《VRMMOで妖さん》67:服を貰おう。

アリア様に勧められる服をけ取って試著室で著替え、表に出てクルッと回って見せる。

もう何著目か解らないけど、服の著替えって結構疲れるんだよね。

シルクはコレットさんに手伝って貰って著替えてるみたいだ。

々な服を著られるのが楽しいみたいだな。著替えるたびにわざわざ私の前に笑顔で見せに來る。

というかそろそろ切り上げないと、今日の分の草取りのお仕事に差し支えるな。

お仕事というか、むしろ大事なのは訓練で消費した結晶の補充だけど。

「すみません、そろそろ裏庭の草取りの仕事があるのでお暇したいのですが」

「おぉ、そうか。済まんな、長い事引き留めてしまった。詫びと言っては何だが、それぞれ気にった服があれば幾つか譲ろう。家まで屆けさせるので、持ち帰る手間は考えなくていいぞ」

むぅ、普通の服を手するチャンスか。可らしい服ばかりなのがちょっと気になるけどそこは仕方ない。

現実の私だと著られないようなデザインが大半なんだよね。お姉ちゃんはそんなこと無いって言ってくれるけど、自分が違和に耐えられなくて……

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まぁこちらでなら眼も抑えられてるし、ギリギリセーフだろうか。

「有難う座います。それでは言葉に甘えて…… これとこれをお願いします。シルクは気にったのはある?」

問われてふむーと考え込むシルク。ややあって二著……というか二セットを選び出し、今著ているの裾をクイクイと引っ張って見せる。それもって事かな。

っていけない、私も最後の奴を著たままだった。

うん、これもいいじだし一緒にお願いしてみようかな。

「シルクはこれらと今著ている服が良い様です。あと、私が今著ているも良いでしょうか?」

「なんだ、それだけか? もっと沢山選んで良いのだぞ?」

「いえ、これでも頂き過ぎな位ですので」

「ふむ、そうか。ではそれらは後で家まで屆けておく。今著ているはどうする? そのまま著て行くか?」

「はい、そうさせて頂きます」

ってそういえばシルクに服を著替えさせて送還したら服はどうなるんだ?

「すみません、し確認したい事が。シルク、ちょっと一旦戻ってもらうよ」

疑問符を浮かべるシルクを送還する。服がその場に殘って落ちたりはしなかったな。

橫に置いていた元の服はそのまま殘っている。

再度召喚すると先程の服をちゃんと著ていた。裝備は召喚獣と一緒にまとめて扱われるみたいだな。

とりあえずシルクの元の服は私のボックスに格納しておくか。

「あぁ、程。裝備を換えて呼び直すとどうなるかを見たかったのか」

「はい、大丈夫みたいですね。それでは失禮させて頂きます」

「うむ、またな」

さて、草取りに行くのはいいんだがシルクはどうしようかな。

むしってからだと吸える量が減りそうだから、手伝ってもらう事も無いんだよね。

ポチと一緒に遊んで待ってて貰おうかな?

などと考えつつ一階に降りると、ライサさんがこちらを見て一瞬固まり、ダッシュで駆け寄……ろうとしたところで唐突に出現したジョージさんに顔面を摑まれた。あー、痛そう。

「仕事しやがれバカタレが。っつーかその勢いでぶつかったらあいつ死ぬだろうが」

「もう落ち著きました。ちゃんと手前で止まるつもりでしたよ。痛いのでとっとと放してください」

「ったく。で、白雪はその子を預けるか考えてたのか?」

心でも読めるのかこの人は。

「あー、はい。でも託児所じゃあるまいし、いいのかなぁと」

「お前、毎日犬貓預けといて今更だろ。あとそこのバカは大歓迎ですって顔してないでさっさと付に戻れや」

「くっ、無念。……白雪様、とてもよくお似合いです」

褒めながら去っていった。

黙ってれば普通に綺麗な人なのになぁ。にも一人そんなじの人が居るけどさ。

「まぁアレは放っておくとして、騒いだり暴れたりしないなら構わないぞ。出來るな?」

ジョージさんが直接シルクに問いかけ、シルクがそれに対して頷く。私置いてけぼり。いや、別に良いんだけども。

それじゃ私が戻ってくるまで、ポチと仲良く遊んでてね。

さて、吸いまくる前に植に【吸】が使えるかどうか試してみるか。

いや、吸も吸う事には変わりない……どうでもいいな。うん。

とりあえず手近な雑草を摑んでーって待った待った。ここで使ったら警報がなっちゃうよ。

魔法】は登録してないんだった。というか流石にこれは多分通らないよね。

という訳で今回もお預けだな。試す機會が來るのが先か、他にスキルが増えて控えに落とされるのが先か。

気を取り直して【吸】で片っ端から吸いまくって、魔力結晶(お弁當)を量産していく。

そういえばこれ、ちょっとずつ進めて行ってるのはいいんだけど、処理し終わった所に何か対策しておかないとまた生えて來るんじゃないの?

後でその辺の事を聞いておこうかな。もうやってるかも知れないけど一応ね。

まぁ正直な事を言うなら無限ループでも一向に構わないんだけど。

ここは人の目が殆どないから安心していろいろ出來るしね。いろいろって言うか結晶の製だけど。

とはいえ仕事としてけている以上は、ちゃんと終わらせる努力をするべきだろう。

黙々と処理を続けていたらメッセージの屆く音が聞こえた。もうそんな時刻か。

返信でいつも通りに噴水広場で待ち合わせという事にして、付に戻って回収しよう。

さて、ふたりは何してるかな? ポチは大人しく寢てるけど、シルクはライサさんに捕まってるな。

いや、捕まってるというか本を読んで貰ってるっぽいけど。何読んでるんだろ?

「すいませーん、戻ってきましたー。大人しくしてましたか?」

「はい。ええと……すみません、この子のお名前を伺ってもよろしいですか?」

「あ、そういえば紹介してないですね。この子は召喚獣のシルクです」

「シルク様ですね。えぇ、とても良い子にしておりましたよ」

話しながらライサさんの手にある本の表紙に視線を落とす。

……いや、「はじめてのらち」って。うちの子に何教えてるんだよ、この人。

というか本當、なんなんだよこのシリーズは。誰だこんな本を役場に揃えてるのは。

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