《Relay:Monsters Evolve ~ポンコツ初心者が始める初見プレイ配信録~》第71話 実況外の探検録 Part.2
【1】
配信用のVR空間で、九本の尾を持つ狐の獣人をモチーフにしたがいた。そんな彼は手元の作パネルを弄りながら、なんだか嬉しそうにらかな笑顔を浮かべている。
「それでは準備終了です! こちらの畫は配信外ではやりきれない、モンエボのLv上げや進化ポイント稼ぎをやっていきます! あ、オフライン版ですので、その辺りはご注意を!」
そもそもオンライン版は業務用の高能なVR機を使ったとしても配信そのものが許可をされていないので、その注釈は本來必要ない。
だがまぁ、世の中には予想も出來ない反応が返ってくる事もある為、決して間違いではない。その……サクラが、その件を考えた上での発言かどうかは別として……。
「んー、このVR空間もちょっと標準のままでは味気ないので、どこかで思いっきり弄りたいですねー!」
サクラはそんなことを呟きながら、配信用のVR空間を見渡していく。……視點をサクラ自のものにしなければカメラの位置は固定されていて、録畫にはその視線の先が映ってはいない事にサクラは気付いていない。
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そして、あくまで今のVR空間は特にカスタマイズはされていないデフォルトの狀態だ。サクラ自が設定した訳ではないので、その辺りは當然ではある。
ただし、デフォルト狀態でもパーティーグッズ等を含めて々と用意はされているので機能的な不足はない。ただ単純に見た目だけの問題である。
「まぁその辺の改修は、後々考えますね! それではモンエボを起して、Lv上げを開始です! 明日の配信までには、Lv10くらいまでは上げておきたいですね!」
流石に2回目という事もあり、ダイジェスト畫の開始の挨拶についてはそれなりにスムーズに進んでいる。そして配信畫面には『Monsters Evolve』のタイトル畫面が表示されていき、開始の準備が整っていく。
「あっ、ちょっとだけ配信の中で話題になった木をやってみるのも良いですね。ライオンのLv上げの前に、しだけってみましょうか!」
だが、いきなり線する気配が見えてきた。いきなり後回しにされるライオンのLv上げは果たしてどうなるのか。
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「それじゃ実況外でのプレイ開始です!」
止める者が誰もいない1人での実況外でのプレイ畫である。どこでどう転がっていくかは……誰にも分からない。そんな中でサクラは木を選択してプレイを開始した。
【2】
空は落ちてくるが降り立つのは、とある森の中の普通の木。木の種類としては桜の木ではあるが花は咲いておらず、この時點ではゲームとしての種族に違いはない。
「おぉ、これが木なんですね! むぅ、自分の姿が見えませんし、全然けませんねー! あ、でもしだけならゆらゆらとけます?」
サクラが新たに始めた木は、ほんの僅かにゆらゆらといて、その葉を揺らしている。その様子はちょっとした風に吹かれている木の様子であった。
「おー、完全にここは森なんですね! でも、思ったほどは険しいじじゃないですねー!」
サクラの位置から見渡せるのは、適度な間隔で植わっている々な種類の木や、その間をリスやトカゲや昆蟲などが駆け回り、時折小鳥たちが飛び立ったりしていた。
鬱蒼とした森ではなく、適度に拓けた森の中からスタートとなっている。それでも人の手が加わったような森ではなく、大自然の営みがそのまま見えている。
「……ところで、これってどうやって行すればいいんです!? あ、普通にチュートリアルが出ましたね!」
そして、ほぼくことが出來ない木の狀態に困するサクラであった。まぁ當然のごとく、最初にはチュートリアルが出てくるものである。
「今度はちゃんとチュートリアルはやりますよー! チュートリアル、スタート!」
そうして、1種族目のライオンでは飛ばしてしまったチュートリアルを、今度こそちゃんと始めるサクラであった。……流石にそこには學習能力はあったらしい。
【3】
「うがー! チュートリアルで進化ポイントを4貰えたのは良いんですけど、『の作』を取るのが推奨って何ですか!? いきなり一番最初に取るスキルが推奨されてるってどういう事ですかー!? を足だと思って、歩くイメージってなんですかねー!?」
木のチュートリアルを終えて、荒ぶっているサクラの姿があった。どうやら、チュートリアルの容に不満があったようである。
「ぐぬぬ、そんなに木をで歩かせたいんですか! そうですか!? とりあえずそこは強制じゃなかったから良いですけども!」
サクラにはで歩く木というのがどうやらお気に召さないようだ。狐を模したアバターの表も、怒っているわけではないが、なんだか複雑そうな表をしている。
……何がサクラをそうさせているのかは分からないが、まぁ必ずしも理由が無ければいけない訳でもないので、そこは流しておこう。
