《VRMMOで妖さん》63:手伝おうとしよう。

役場に向かう途中、貓車のようなで土砂を運んでいる四人組を見かけた。

熊さんとおじさんも手伝ってるんだな。パーティーメンバーが出られないから、さっさと終わらせるために仕方なく手伝ってるんだろうか。

あの土砂、町の外から集めてきてるのかな? だとしたら敵も居るだろうし、かなり大変そうだ。

あそこまでの大を開ける必要は無かったんだし、流石に申し訳ないなぁ。デスペナだけでも十分重い罰なのに、翌日も潰す羽目になってるし。

何か手伝えればいいんだけど…… とりあえず聲をかけてみるか。

「おはようございます。あの、何か手伝えることはありませんか?」

「あ、妖さんおはよう。大丈夫だよ、から出た錆って奴さ」

「そりゃあんたらはねー。私らはしゃーなしだよー?」

「あぁ、索敵擔當と魔法擔當が欠けたままなのは困るからな」

「でもあんな必要以上の大を開けたのは私ですし……」

「気にしないで。それにこういう言い方するのは悪いと思うし皆に怒られそうだけど、この作業は妖さんのサイズだとあまり出來る事が無いと思うんだ」

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うぅ、痛い所をついてくる。

実際集めることも運ぶことも出來ないもんなぁ。

中庭と違って後々建を作る事考えたら、砂でごまかす訳にもいかないし。

【土魔法】をもっと鍛えてたら…… でも使えたとしてもペナルティのせいで、あの量の土を出そうと思ったらどれくらいMPが必要になる事やら。

「てか妖さんの手を煩わせてたら、追加で制裁されそうだよねー」

いや、流石にそれは…… 無いよね?

「無いって言いきれないのが怖いな」

有り得るのかよ。実に怖い世の中だな。

あ、そういえば今日は魔人さんが全然喋ってないな。

「しかし何やら妙に大人しいですね。何かあったんですか?」

「あぁ、なんか現実側でも怒られたらしいよ。しは考えて行しろとか人の迷を考えろとか々と」

「なるほど」

それでか。そっちは本當に自業自得だから擁護のしようもないな。

「まぁそういう訳だから、妖さんは気にせず行ってくれて大丈夫だよ」

むぅ、これ以上食い下がっても邪魔になるだけだし諦めるか……

あ、そうだ。これくらいなら良いだろ。

「お、ありがとう。助かるよ」

「おー、これが妖さんのスキルかー。確かに気持ちいーねぇー、ありがと」

「わぁ、私にも! ありがとー!」

「げぇっ、復活しやがった。こいつには要らなかったんじゃないか? あぁ、禮を言わなきゃな。ありがとう」

「それじゃ、すいませんけど頑張って下さい。失禮します」

「おかげさまで疲れも取れた事だし頑張るよ。……というか、これならすぐに終わるかもな」

ん、どういうことだ? あれ、何か周りに居た人が減った?

まぁいいか。手を振って役場に行こう。ばいばーい。

って今回も名乗れてないぞ。なんかこのまま名乗りあえないんじゃないかって気がしてきた。

いや、覚えてたら普通に會話にねじ込めばいいだけなんだけどさ。

さて、役場に著いた。のはいいけど結局何やるか考えてないぞ。

まぁ普通に各種魔法の訓練をしようか。さっきも【土魔法】鍛えてあればなーって思ったんだし。

っていうか普通はそうなんだよね。そんなポンポン新しいスキルが取れるのがおかしいんだよ。

実際、數時間金屬をいじりまわしても【細工】も【金工】も取れてないもの。

「おはようございます」

「おはようございます、白雪様。今日はどのような?」

いつも通りライサさんのカウンターに行って挨拶をする。

「いえ、特には無いんですが中庭で訓練する間珠ちゃんを預けようかと。あ、そうだ。同時にふたりまで呼べるようになりましたよ」

「なんと。では犬さんも一緒という事でしょうか?」

それでもいいけど、せっかくだから紹介がてら太郎を呼ぼうか。

いや、紹介する必要があるのか? って言われると無いんだけど。

「新しい子も増えたので今日はその子をお願いします」

パネルから珠ちゃんと太郎を召喚する。

あ、貓とハムスターを一緒に呼んで大丈夫だろうか……?

あっこれ多分大丈夫だ。ていうかなんで太郎は珠ちゃんの頭に上に出てきてんのさ。

「おぉ、これは……」

太郎の前にライサさんが指を差し出すと、両手で指先を摑んだ。

挨拶のつもりなのか本能でなんとなく摑んだのかはよく判らないけど、とりあえず可いから良し。

「それじゃお願いします。あ、連れて帰らないで下さいね?」

「はい、ご安心ください。大丈夫です、大丈夫……大丈夫」

いや、全然安心できないんだけど。まぁ召喚解除で回収できるだろうから問題ないんだけどさ。

二匹をでてから放流する。楽しんでこいよー。

中庭に出るとジョージさんが仁王立ちしてた。

「今日は先に言っとくぞ。いくら使用可能區域だからって、ここでデカいのぶっ放すんじゃねぇぞ?」

「解ってますよぅ。昨日のはついうっかりしてたんですって」

「だから再確認してんだろうがよ。俺はちゃんと言ったからな? 流石にこれで即日発とかしやがったら叩きだすからな?」

いやぁ、正直既に出止にされててもおかしくない自覚はあるからね。

「はい、流石にもういい加減懲りてますよ。今日は普通に基礎訓練だけの予定ですしね。あ、でも【魔力作】の訓練でちょっとるかもしれません」

「まぁそれを外に放出しねぇなら問題ねぇよ。それじゃ、々頑張んな」

一応激勵してくれるあたりやっぱ良い人だな。

さて、それに応えて頑張りますかね。まずは座禪を組んで【魔力作】と【魔力知】のセットからだ。

魔法は威力を弱めて自分の手に當ててみようかな? 【MND強化】の経験値も溜まるかもしれないし。

まぁ怖いから最低レベルまで落としてから調整していくけど。

ジョージさんみたいに強力な回復魔法が使えるならまだいいけど、碌な魔法も無いうちから片腕吹っ飛んだりしたら灑落にならないもんね。

問題は【魔法】だよ。使えるのが【吸】しかないし、當然かもだけど自分には使えなかった。

って書いてあるけど植でも行けるかな? って思ったけど、ここの雑草はほぼ全滅してるしね。

まぁレベルが上がってもっと変な魔法増えられてもなんかコメントに困るし、無理に上げなくてもいいか。

一応草取りの時に覚えてたら試してみようかな。

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