《VRMMOで妖さん》78:助け船を出そう。
さて、それじゃ家に……
「えっ、あ、ちょっ、あぐっ!? 冗談っ、冗談だって! 妖さん、助けてー!!」
おお、アルゼンチンバックブリーカー。……いや、何やってるんだよ。
振り向けばそこには犬の人を仰向けに擔いで、顎とに手をかけたモニカさんが立っていた。
顎がかせないからちゃんと発音できてないけど、助けを求めてるのは聞き取れた。
「えーっと、何事ですか? 大想像は付きますけど」
「この方が何食わぬ顔で皆様に続けてっていこうとなされたので、反省して頂こうかと」
「いや、もしかしたら招待された人かもしれないじゃないですか……」
せめて確認くらいしようよ。
「白雪様にそのような素振りもございませんでしたし、何よりもこの方の仲間と思わしき方々が制止しておられましたので。もし招待された方であれば心からの謝罪をさせて頂きます」
あの、間違いだったら謝るとか言いながら、両手に力を込めて揺さぶりながらちょっとずつ下げていくのはやめてあげて?
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「まぁ確かに違うんですけど……」
「かはっ、たす……け…… 背っ、折れ……」
あ、やばい。手加減してなくないかこれ。地味にに指をかけて、気管にも攻撃してるし。
「ちょっ、モニカさんストップストップ! 死んじゃいますって! いやそのまま止まらずに手は放してあげて!?」
確かにストップとは言ったけどさ。解放してあげてって事だからね?
一旦こちらを向いて、両手を放しながら背筋をピンとばし背後に犬さんを放り捨てる。容赦ってものが全くないな……
「がっ…… はっ、はっ。あー、いってぇ…… はぁ、マジで死ぬかと思った……」
「はい。堂々と忠告を無視した貴方には、見せしめとして死をもって罪を贖って頂くつもりでございました。白雪様のお言葉が無ければ、今頃貴方は息をしていなかったでしょうね」
何この番熊。ちょっとバイオレンスすぎない?
犬さんと仲間の人達、ちょっとの気が引いてるよ。
っていうかいくら不法侵者だからって、殺害して良いものなの? 新大陸(ここ)の法律はどうなってるんだ。
いや、殺傷力のある武や魔法を皆が普通に持ってる世界なら、當然の事なのかもしれないのか?
殺らなきゃ殺られる、みたいな。日本人が平和ボケし過ぎなのかな?
まぁその辺は考えるだけ無駄か。実際モニカさんは殺そうとしてるんだし、法的に大丈夫なんだろう。
「えー、あの、モニカさん? 何もそこまでしなくても……」
「私は職員の中では比較的穏便に済ませる方ですよ? 今のがコレットさんでしたら、足を踏みれた次の瞬間にはこの方の頭部が宙に飛んでいるでしょうし」
「流石にそれは極端な例なんじゃ?」
「いえ、先程の狀況でしたら職員の半數以上が警告することなく即座に殺害致します。そして殘りの職員はまず警告し、それから殺害致します」
なにその公務員こわい。兇悪犯を収容してる監獄か何かかと。町をパトロールしてる衛兵さんの方が優しいんじゃないか?
っていうかモニカさん、さっき警告する前に擔いでたよね。
「という訳で見ての通り、侵者に容赦は致しませんのでおかしな気を起こされぬよう」
ただでさえ今日は引かれ気味なのに、更に引かれちゃったよ。
どうするんだこの雰囲気。……うん、奧に逃げよう。
寢て起きればなんとかなってると思おう。というかなっててくれ。
「びっくりしたー。モニカさんってパワフルなんだねぇ」
「私、これでも熊族の端くれでございますので。あの程度であれば軽いものです」
お、唐突な出來事に呆気に取られていた三人が再起したようだ。
「とりあえず、まずは奧に行こうよ。流石に視線が痛いからさ」
「そうですね。それにもう良い時間ですし」
「あぁ。白雪、済まないけど先導を頼むよ」
了解して足元を照らしながら進む。中央部は照明が無くて、自分で用意しないといけないようだ。
まぁ私は必要ないし、今日みたいな事がなければ、お姉ちゃん達も夜は行してないから問題ないけどね。
「ところでモニカさん、何で私達が帰ってくるタイミングでちょうどあそこに?」
「【魔力知】がありますので。白雪様は普段からとても濃い魔力をお持ちですが、輝いておられる時は遠くからでもはっきりと判りますよ」
あぁなるほど、垂れ流しの魔力が遠くから見えてたのか。
さて、家に著いたけどシルクは中に居るのかな?
