《VRMMOで妖さん》47:質問しよう。

排水用の印にもう一度魔力を流すと、が塞がり元の狀態に戻った。

どうなってるんだろうなこれ。

「ちなみに、そこの壁の印を押せば天井から水が降ってくるぞ。右のほど溫度が高くなる。もっとも今は、天井を外しているから機能していないがな」

青、橙、赤の三つの印があるな。

水、ぬるま湯、お湯ってじかな? こんなとこに罠は仕込まれないだろうし熱湯とかは出ないだろう。

「さて、説明はこんな所か。何か質問はあるか?」

質問っていうか、ツッコみたい事は々あるんだけど。

「あの、【妖】のサイズなら場所も資材も大して必要としないって言ってましたよね」

「あぁ、言ったな」

「これ、十分に大した敷地と資材使ってると思うんですが」

「そうか? 普通の部屋一つに十分収まる程度のサイズではないか。それに【錬金】で端材も無駄にならないからな。資材というなら、そこの管理人室の方がよほど使っているぞ」

あ、やっぱり管理人の為の家なんだ。いやそれはいいんだ。

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「いえ、そうではなくもっと普通の小さな家でよかったのでは? という事をですね」

「図面を引き始めた時はもっと小さかった筈なのだがな」

「贈りを頂いてから、はっきり解る程に巨大化しましたね」

「はっはっは。やる気が湧き出て設計図に溢れてしまったな」

自業自得……でもないな。そんなの予想出來る訳ないわ。

その場のノリで図面を引かないでくれ。

「こんなに部屋が有っても私一人しか居ないんですが、どうしろと?」

「どうしような!」

いやいやいや、元気一杯に投げないでくれ。考えてなかったのか。

「普通のサイズの家であれば貸し出すなどして利益を得るという手もありますが、このサイズですとそうも行きませんね」

「うむ。【妖】自、白雪以外は殆ど見かけぬからな」

ん? 全くではないのか。

「あれ、私以外にも居るんですか? 私、まだ一度も會った事が無いんですが」

「うむ、生憎私も見てはいないのだが。衛兵から數件報告が上がっている」

「衛兵から?」

「いずれの報告も、スキルの使用を警告して逃げられたそうだ。報告書を見る限り、同じ者が二度目撃された例は殆ど無いようだな」

多分【浮遊】だろうな。これ無いとまともに移なんて出來ないし。

ていうか二度目が無いって、もしかして全員が役場までに心を折られたのか……

徒歩で役場に行くだけでも大冒険だからな。

しかも運よく辿り著けてもカウンターに登れない。

誰かが手伝ってくれたとしても、かなり慎重にやらないと死を量産するだけだし。

あ、そうか。

「あの、アリア様。【浮遊】を解する訳にはいきませんか? 【妖】は飛べないと移もままなりませんので」

「ふむ。確かにそので飛ぶなというのは酷に過ぎるな。【妖】以外が【浮遊】を持っているという話も聞かぬし、今日中に手続きをしておこう」

よし、大丈夫みたいだ。

「というか、白雪が登録に來た時點で考慮しておくべき事であった。これはこちらの落ち度だな。彼らには申し訳ない事をした」

これでしは現れてくれるといいな。全く期待できないけど。

とりあえず部屋の事は置いておこう。

「この広場とそこの機は?」

「ここは白雪の家の庭だ。機は來客用だな。家には上げられないし、立たせておく訳にもいかないだろう?」

いや、敷地……やめよう。言っても多分無駄だし。なるようになれだ。

「ここに住んで周りの花園でを集めてたら、全域が私の庭とか思われそうですね」

諦めて冗談でお茶を濁す。

「ん? そのつもりだが? ……待て待て、逃げようとするな。冗談だ」

頼むから「當然だろう? 何を言ってるんだ?」みたいな、本気の困顔で冗談を言わないで下さい。

本當に冗談なんだろうな?

現狀でさえ優遇ってレベルじゃない狀況なんだから、これ以上勘弁してよ?

「途中に柵があっただろう? あれより外側は公園になる。殺伐とした開拓生活にも癒しは必要だろう」

やっぱり外は殺伐としてるんだなぁ。

私が町から出られる日は一いつになるんだろうか。

いや、出るだけなら簡単だけどね。命が要らなければだけど。

「そういえば、何でバラなんですか?」

「好きだからだ。と言っても、バラは中央と南側一帯だけだがな。他の方角には他の花を植えてある」

単純明快な答えだった。そういえば現実だとバラの蜂って珍しいんだっけな。

採取】で集めたにも花の特徴は出るんだろうか?

比べてないけどなんか出そうではあるな。草に使ったら草の味だったし。

「しかし遅いな。もう戻ってきても良いと思うのだが」

「丁度外に出た直後くらいに私たちが來てしまったのかもしれませんね」

ん、何がだろ? あ、花園の管理をする人か。

家の披と一緒に紹介するつもりだったのかな?

「仕方ない、茶でも飲みながら待つとしよう。コレット、頼む」

「はっ」

姫様、仕事はどうした? あとコレットさん、護衛はいいのか?

コレットさんが行っちゃったから、ツッコんでも聞こえないだろうけど。

っていうか管理小屋に行かずに、來た道を戻っていったな。役場まで取りに行ったのか?

あ、戻って來た。早いな。

……なんか見覚えのあるティーセット持ってきたぞ。

「あの、アリア様? このティーカップ、さっき似たを見た気がするんですが」

「それはそうだろうな。このセットのうちの一客を加工して浴槽にしたのだから」

綺麗なカップだなーって思ってたら王族用達かよ!

なんて無駄に贅沢なお風呂なんだ……

コレットさんがお茶を淹れ、アリア様が手ずからスプーンで飲ませてくれた。

味しい。茶葉と淹れ方、両方のおかげなんだろうな。

お禮に「し待っていて下さい」と言ってから近くの花の所でを集め、【魔力武】で作ったれる。

機に戻ってアリア様にスプーンを出すように頼み、その上でを吸って消した。

「お茶請け代わりにどうぞ」

「おぉ、ありがとう。ほのかにバラの香りがあるな。味い」

やっぱり特徴は出るみたいだな。

ん? よく考えたら今のって傍から見ると、持って來たにキスしてから渡したみたいに見えるんじゃないか?

明で薄いだったし。うぁぁ、またやらかした。

これは恥ずかしい。小さくて殆どMP使ってないんだから、普通に消せば良かったよ……

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