《Relay:Monsters Evolve ~ポンコツ初心者が始める初見プレイ配信録~》第37話 投げ銭の行方
「ごちそうさまでした!」
「さて、片付けるか」
晩飯のパスタは食べ終わり! うん、味しかった! さて、それじゃ今回の食の片づけをしている兄さんの終わりを待つのです!
適當に配信してる畫でも見てても良いんだけど、兄さんが他の用事を始める前に柄を確保しなければ! そうしないと私のモンエボのダイジェスト録畫をしながらの続きのプレイが出來ないのさ!
「……おい、さっきから妙に目線が気になるんだが……?」
「やだなー! それは兄さんの気のせいー!」
「ふん、どうだかな……」
ふぅ、危ない危ない! 危うくこれから兄さんに丸な……頼み事をするのを察知されるところだった! 我が兄ながら、々と勘が鋭いのさ。
的に何をしているのかは知らないんだけど、兄さんも何かVRゲームをしているみたいなんだよね。フルダイブ中に強制ログアウトにしようものなら、本気で拳骨が飛んでくるから、そこは気を付けないといけないのです!
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お、兄さんの食の片づけが終了だね! 片付けは當番制だけど、今日は私が片付ける日でなくてよかったー!
という事で、自室に戻る兄さんの後を追跡開始! 今、兄さんが階段を上り終えました! 階段を登り切ってすぐ目の前が兄の部屋。部屋にった後にドアが閉まったら一気に強襲をしかける! よし今だー!
「わっ!? なんでドアが勝手に開くのー!?」
ぐふっ! ドアノブに手をかけようとしたら、閉まったばっかのドアが開いて、バランスを崩して兄さんの部屋に向けて転んだー!
ぐぬぬ、兄さんめ、私の狙ったタイミングに合わせてドアを開けたなー!?
「……で、何の用だ? 下らん事なら追い出すぞ」
「兄さんに苦なのですよ! 今日用意してもらった配信用のVR空間、アバターの挙がしおかしかった!」
「……ほう?」
あ、先にこっちを言っちゃった! でもまぁ、事実は事実なので、ここはしっかりと言っておくべき事だよね!
「それはよく言ってくれた。とりあえず立て」
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「あ、兄さん、ありがと!」
転んだ狀態のままだった私に手を差しべてきてくれた兄さんだ! ふっふっふ、やはりこの兄、ちょろい!
「とりあえず俺の部屋で待ってろ。今のうちに調整したVR空間を削除してくる」
「はーい! って、なんで削除!? 待って! 兄さん、待ってー!?」
「知るか! タダで作業させといて、何かと思えば苦だと?」
「わー!? 待って、待って、待ってー! お金なら、作業料なら払うから、それだけは待ってー!」
「……何?」
あ、止まってくれた! ふっふっふ、タダが問題だというのであれば、お金を払えば問題はないのですよ! 今の私には金金金さんとミナトさんからの投げ銭という資金源があーる!
兄さんに払うのは惜しいけど! それでも削除はさせてはなるものかー!
「投げ銭狙いで何かをやるかと思っていたからその項目は有効にしておいたが……おい、投げ銭でいくらになった?」
「えっと、9000円!」
「……悪い事は言わん。どういうやましい行為をしたかを吐け。今なら父さんと母さんには黙っといてやる」
「兄さんは私を何だと思ってるのさー!?」
完全に真っ當ではない、いかがわしい手段で投げ銭をもらったって思ってるよね、兄さん!? ……ちょっと否定できない部分もあるにはあるけども。
「うぅ、ゲームとのアバター連攜の挙が変で、それが原因で変なとこが見えたのがあったけど、そのタイミングで貰った投げ銭が一番多いけど! でも、それは事故だし、そもそも兄さんの調整不足が原因なのさ!」
「……ちっ、そこでさっきの話に繋がるのか。だが、あの設定で異常な挙が出る……あぁ、そういう可能があったか。もしかしてあのアバターは自作か?」
「うん、そうだよー!」
ふっふっふ、私の自慢の自作の狐っ娘アバターだからね! あれ、そういや兄さんに自作とは言ってなかったっけ?
あれ、兄さんが神妙な顔をして攜帯端末を取り出して作し始めたよ? あれ、どうしたんだろ?
「ちょっと待ってろ。……あぁ、ホームサーバーの方にお前宛に運営からメッセージが屆いてるな。未開封だが、見てないのか?」
「え、そんなの屆いてたの!?」
「……気付いてすらいないのか。まぁいい、し確認の為に俺の方で開けるぞ。承認してくれ」
「はーい!」
そっか、私宛のメッセージだから兄さんじゃ勝手に開けられないもんね。えっと、一時的に家族でなら許可はこれだー! 何かある度によく使うから、この使い方は覚えているのですよ!
「……なるほど、アバターが自作だから自調整機能が上手く作しなくて、そのままゲームの挙が反映されていたか。運営側で一部の挙の反映を遮斷して、応急処置はしているんだな。だが、これはこっちで微調整すべきだが……そもそも配信しているゲームは……なるほど、そりゃモンエボだと異常な挙も出るか」
「あれ? 兄さん、モンエボ知ってるのー?」
「知ってるもなにも、オフライン版はクリアしている。今はオンライン版もしているからな」
「おぉ!? 近にやってる人がいた!?」
まさかの兄さんはモンエボをプレイ済みの人でしたよ! うん、ネタバレは聞きたくないし、私がやってるのは1人プレイ用のオフライン版だから特に関係ないけどね!
