因で採取クエストは大変だし、結構心に來るものがあるけど無視。

私はたとえ豚や牛がしゃべっても味しくいただける人間だから。

「あれね、えーとこのツタがちょうどいいかしら」

ブチっと近くに茂っていたツタを引きちぎる。

いてぇっ! という悲鳴が聞こえたけど無視無視。

これをマンドラゴラの葉っぱに括り付けて、離れたところに待機。

ペットにした狼に引き抜かせる。

「キィエアァアアアァアアアアアア!」

おぉ、けたたましい悲鳴。

でも程距離外にいる私には無関係なのよね。

そしてこれは嬉しい誤算というべきかしら、ペットにした狼は既に死んでいるからマンドラゴラの悲鳴を聞いても死なないみたい。

うーむ、これは名前を付けてあげてもいいかしら。

使い捨てにするつもりで10匹連れてきちゃったのよね。

……いいや、魂にしてインベントリに突っ込んじゃお。

「さーて、サクサク行きますか。あ、自分で食べる分も殘しておこ。生で持ち運ぶと鮮度が落ちるから……傘と同じ要領で鉢でも作りましょうか、葉っぱも一日くらいなら持つでしょ」

そのあとはどう使うのがいいかしらね、サラダ……いやでも見た目的には大だから煮つけもいいかしら。

ポン酢がしいわね、しょうゆもしいし出しい。

足りないものだらけね……。

「ねぇあなた、その大きなはっぱを分けてくれたらこの子を料にあげるよ」

料先払いなら一枚くらいいいよ」

「ありがとう、というわけでそこに立ってね。呪魂摘出!」

10匹いるうちの1匹を植の近くに立たせて魂を出。

さらさらと崩れ落ちていくのを眺めつつ、ドロップアイテムを取得。

「ありがとう、じゃあこれ約束の葉っぱね」

そしてお話しした植からはらりと落ちてきた葉っぱも回収。

うんうん、この調子でマンドラゴラ集めと、自分用に集めてしまいましょうか。

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