「よし、元々そのつもりでしたけど、この木は一切かさずに育てていきますよー! それじゃ、まずは攻撃用のスキルがしいですね! それが無いと何も出來ませんからねー!」
アバターの表がしたり顔に変わったかと思えば、サクラは木のスキルツリーを開いていく。
育要素のチュートリアルについてはどの種族でも共通なので、ここで表示される事はない。だが、そんな事に疑問を抱くサクラではなかった。
「ふふーん、遠距離攻撃がしいとこですよねー? 確か葉っぱを飛ばしてくるスキルがあったはずだから、それが良いかなー?」
そもそもの話、木をかずに育てるという事は敵の方から來てもらう必要があるという事を完全に失念しているサクラである。その為にチュートリアルで『の作』での移が推奨されているのだが、その理由を考えようとはしていない。
「よし、ありました! HPの回復と防力を一時的に上げる『合』とか、敵をかくさせる『葉っぱの舞』とか気になるのはありましたけど、まずはこれだー! 『葉っぱカッター』を獲得です!」
そうしてサクラは木の最初の移の為に初期値として與えられる進化ポイントを使って、木の用のスキルツリーの第1段階の『用+5』と、第2段階の『葉っぱカッター』を解放していく。
これで最低でも一般生でLv5まで上げるか、生を4……いや、途中でLvが上がる為2ほどで済むか。だが、最低限それだけは倒さなければ、移は不可能なことが確定した。
「ふふーん、それじゃ木を生Lv5くらいまで上げたらライオンをやっていきましょうー!」
などと、呑気な事を言いながらサクラは木の育を始めた。……それが通常のルートではないという事を、全く気付かないままに。
【4】
「うー! 今度こそ! 『葉っぱカッター』! あー!? また逃げられたー!?」
近くに寄ってきたリスに向けて、サクラは木の葉を飛ばして攻撃をした。一応葉っぱは當たりはしたものの、再使用時間の問題で追撃が不可能である。
そして、リスは一目散に逃げ去っていった。サクラの木を見向きもせずに……。
「うがー!? なんで全然倒せないんですかー!?」
これで通算10度目の失敗。サクラは木では敵を1もまだ倒せていない。
「移が出來ないからマップも解放出來ないし、なんで1撃で倒せないんですかね!?」
それは生である木には一般生が近づいてくることがないという単純な理由ではあるのだが、サクラがそれを知らない。生の敵であれば近寄ってくるが、好戦的な敵でなければ攻撃をけた時點で立ち去っていく。
まだ完全に詰んだ訳ではないが、本來なら今のサクラの進行度合いではやってはならない手段をやっている為、無意味に難易度……とよりは非常に無駄な時間が発生しているのであった。
「うー! かずに育てるって手段は失敗だったのー!? いや、何か手段はあるはず! ライオンもやりたいけど、絶対に1は倒すのです!」
そう決意したサクラは、ライオンの育は放り出して木での非常に無駄の多い戦いを続けていくのであった。
【5】
「あー!? もしかしてこのスキルが必要なのー!?」
サクラは木で悪戦苦闘を続け、なんとか運よく近付いてきた一般生のトカゲを倒せた後にスキルツリーを眺めていて、その事に気付く。
そのスキルは木の知恵のスキルツリーの第2段階に存在するアクティブスキルであり、種族は限定されるが敵を呼び寄せる為のスキル『樹分泌』である。
「これさえあれば、けなくても進化ポイントが集められますね! 希が見えてきたのです!」
だが、『樹分泌』を取るまでは今の狀況と変わりはしない。サクラもその事に気付いたのか、浮かれた表になっていたアバターの表が一転して暗くなっていく。
「……進化ポイントが足りないし、これは今度にしましょう! さーて、ここからはライオンの育を開始です!」
そうしてサクラは一度『Monsters Evolve』のタイトル畫面へと戻り、ライオンを選択していく。ほぼ何も果のないまま1時間ほど木をプレイしたサクラは、ようやくライオンの育を開始した。
「サクラはでくのが、どう気にらないの?」
「どうって、植がで歩く時點で間違ってますよね!?」
「現実ならね? でも、これはゲームの中だから」
「うぅ、理屈ではそうだと分かってるんですけど、なんだか拒否があるんですよ!」
「……サクラには苦手な生はいないんじゃなかったっけ?」
「……初めて苦手な生が出來そうです」
「なんなの、その拒否!?」
「自分でも分かりません!」
「分からんのかい!」
「そうですよ! 私にでく植に慣れるように頑張れと応援してくださる読者さんは、ブックマークや表示をお願いしまーす!」
「もう、このまま拒否があるキャラで進めない?」
「それは私が嫌なのです!」
「……なら、慣れてもらうしかないとして……次回は『第72話 実況外の探検録 Part.3』です。お楽しみに!」
「今回は木を育てたんで、次はライオンを育てていきますよー!」
Duty
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