「……まぁそれはいい。大、何をしたいのか分かってきたしな」
「おぉ、流石は兄さん!」
「ただまぁ、さっき作業料は出すと言ってたな?」
「…………何の……事……ですか?」
「なら、アバターの応急処置ではないちゃんとした調整も、ダイジェスト録畫用の設定もやらんぞ。あの設定、普通に依頼すればいくらだと思ってんだ?」
「えーと、2000円くらい?」
「……普通に數萬は行くからな。自作アバターの調整込みだと、もっと行くか」
「え、數萬!?」
えぇ、そんなにするの!? うぅ、それだと私のお金じゃ足りないよー!? うぐっ、それで兄さんは私からいくら取る気なんだろう……?
「……はぁ、そんな泣きそうな顔すんな。そうだな、6000円で手を打ってやろう」
「さっきのを聞いたら破格の安さ!? え、兄さん良いの!?」
「泣き落としの土下座をされ続けるよりはマシだ」
あ、完全にやろうとしてた事がバレてる!? でも6000円なら今日の投げ銭で貰った分でお釣りも出るよ!
手元のお金はモンエボを買うのに使ったから、投げ銭を電子マネーに換金して使おうっと! これは必要経費だもんね!
「あ、兄さん、投げ銭の換金ってどうやるのー?」
「……そこからかよ。あー、AR表示を共有化しろ。俺の方で作する」
「はーい!」
自分じゃよく分からないから、ここは兄さんにお任せなのですよ! でも次からは自分で出來るように作手順はしっかり見ておくのです!
ほうほう、なるほど、そこからそう作していけば……あれ? 何か手數料とかいう表示が出てるのは気のせい?
「最後の承認は本人じゃないと無理だから、自分で――」
「あー!? なんで投げ銭が6300円に減ってるの!?」
「……3割は運営の手數料として持っていかれるぞ?」
「そんなの聞いてないよー!?」
「……おい、配信サービスの維持費が無料だとでも思ってるのか?」
「はっ!? ……うぅ、そう言われると確かにそうだよね」
運営さんも企業なんだから利益は必要だもんね。広告もその1つだろうし、機能自は無料で使わせてもらってるんだしさ。
うぅ、9000円の全額しいけど、ここは仕方ない……よね。それでも7割の6300円はるから……あー!?
「よく考えたら兄さんに6000円渡したら300円しか殘らない!?」
「ま、嫌なら俺としてはそれでもいいが?」
「うぅ!?」
完全に兄さんに足元を見られた!? うがー! なんか釈然としないけど、自分じゃ設定出來ないし、普通に頼めば數萬かかるのなら、これでも格安……。
ぐぬぬ、選択の余地が欠片もない!? しかも兄さんは投げ銭の全額でなく300円は私の手元に殘るように金額設定しているよねー!? 微妙な優しさー!
「……兄さん、これでお願いします」
「……凄い嫌そうだな、おい」
「この展開は全然想定してなかったもん! 土下座か泣き落としのつもりだったもん!」
「……そっちは嫌じゃないのかよ」
うぅ、今まで何度も兄さん相手にはやってるから、そっちは今更だしね! うがー! 投げ銭を電子マネーに換金して、兄さんの攜帯端末の送金は完了! 持ってけ、くそったれー!
「初日の配信、これで終了です!」
「とりあえず々とあったけど、おつかれ、サクラ」
「はい! お疲れ様でしたー!」
「さて、ちょっと次回の話をするけどいい?」
「はい、構いませんよー!」
「ちょっと次回は初めての試みをやってみています。まぁ簡単に言えば、掲示板回ならぬ、SNS回とでもいえばいいのかな?」
「あ、ミツルギさんが私の事をドジっ子と拡散したやつですね!」
「そうそれ。まぁそんなじなので、し雰囲気が変わります」
「そういう事らしいです! それはそうとして、私の初日の配信が面白かったという方はブックマークや評価をお願いしますねー!」
「……なぜ今の流れでそれをぶっ込んだ!?」
「いやー、お知らせだけで終わりそうだったので、れておきました! 気が利くでしょう! えっへん!」
「……うん、まぁそういう事にしておくよ。それでは次回はし実験的な『第38話 サクラの呟き その1』です。お楽しみに!」
「SNSって私は見る以外には使ってないんですけどねー!」
「ま、絶対に使わなきゃいけない訳じゃないしね」
「そうなのです! あれ、でもそれだと次回はどうなるんだろ?」
【書籍化】萬能スキルの劣等聖女 〜器用すぎるので貧乏にはなりませんでした
※第3回集英社WEB小説大賞にて、銀賞を獲得しました。書籍化します。 剣も魔法も一流だけど飛び抜けて優秀な面がない聖女ソアラは、「器用貧乏」だと罵られ、「才能なしの劣等聖女」だと勇者のパーティーを追い出される。 その後、ソアラはフリーの冒険者業に転身し、パーティーの助っ人として大活躍。 そう、ソアラは厳しい修行の結果、複數スキルを同時に使うという技術《アンサンブル》を人間で唯一マスターしており、その強さは超有能スキル持ちを遙かに凌駕していたのだ。 一方、勇者のパーティーはソアラを失って何度も壊滅寸前に追い込まれていく。 ※アルファポリス様にも投稿しています
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