《VRMMOで妖さん》81:服を著よう。

……んー、なんだ? 窓の方から板を叩くような音が……

誰か來たのかなぁ? あれ、カーテンなんかあったっけ。昨日のうちに付けたのかな?

ふあぁー。ぬー、まだねむいぞ。誰だー?

「おはようございます、白雪さん。あ、すみません。まだお休みで……」

レティさんだったか。ログインしたけどまだ他に誰も居なくて、とりあえずこっちに聲をかけてみたのかな?

しかし突然言葉を切って橫を見てるけど、レティさんにしては珍しい態度だな。なんか恥ずかしそう。

まぁとりあえず挨拶だ。

「おふぁよーごあいますー。あの、ろうかしたんれすか?」

寢起きとは言え、ぜんっぜん舌が回ってないぞ。児か。

「ええと、いえ、その…… とりあえず服を著るか、せめて何かで前を隠された方が……」

えっ。

「だぁぁーーっ!? すいません忘れて下さい見なかった事にぃーっ!!」

すぐさまカーテンをひっつかみ、一気に閉じる。一発で目が覚めたよ!

寢てる間にはだけてたみたいで、全開で堂々と挨拶してたぁぁ……

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完璧に癡じゃないか…… 流石にそのまま見えてたりはないだろうけど、いくら何でもこれは酷いぞ。

布団に飛び込み頭まで潛って丸まっていると、ドアから控えめなノックの音が響く。

騒いでるのが聞こえたのかな。

「……うー、って」

布団から頭だけを出して室の許可を出した。

ドアが開き、お盆を持ったシルクがってくる。あのお盆は何だ? この角度じゃ何が乗ってるか見えないな。

お盆を機に置き、団子になっている私から布団を奪い取る。出たくないんですけど……

下向きに丸まっている私を両手で摑み、くるっと回して仰向けに抱いて私の頭をに押し付ける。

え、何? 心音を聞かせて落ちつかせるとか、そういう奴? 私は赤ん坊かと。

っていうかシルク、心音ないんだけど…… やっぱり幽霊なのか?

いや、それじゃこれ意味ないじゃないか。そういう意図なのか知らないけどさ。

あー、心の中でツッコんでたらし落ち著けた。

頭に添えられている手をポンポンと叩いて合図する。もう大丈夫だよ。ありがとね。

……ん、あれ? そもそもになってるのってシルクが服を持っていったからなんじゃ……?

むぅ、なんか釈然としないけどまぁいいか。

抱きかかられたままで姿見の前まで連れていかれ、正面に置かれる。

おおぅ、急に両脇に手を突っ込むなよ。ん、浮けばいいの?

ちょっと、待って待って。早業でガウンをがして持っていかないで。

ってか気にしてなかったけどそのガウン、背中側が大きく開いたデザインだったんだな。

あぁ、翅が有るから當然というか仕方ないのか。

でもそれ、ガウンとしてどうなんだ? ……まぁいいや。気にしても無駄だ。そもそも今まで気にならなかったって事は、問題は無いって事だな。うん。

あ、お盆に乗ってたのは私の服だったんだな。

シルクはガウンをお盆に置き、代わりに妖の服を持って來る。

はいありがとー、って…… うん、ですよね。自分の手で著るなんてことが許される訳がありませんよね。

ふぅ、これでやっと落ち著いた。ってシルク、どうしたの?

ん、それ私のクローゼット…… なるほどね。今日の服もチョイスしてくれる訳か。

まぁ私は合わせるセンスなんて無いから、有難くはあるな。そのせいで普段著はシンプルなしか持ってないし。

そうじゃないのは、見かねたお姉ちゃんがたまに選んでくれるくらいだし。

問題はシルクのセンスだけど、大丈夫かな?

私のセンスを引き継いでなければいいけど……

気味の心配している間に、素早く上に著せられていた。お、悪くないっぽいな。

鏡を見ながら回ってみるが、特に問題もなさそうだ。

よしよし、良い仕事だ。ありがとうね。でてあげよう。

でられたシルクは無邪気なじの良い笑顔になった。

そうそう、こんなじでいいんだよ。私の方がえらいのだ。

さて、いい加減顔を出すか。待たせっぱなしだしね。

「いやー、すみませんでした。改めておはようございます」

「おはようございます。流石に驚きました」

「いやぁ、ははは…… 完全に寢ぼけてましたよ……」

「いえ、むしろ問題は一枚しか著ていなかった事では?」

「妖の服を何故かシルクに回収された上に、下著はまだ用意してないと言われて……」

「何故でしょうね? しかし、よく素直に従いましたね」

「問答の末に家の中では好きにお世話させるという話になってしまいまして。そのままグイグイと押し切られましたよ」

「白雪さんはお優しいですね」

「斷ってたら泣きそうになっていくんですもん……」

「確かに子供を泣かせるのは、あまりやりたくはありませんねぇ」

「これが大人だったり男の子だったりしたら、お風呂から追い出しておしまいだったんですけどね」

「えっ? お風呂ですか?」

「えぇ。お風呂にる準備をしていたら、突然タオルを持って突してきました」

「そして々あって、最終的に背中を流されることになったと」

「まぁ大そういう事です。で、その流れで家の中ではお世話していいよと。代わりに外では勘弁してくれって言っておきましたが」

「あぁ、昨日みたいにならない様にですか?」

「流石に人前で抱っこされるのは恥ずかしいですから」

「見る側としては微笑ましくて素敵なのですけどね」

やる側は恥ずかしいんだから、勘弁してくださいよ。お、アヤメさんもログインしてきたな。

「やっ、おはよ。お、今日の服も可いじゃないか」

「おはよー。私は服のセンスが無いんで、シルクに選んでもらったよ」

「へぇ。で、そのシルクは? 家の中か?」

「だね。々やる事が出來て張り切ってるんじゃないかな」

あ、そういえばどれくらい炒れたか確認してないな。する暇も無かったけどさ。

まぁ時間が有る時でいっか。

お姉ちゃんもログインしてきた。皆揃ったし、屋臺に……行くにもまだし早いな。

時間つぶしにお茶でも出そうかな? ってモニカさんに借りないと道が無いんだった。

「おはよう。私が最後みたいだね」

「おはよ。そういえば白雪、シルクのお世話したいって求は大丈夫だったのか? あの後風呂にったりしたんだろ?」

う、妙な勘の良さを発揮してくるな……

隠そうとしてもレティさんには既に言っちゃってるし、教えるしかないかー。

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