走れ、走れ、走れー！　オオカミを倒す為にも、ここで追いつかれる訳にはいかない！　かといって、真っ向勝負じゃオオカミの方が攻撃の威力が高い！　しかも、そろそろ咆哮の再使用時間は過ぎてるんじゃないかな？

「皆さん、質問です！　咆哮って、発の前兆って分かります！？」

自分で咆哮を使ってる時は気にもしてなかったけど、敵が使ってくるならその効果が発揮するタイミングは重要！　というか、避けられないとかゲームバランスとしてダメなやつー！

ミナト　：　咆哮を使うと、咆哮の聲というか音が出るじゃない？　効果が出るのはあれのし後だね。

富岳　：　ピンポイントでしか効果がないから、そこでしズレて狙いを外せば問題はない。

ミツルギ　：　面と向かっていたら口を開けるのも見えるから、そこも目安にはなるぞ。

「なるほど、ちゃんと回避方法はあるんですね！」

うん、今まで気にしてなかったけど、そういう事なんだね。なくとも咆哮を回避するためには……狙いを付けさせないのが重要なんだ。それなら、オオカミが鳴き聲が聞こえたら、左右のどっちかに一気にけば回避可能？

「あ、それって投擲で毒の実を放り込むチャンスじゃないですか！？」

わざわざ口を開けてくれるんだから、そこを狙うのはありだよね！　ふっふっふ、絶好のチャンス過ぎるじゃないですか！

いなり壽司　：　それ、投擲がキャンセルされるだけ……。

咲夜　：　完全に無駄撃ちになるやつー！

真実とは何か　：　それが真実である。

「あ、そういえばそうなりますよね！？」

私はアホかー！？　攻撃用のスキルをキャンセルする咆哮を使う時に、その目の前に攻撃スキルをぶっ放してどうするの！？

ただ無駄撃ちしてるだけじゃ……あ、そっか！　無駄撃ちさせればいいんだ！　ふっふっふ、私は自分自の失敗から知っている！　攻撃スキル以外に対しても咆哮は発出來ると！　……単なる無駄撃ちだけども！

「だったら、これならどうですか！」

思いついたからには即実行！　急停止からの方向転換！　そこから小石を取り出して、弾き飛ばす！　ただし、スキルの使用はなしで！　いっけー！

「おぉ、功です！」

オオカミが遠吠えのような咆哮を上げたけど、私には何もなかった！　しかも、小石はオオカミの顔に直撃！　どうだ、このオオカミめ！　なるほど、やっぱりこういう回避方法が出來るんだ！

神奈月　：　お、今のはお見事！

イガイガ　：　どうして、こう難しい方法をホイホイと見つけてくるのか。

チャガ　：　ははっ、この土壇場で咆哮の別の回避方法を自力で見つけるとはな！

「どうですか、皆さん！　私のこの……って、別に倒せたわけでもなんでもなかったー！？」

ぎゃー！？　思わず完全に立ち止まっちゃったけど、オオカミそのものの攻撃を抑えられた訳でも、まともにダメージを與えられた訳でもないから、普通に突っ込んできたー！？

さて、大急ぎで急転換して、元の方向に戻って猛ダッシュ！　とりあえず思いついたことは功したし、オオカミは咆哮はこれでしばらく使えない！　私の咆哮は……もうしかかるね。

金金金　：　ん？　今のってどういう事だ？

富岳　：　咆哮の能は2つある。片方は怯ませる狀態異常、片方は攻撃スキルのキャンセル。近接攻撃だとスキルのキャンセルと同時に怯ませる効果が出るが、遠距離攻撃はその危険は下がる。

チャガ　：　指定した位置以外には効果が出ないんだよ、咆哮って。

ミナト　：　そうそう。スキルを使ったと思わせて、スキルでもなんでもない遠距離攻撃で咆哮を使わせて無駄撃ちさせるのはかなり有効だよ。これならタイミングはサクラちゃん側から狙えるしね。

