《Relay:Monsters Evolve ~ポンコツ初心者が始める初見プレイ配信録~》第72話 実況外の探検録 Part.3
【6】
木から姿が変わり、川辺へとライオンが降り立っていく。早くも行き詰った木のプレイを中斷し、ライオンの育へと切り替えたサクラの姿がそこにはあった。
「さーて、それでは実況外での育開始です!」
さも、先ほどまでの木の育の様子などなかったかのような言い方ではあるが、しっかりとダイジェスト畫としてその様子は殘されている。
「んー、進化ポイントがある程度あるので、スキルを取りましょうかねー? 出來ればこの辺の取得は実況中にやりたいとこなんですけど、長を相手にするのならこう、とっておきの攻撃とかしいですもんね!」
という大義名分のもと、ただスキルを取りたいだけのサクラである。いや、別にそれが悪い訳ではないのだが。
そうして、サクラはスキルツリーを開き、何を取るかの味を始めていく。誰も止める者がいないこの狀況で、サクラ一人に取得の判斷を任せていいものなのか怪しいところではあるが、いたとしても勝手に予定を変えて取るので大差はない。
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「あ、そういえば『捕食還元』を取っておきたいんですよねー。んー、地味に気になってる『戦意の纏い』の確認をしてからにしましょうか!」
そう言いながらサクラは用のスキルツリーの第4段階に存在する『戦意の纏い』の詳細を表示していく。その容は以下となる。
『戦意の纏い』:パッシブスキル
戦意を高め集中する事で、遠距離で発するスキルの範囲をし拡大する。
要するに、『戦意の纏い』とは遠距離で使用するスキルの強化用のスキルである。
「おぉ!? 『戦意の纏い』って良いじゃないですか! これってあれですか!? 実況中に皆さんが言ってた、水中にも攻撃が屆くようになるっていうスキルですかね!?」
何やらテンションが上がった様子のサクラではあるが、その言葉に応える者は誰もいない。実況中継中ではないので、當然である。
「あ、そういえばこれって録畫なんでした……。うーん、今の進化ポイントは7なので、これを取ったら他のスキルは取れないですよね……」
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サクラは『戦意の纏い』に興味は持ったものの、今の所持している進化ポイントと比べて悩み始めている。狐っ娘アバターも悩ましい表になっていた。
「あ、サイコロで決めましょう! って、実況外でそれは流石になしですかねー? うん、なしですね」
そこでサイコロにせずに踏みとどまるのは良いのだが、そもそも実況中でもサイコロという運任せで決めるのをやめろという話である。誰にとっても予想が出來ない展開で戸う者もいるのだ。
「よし、決めました! とりあえず今は『捕食還元』を取って、しでも進化ポイントを集める方向で進めていきます!」
そうしてサクラは生命のスキルツリーの第2段階にある『捕食還元』を解放していった。ここで進化ポイントを3消費したため、殘る進化ポイントは4。変に無駄遣いをしなければ、『戦意の纏い』もすぐに解放出來るだろう。
「よーし、ついでに堅牢の『當たり』も解放しておきましょう! これで、攻撃パターンも増えるし、し防も上がりますからね!」
そして、誰も止める者がいない為に、新たに堅牢のスキルツリーの第1段階の『堅牢+5』と第2段階の『當たり』が解放されていった。
果たして先ほどの『戦意の纏い』への関心はどこへ消えたのだろうか。こうしてステータスやスキルは増えたものの、第4段階のスキルは解放されずに進化ポイントは無くなっていった。
【7】
川辺を駆けていくライオンの姿がある。そして、そのライオンの先には走って逃げている様子のウサギの姿があった。
「うぅ、早いんですよ、このウサギー! あ、加速するなー! あ、良いタイミングで再使用時間が過ぎましたね! 『咆哮』からの『當たり』!」
サクラのライオンから逃げていたウサギが急加速を始めた時に、運よく咆哮の再使用が可能になり、それでウサギを怯ませてきを止める事に功した。
そのタイミングを逃す事なく、サクラは新たに手にれた『當たり』でウサギにぶつかっていく。……ただし、それは格差を無視した攻撃である。
「あぁ!? 吹っ飛ばしちゃったのです!? うがー! ならばこれで追撃ですよ! 『投擲』!」
無駄に過剰に吹き飛ばされたウサギがまだ怯んでいる間に、サクラは小石を取り出して右腳で弾き飛ばしていく。その小石はし狙いが外れつつもウサギに當たり、確実に生命を削っていく。
「これでトドメです! 『噛みつき』!」
ウサギが逃げ出す前にもそれなりに攻撃は當てていたため、この噛みつきでウサギの生命は盡きていった。そして、それと同時にサクラのライオンにも変化が訪れる。
「やった! ライオンがLv4に上がりました!」
今のウサギを始め、數の長を見つけて倒したサクラのライオンはLvが上がっていったのである。これで進化ポイントは7になっている。
『捕食還元』ではまだ1度も進化ポイントは得ていないが、地味に『當たり』の方が役立っていた。
「ふっふっふ、當たりは便利ですね! そして捕食還元は役立たずじゃないですか!」