とりあえずまずはポチ、ただいまー!
伏せたポチの皮に飛び込んで堪能していると家のドアが開き、出て來たシルクが頭を下げる。
おかえりなさいって事かな。うん、ただいまー。
モニカさんは挨拶してから帰っていった。明かりは持ってないけど、多分夜目も利くんだろうな。
「よし、それじゃ私は一旦ログアウトしてくるよ」
「私もですね。それでは、また後程」
二人ともさっさと落ちて行った。まぁ予定より大分長く居ちゃったしね。
黙々とポチを可がっていたお姉ちゃんがこちらに問いかけてくる。
「私も落ちるけど、雪ちゃんはどうするの?」
「私はこのままゲームで睡眠を取ってみることにするよ。たしか現実の方のも寢てる狀態みたいなじになるんだよね?」
「うん、便利だよねぇ。睡眠導と目覚ましの代わりに買うには高い機械だけど。それにこのゲームだと目覚ましもないし……ってあぁ、雪ちゃんはシルクちゃんに起こして貰えばいいのか」
「あれ、時計は有るのにアラーム機能は無いの?」
「無いんだよねー。ほんと、妙な所が不親切なシステムだよ。まぁとりあえず、私も一旦落ちるね。おやすみ」
「おやすみー」
寢るのは私だけだけどね。それにその前にお風呂もらなきゃ。
布を置いた部屋からバスタオルを一枚確保し、ボックスに放り込む。
いくら蓋をしてたといっても流石に冷めてるし、溫める所からだなぁ。
まぁカップに魔力を流せば割とすぐに溫まるんだけどね。
お風呂にって置いておいた蓋を消し、取っ手の赤い印にれて魔力を……って、なんだ!?
唐突にお風呂のドアが開いて何事かと思ったら、湯あみ著のようなを著たシルクがし恥ずかしそうな顔をして、小さなタオルを持ってってきた。
そんな服も材料にする布も見た覚えが無いぞ……モニカさんの仕業か?
ていうかそのタオルは何だ。お背中お流ししますって事か? 恥ずかしいならやるなよ。
いや、一人でるから。帰った帰った。「そんなぁ!?」って顔してもダメです。
あ、でもその前にそこのスプーンでお湯を混ぜてくれる? よし、丁度いい溫度になった。ありがとね。
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完結!!『一言あらすじ』王子に処刑された聖女は気づいたら霊魂になっていたので、聖女の力も使って進化しながら死霊生活を満喫します!まずは人型になって喋りたい。 『ちゃんとしたあらすじ』 「聖女を詐稱し王子を誑かした偽聖女を死刑に処する!!」 元孤児でありながら聖女として王宮で暮らす主人公を疎ましく思った、王子とその愛人の子爵令嬢。 彼らは聖女の立場を奪い、罪をでっち上げて主人公を処刑してしまった。 聖女の結界がなくなり、魔物の侵攻を防ぐ術を失うとは知らずに……。 一方、処刑された聖女は、気が付いたら薄暗い洞窟にいた。 しかし、身體の感覚がない。そう、彼女は淡く光る半透明の球體――ヒトダマになっていた! 魔物の一種であり、霊魂だけの存在になった彼女は、持ち前の能天気さで生き抜いていく。 魔物はレベルを上げ進化條件を満たすと違う種族に進化することができる。 「とりあえず人型になって喋れるようになりたい!」 聖女は生まれ育った孤児院に戻るため、人型を目指すことを決意。 このままでは國が魔物に滅ぼされてしまう。王子や貴族はどうでもいいけど、家族は助けたい。 自分を処刑した王子には報いを、孤児院の家族には救いを與えるため、死霊となった聖女は舞い戻る! 一二三書房サーガフォレストより一、二巻。 コミックは一巻が発売中!
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