金金金　：　あー、なるほど。

皆さんが解説をしてくれているし、オオカミの咆哮の無駄撃ちの発には功したけども、オオカミからの攻撃が止まった訳じゃない！

むしろちょっと距離を詰められたよ！　今はともかくこのオオカミに勝つ為に、逃げろー！　単純な近接戦闘じゃ勝てそうにないしね！

「さて、ここからどうやって反撃しましょうか？」

このまま逃げ回って投擲でじわじわと削るのは多分、止めておいた方が良い気がする。毒の実をなんとか食べさせて……うーん、どうやって食べさせよう？　咆哮を使ってくるタイミングはキャンセルされるから卻下。

投擲の弾に使えるとは聞いたけど、さっきみたいなスキルなしでの投擲じゃ狙いが雑過ぎるよね。だから、スキルでしっかりと狙う必要がある。

「……毒の実を食べさせるのは、噛みつきを仕掛けてきたタイミングですかねー？」

普通に當てても毒になるのは毒持ちイチゴと戦った時に実験済みだけど、食べさせた方が強力っぽいもんね。問題はそれをどう実行するか。

咲夜　：　まぁわざわざ噛みつきで口を開けてくれるんだから、そこを狙わない手はないな。

イガイガ　：　咆哮と違って、キャンセルもされないしな。

いなり壽司　：　でも、お互いにきながらだから、相當難易度は高いぞ？

チャガ　：　サクラちゃん、さっきの咆哮の妨害のやり方で當てる自信はあるか？

「ハッキリ言って、あれで當てる自信はないです！」

手段として思いついたからやってみて、それに対してオオカミが咆哮を使ってくれたから良かっただけ！　スキルを使っても、きながらオオカミの口を狙う自信はなーい！

うーん、私が咆哮を使って、その間に毒の実を食べさせ……いや、それは怯んでるから無理だよね？　それにまだ毒の実を確保出來てないから、まずは採集をしてから……あ、そっか！

金金金　：　サクラちゃんのしたり顔、再び。

ミツルギ　：　お、なんか思いついたか！

咲夜　：　さて、今度はどういう手段でいくのか。

チャガ　：　思いつく手段はあるにはあるが、サクラちゃんはどうするか。

ミナト　：　そこは見守っていこー！

「はい、皆さんは見守っててくださいね！　それじゃ『毒の実に苦しむオオカミ』作戦開始です！」

とりあえず上手くいくかはやってみないと分からないけど、オオカミに毒の実を食べさせるやり方は思いついた！　多分、毒の実がそのまま食べられるようになってるのは、こういう手段が使えるはず！

「えっと、とりあえず毒の実があった場所まで戻ります！」

咆哮を使って怯ませて攻撃をしまくって、怯みが解除になったら逃げまくるという方法もあるにはあるけど、それはこれからの作戦が失敗してからだー！

「って、あれ！？　毒の実、どっちでしたっけ！？」

いなり壽司　：　場所を見失ってたー！？

イガイガ　：　でも、これだけ無作為に逃げ回ってたら分からなくもない。

富岳　：　それにもう夜になりそうだしな。明るさが変われば雰囲気も変わるから、見失っても仕方あるまい。

ミナト　：　えっと、その位置からなら右方向にある低めの木でグルっと回ってＵターン！　そのし先の左側！

「あ、あの木ですね！　ミナトさん、ありがとうございます！」

周辺を走り回ってたから、微妙に位置を見失ってたけどもミナトさんの導で位置が分かった！　日がかなり落ちて暗くなってきたから、その辺も分かりにくくなってる原因だよね。

よし、この何の木か分からないけど、かなり低めの木でＵターンをして……よし、赤い毒の実を発見！　そこに向かって突撃だー！

「作戦、実行開始です！」

さーて、毒の実の目前でオオカミに向き合うような形で急停止！　問題は、ここでオオカミが狙った通りの攻撃をしてくれるかどうかだけど……よし、急停止した私のライオンに向かって飛びかかりながら噛みついてきた！