元々低確率だという點を無視して、サクラはそんな風に文句をつけていく。『捕食還元』を手にれてからまだ數しか倒しておらず、判定となる噛みつく攻撃自の使用回數が1桁だというのに期待をし過ぎというものである。
「さーて、もっとどんどん倒していきますよー!」
戦闘自は新たな攻撃手段を得て、時々當たりで変に飛ばし過ぎる事はあっても順調である。スキルの數が増えた事で、再使用時間を待つ必要があまりなくなっているのも大きいだろう。
【8】
「ふっふっふ、手にれましたよ、『戦意の纏い』!」
それなりに安定して長を倒していき、進化ポイントが10ほど溜まった時點でサクラは一度は他のスキルに回した『戦意の纏い』を解放していた。
「さーて、殘りの進化ポイントは次の実況まで溫存ですね! 」
『戦意の纏い』の解放に進化ポイントを7消費し、今の進化ポイントはこれで3となっている。その進化ポイントは今すぐには使う気はないようだ。まぁ新たなスキルの解放に使える程の進化ポイントでもないが。
「それでは忌々しい川の中の魚への攻撃の実験です!」
そして、この河川域に來てから何度か痛い目をみた川の中の敵へと戦いを挑むつもりのようである。……まだ生きているワニやザリガニではなく、もう既にリベンジ対象がいない魚を選んでいるところは、まだ冷靜な判斷力があるというべきか。
「それにしても、実況中には焦りましたけど思ったほど強くないですねー! 識別しても私と同じLv4とかですし、川の中ってアドバンテージがないとただの雑魚ですよね!」
そんな事を呟きながら、サクラは川へと向かって走り出す。忘れてはいけない、この河川域は河川がメインのエリアであり、陸地の部分の方がおまけであると。
そして、そんな事は欠片も思い至らないサクラである。そもそもライオンと魚では、その陸地と水中というアドバンテージの差こそが一番の脅威だという事を。
「さて、川に到著です! 覚悟してもらいますよ、魚達!」
そう高らかに宣言していくサクラ。だが、そこからく気配がない。
「……よく考えたら、これって攻撃は投擲しかないですよねー? 咆哮が水中に屆くようになって怯んで浮いても、そもそも水中にらないと回収も出來ないのですよね!? それってまた魚に集団で襲われません!?」
そして、戦場とする場所に來てから問題に気付く。いくら咆哮が水中に屆くようになろうが、本的にライオンでは遠距離攻撃の手段がなく、結局水の中にらなければいけない狀況になる事に。
「ぎゃー!? この『戦意の纏い』って使えないじゃないですか!? 進化ポイントを返してください!」
決して『戦意の纏い』が使えない訳ではない。サクラの持っているスキルの中では『威嚇』や『咆哮』、そして『投擲』の範囲をばす効果はあり、『咆哮』を陸地から水中に屆かせる効果もある。
ただの使い方だけの問題であり、考えが足りないだけの事である。
「はっ!? そういえば、用の第5段階に『衝撃波生』ってスキルがあったはずです! あれなら、もしかして!?」
そんな風に慌てつつ、サクラは用のスキルツリーを開いていく。その容は以下の通り。
『衝撃波生』:パッシブスキル
距離の離れた位置から発するスキルに、任意で衝撃波の追撃効果を発生させる。
「おぉ!? 任意で衝撃波の追撃って今まさしくしいやつじゃないですか!」
間違いなく今のサクラにとって必要とするスキルであり、有用は間違いなくある。ただ、それにはまだ問題があり、サクラはその事を失念していた。
「それじゃ早速……って、進化ポイントが全然足りないですよ!?」
そう、第5段階の解放に必要な進化ポイントは10であり、今のサクラの持っている進化ポイントは3である。全然足りていないものはどうしようもない。
「うがー! また進化ポイント集めですかー! うぅ、待ってろ、魚どもー!」
そうして、サクラは川から離れて再び進化ポイントを求めて敵を倒しに行くのであった。
その結果、寢るまでの間にひたすら陸地側で狩り続け、今回の実況外ではLv6まで育ち、進化ポイントも20まで溜まっていった。
途中からは倒すのがし楽になって楽しくなってきて、魚の事を忘れていたのがサクラらしいところである。
「さーて、これで第2章も終わりです! ですよね、作者さん!」
「そだね。とりあえず第2章まで、お疲れ様」
「はい、頑張りました!」
「そこでしお知らせです」
「はっ!? もしや私の方が先に書――」
「……いや、殘念ながらその手の話は來てないから。単純に更新頻度の変更のお知らせ」
「毎日2話更新に変更ですね!」
「あの、サクラ? それ、無理だから?」
「……もしかして減るんです?」
「……申し訳ないけど、流石に毎日更新と週6更新の並行連載はきっついです。という事で、次の日曜日から日曜日の更新はお休みにさせていただきます」
「毎日更新から、週6更新になるって事ですかー?」
「まぁそういう事。無茶して更新が滯る方が嫌なので、更新頻度の変更についてはご了承下さい。また、モチベーションに繋がりますのでブックマークや評価をしていただけると助かります」
「珍しく作者さんが言ったー!?」
「えーと、更新そのものを止めるわけではないので、今後もよろしくお願いします。ほら、サクラも」
「あ、よろしくお願いします!」
「さて、次回は第3章『第73話 模様替えの下準備』です。お楽しみに!」
「第3章からも頑張っていきますよー!」
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