《VRMMOで妖さん》64:自分に撃とう。
右手から発した魔法を左手でけ止め、それを吸い込みリサイクル。
撃てば撃つだけお腹が空くんだから、しでも節約していこう。
まぁ風魔法は飛び散っちゃうから上手く吸えないんだけど、それくらいは妥協だ。
手の平に當たった時にチクッと傷む位に調整して撃ち続けてるんだけど、普通の人がけたらどの位の威力があるんだろう?
試しに【水魔法】の【水矢(アクアアロー)】を至近距離から的に當ててみたら、殆ど威力の減衰も無く簡単に貫通してしまった。
むぅ、私はこんなものを自分の手に撃っているのか…… いや、気にしても仕方ないな。【MND強化】のレベルが上がればもっと酷い事になるんだろうし。
お腹が空いてきたのでお弁當を何個か食べて補給する。
あ、そういえば昨日【魔力武】が熱を通すのかどうかってのを確認しようとか考えてたな。思い出したし試してみよう。
地表に降りて【魔力武】で足のついた鍋を作って、【大洪水】で水を注ぐ。
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火はどうしよう。吹けばいいか。
鍋の下に向けてしばらく火を吹き続けてみた。さて、水は暖まったかな?
……駄目だな、常溫のままだ。というかそもそも鍋自はどれくらいの溫度に耐えられるんだ?
そっちも試してみよう。お鍋は消して、三十センチくらいの長さの棒を作って火を吹きかける。
なんの変化も無いのでしづつ強めていこう。
お、なんか先端がし減っていってる。全力の一歩手前まで耐えるとは、かなり頑丈なんだな。
それでも持ってる手は全然熱くないから、熱は全く伝えないじなのかな?
まぁ鍋やフライパンには出來ないって事は解ったしそれでいいか。訓練に戻ろう。
自分の手に向かって魔法を撃ち続ける。
そういえば【石弾】とかどう見ても理攻撃なんだけど、何故か耐えられるんだよね。
他の屬もそうなんだけど、威力が低ければ魔法で出したの影響をけない謎仕様だ。
自分よりも大きな巖を出してみたけど片手で簡単に振り回せるし、水の塊が落ちてきても押し流されない。
ただ、びしょびしょになって乾かすのが大変だった。
しかしその割にお風呂は溫かかったな。いまいちよく解らん。
ただ、【吸】で魔力を吸い取る時には気を付けないといけない。
大巖を持ったまま吸い取ったら、その瞬間に見た目通りの重量になってしまい危うく押し潰されるところだったよ。
これって逆に、威力を高めた小石を人に渡したら手を地面にい付けられてしまったりするんだろうか?
気にはなるけど、わざわざ試すほどの事でもないな。
さて、そろそろお晝だ。珠ちゃん達を回収しておばちゃんのお店に行こうかな。
うーん、【MND強化】のびが悪い。自分の攻撃だと駄目なのかな? 一応レベルは上がってるから無駄って事は無いだろうけど。
まぁいいか。珠ちゃん、太郎、お待たせ。って仲良く気持ちよさそうに寢てる。
とりあえず私も混ざるか。うむ、しあわせ。
このままお晝寢したくもあるけど、我慢してふたりを還して表に出る。
よし、それじゃポチとシルクを呼ぼう。おさんぽの時間だぞー。
やっぱりシルクと一緒だからか、いつもより見られるな。元々見られ過ぎだから誤差だけど。
「いらっしゃい、話は聞いてるよ。その子がシルクちゃんだね」
あー、もうこの一帯の屋臺に名前が通っちゃってるんだろうなぁ。
紹介の必要とか無くて楽ではあるんだけどさ。
シルクがおばちゃんに丁寧にお辭儀したので頭をでる。はい、よくできました。
「うん、よろしくね。で、今日は何にするんだい?」
どうしよっかな。シルクに選ばせてみようか。
あぁ、でもどれも食べた事が無いのかな? ってなんかリンゴ見てるな。じゃあリンゴにしてみよう。
いつものようにぺちぺち叩いて知らせる。
「はいよ、ちょっと待っててね」
リンゴの皮をむいて小さく切り、皿にのせて置いてくれる。
あれ、皮を短く切ってる?
「ほれ、これはワンちゃんの分」
あ、犬ってリンゴも食べられるんだっけか。
上げ過ぎは良くないだろうけどしなら大丈夫だよね。
そもそも召喚獣は食事で影響がでるのかって話からになるんだけどさ。
まぁそれはいいとしてリンゴが味しい。シルクも味しそうに食べてるな。
これにもをかけて食べていたら、じーっと見ていたのでシルクの分にもかけてあげた。
おぉ、幸せそうだな。
さて、リンゴは味しかった訳だが。
目の前には期待に満ちた目の人々が居る訳で。
今日は持ってるから良いけど、いつも販売するって思われても困るな。
ここはおばちゃんの店であって、私の店じゃないんだし。
あ、昨日の兎さんが居る。また頼もうかな。
「はいはーい、また中継かな?」
「すいません、お願いします。ではまず初めに、今日はたまたまを持っていますが、常にある訳ではないのでを買えるという前提で集まらないようにお願いします、と」
「これより配給を始める! 施しをするものは一列にってちょっと待ってちょっと待って。謝るから。それ仕舞って下さいマジでごめんなさい」
だから造するなと言ってるだろう。威嚇の為に手に乗せた魔力球モドキを吸い取って消しておく。
そもそもこんなところであんな危ないを出すつもりは無いから、ちょっと見た目をそれっぽくしただけの【魔力弾】だけどね。
「伝えてくれるっていうなら、ちゃんとお願いしますよ」
「ごめん、ふざけすぎたよ。うん。今日は持ってるから良いけど、いつも持ってる訳じゃないから期待して集まられると困るそうでーす」
「今日は大丈夫なので、しい人は一列に並んで順番にお願いします」
「今日は販売するから、しい人は並んで順番にどうぞ。値段は銅貨二枚、この店で買ったにしかかけません。だよね?」
「あ、はい。ありがとうございます」
「どういたしまして。という訳でまずは私の分、お願いします」
いや、いいんだけどなんかブーイングされてるぞ?
「マイク替わりのお仕事したんだから當然の権利でーす! ほらほら、早く並ばないと売り切れちゃうかもよー?」
開き直ったな。まぁ助かってるしこっちは何も文句は無いよ。
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