「ふっふっふ、それは私の狙い通りなのですよ！」

これを狙っていたんだから、ここで回避が必要な事も想定済み！　元々心構えはしてたんだから、回避のタイミングをミスなんてしない！　橫に飛び退くのです！

「やった！　毒の実に食らいつきましたよ、このオオカミ！　毒の実を自分から食べに行くとか、ドジっ子なオオカミですね！」

ふっふっふ、作戦大功！　私に噛みつこうとしたその口で、思う存分毒の実を食べると良いのです！

「そして、追撃です！　『咆哮』からの『當たり』！」

おぉ、思いっきり怯んだ上に毒のダメージ量が結構多い！　これは、確かに使える！　あ、でも今ので毒の実、全部無くなっちゃった。

うーん、採集せずに敵に食べさせても全部無くなる仕様っぽいね。まぁ強力さを考えたら仕方ないかな？

ミツルギ　：　……昨日のサクラちゃん自に思いっきりブーメランを投げてる。

咲夜　：　今回のオオカミ、食べるように導されただけなのになぁ。

いなり壽司　：　そんなに稱號『ドジっ子』がしいのか。

「そんな稱號、いりませんからね！？　戻してこないでくださいよ！？　それはともかく、今は追撃あるのみ！　『振り回し』『爪撃』『連爪』『噛みつき』！」

昨日の私は確かに毒の実を食べたかもしれないけども、それは今この時の為！　そして、私の持っている攻撃スキルで一気にオオカミのHPを削り盡くす！

「うがー！　ほんのしHPが殘って、死に切りません！　でも、噛みつきのダメージはまだありますし、毒の継続ダメージも……って、あれ？　なんで、私のHPまで減り始めてるんです？」

え？　私は攻撃をけてないはずなのに、なんでここでしずつだけどダメージをけているの？　あっれー？

神奈月　：　サクラちゃん、毒狀態の敵に捕食判定になる攻撃をすると……その、攻撃をした側も毒になるぞ。

いなり壽司　：　稱號『ドジっ子』、やっぱりいるんじゃね？

ミツルギ　：　いるかもなー。

イガイガ　：　カンニング・ミツルギには言われたくないだろうに……。

咲夜　：　あー、それは確かに。

「だからその稱號はいりませんからね！？」

うぅ、それにしても毒狀態の敵に噛みつくと、私まで毒になっちゃうのか……。うーん、これは今後の為に覚えとこ。

あ、そうしてる間にオオカミのHPが無くなって力盡きた！　私のライオンも毒にはなっちゃってるけど、とりあえず作戦勝ちだー！

＜長を撃破しました＞

＜進化ポイントを1獲得しました＞

＜サクラ【用なライオン】が長：Lv10に上がりました＞

＜基礎ステータスが上昇します＞

＜進化ポイントを2獲得しました＞

「おぉ！？　格上だったから経験値も多かったみたいでLvが上がりましたよ！　これでザリガニへのリベンジの為の目標にしていたLv10に到達です！」

ふっふっふ、もう夜になるけども、それまでに目標Lvになったー！　進化ポイントは……おぉ、20になってるね。進化ポイントは目標の3分の1を達！

「いぇーい！　目標Lvに達ですよ、作者さん！」

「おめでとう、サクラ」

「そして忌まわしきオオカミもぶっ倒しました！」

「うん、よくやった！」

「それじゃ自分へのご褒にコンビニでイチゴがった何かを買ってきまーす！」

「それは待て！」

「むぅ……なんでですか！？」

「いや、それは配信が終わってからにしようね？」

「そのタイミングって晩飯なんですけどー？」

「なら、明日で良いじゃん」

「それでは読者の皆さんに聞いてみましょう！　私が配信の途中にコンビニに行ってくるのが良いと思う方はブックマークや評価をお願いします！　……言ってて思いましたけど、配信中に配信主がいなくなるってどんな愚行ですか？」

「自分で言い始めておいて、それを言う！？」

「いやー、改めて聲にしてみるってのも大事ですねー！　あはは！」

「……このポンコツ主人公！　えーと、次回は『第９５話　ザリガニのいる滝へ』です。お楽しみに！」

「ふっふっふ、エリアボスへのリベンジ開始です！　って、私はポンコツじゃなーい！」