《VRMMOで妖さん》83:弾かれた。
よし、お願いのメッセージも送ったし戻るとしよう。
とりあえず戻ったらアヤメさんに謝っておこう。あの位置じゃ下手したら顔にまで私が飛び散ってるかもしれないし、服も汚れちゃっただろうからなー。
しかし、あの膨れ方はどうなってたんだ?
おへそを押さえてみたり脇腹をつまんでみたりしても、至って普通のだし。
ぐにーっと引っ張ってみたけど、ただ痛いだけだ。
どう考えてもあんなにはびないだろうとは思うけど、これもそういう仕様なんだろうな。
考えるだけ無駄なやつだ。
あれ、こんなとこに四人組が居る。どうしたんだろう?
熊さんが何かやらかしたんだろうか。一人だけ正座させられてるし。あれ、なんか泣いてる?
でもの問題かもしれないし、どっちにしろ私が口を出す事じゃないだろうな。
気にせず帰るとしよう。ってしまった、熊さんと目が合っちゃったよ。
うぅ、そんな助けを求めるような目で見られても困るんだけど……
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仕方ない、一応近づいてみようか。
「おい、ちゃんとこっち見て話を聞かないか。ん? あぁ、妖さんか。おはよう」
「おはようございます。何かトラブルでもあったんですか? 私に聞かせられない話ならいいですけど」
「あー、それがねぇ…… 昨日こいつ、食べられるのが良いとか言ってたじゃない?」
「言ってましたね。え、まさか……」
「そのまさかだよ。あの後皆で訓練してたんだけど、解散した後に一人だけログアウトせず黙って外に出て行ったらしいんだよ」
「なんか森に居るおっきなクモが、捕らえた獲を溶かして食べるとかいう話を聞きつけたみたいでね。我慢できずに突撃しちゃったみたい」
うわぁ…… 本當にやったのか。しかも即日。
っていうかよく夜に一人で目的の場所までたどり著けたな。
「すっごい痛(いだ)がっだし、気持(きぼ)ぢ悪がっだぁ……」
そらそうだ。まぁとりあえず泣き止みなさいな。ちゃんと発音できてないから。
「で、またデスペナ増やしちゃって怒られてるってじですか?」
「いや、それは良いんだよ。固定パーティーを組んでるって言っても、人のプレイを制限する権利なんか無いんだし。そりゃ當然、周りの事を考えてくれた方が嬉しいけどね」
「正座させられている理由だったら、『やる前から解るだろうが。しは考えて行しろ、このバカたれが』という説教だな」
おじさんが察して答えてくれる。まぁ普通は食べられるのなんて痛いだけだよねぇ。
でもそれ、他の人を巻き込んでないなら結局同じ事なんじゃ?
むしろ四人で居る時にやられるより被害はマシかもしれない。まぁ私が口を出す事でもないか。
「まぁ何にしろ、自業自得ですね……」
「でしょ? てな訳で、こっちの問題は自分たちで解決するから心配は要らないよ」
「私も原因の一つな気もしますけど、そう言って貰えるなら失禮しますね。家にお姉ちゃん達を待たせてるので」
「引き留めちゃってごめんね。さて、こっちも反省してるみたいだし。そろそろいいかな?」
お、許されたか。デスペナ回収がんばれよー。
ちょっと寄り道しちゃったけど到著だ。
あー、これ多分ぶっかけちゃってるな…… アヤメさんが庭の機に突っ伏してる。
「た、ただいまー…… えーっと。アヤメさん、ごめん。大丈夫?」
「あぁ、おかえり…… うん、大丈夫だよ、大丈夫」
正面に回って服を見てみる。うん、汚れてないな。
「あ、服だったら大丈夫だよ。死が消えるのと一緒に、も消えてくれたからね」
よかったよかった。それにしてもなんかよそよそしいというか、し離れようとしてないか?
「アヤメさん、どうしたの? なんかじが違うけど」
「えっとね。さっきけ止めた時に、雪ちゃんの一部が口に飛び込んで反的に飲み込んじゃったみたいなの」
うわ、そりゃきっつい。本當申し訳ない事盡くしだなぁ。
「あー、なんかごめんね」
「いや、白雪が悪い訳じゃない…… 自己嫌悪に陥ってるだけだから、気にしなくていいよ」
「え?」
「何でもないよ。とりあえず、使わない方が良い魔法みたいだな」
なんかはぐらかされた。気になるんだけど…… まぁいいか。
使わない方が良いっていうか、まともに使えないっていうか。
「まぁ気を取り直して、持ってたスキルの魔法は何か増えた?」
そういえば詳細はずっと見てないな。何か出てるかな?
んー、【妖魔法】と【純魔法】か。
──────────────────────────────
【姫蛍(フェアリーライト)】 基本消費MP:発時100 持続1秒につき1
使用者のの一部、または全てからを放つ。
MPの追加消費により量やなどの調整が可能。
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なんで微妙にマイナーな種類の蛍なんだろう。
しかしこれ、使わなくても自力でれるのが解ってるから意味が無いな。
なにか特殊な使い方とかあるのかな? まぁ次だ次。
──────────────────────────────
【魔力障壁(マナシールド)】 消費MP:軽減するHPダメージに比例
にけるダメージを、MPを消費することで軽減する。
最大値の7割のMPを消費することができ、MPが3割を下回った場合自的に解除される。
スキルのレベルが上がる事により以下の効果が現れる。
・HPダメージ軽減割合の上昇
・MP消費倍率の軽減
──────────────────────────────
おー! こういうのがしかったんだよ、こういうの!
MPが三割以上ある時はMPでけられるんでしょ? これでしは耐えられるかも。
でも耐えられても凄いお腹減りそうだなぁ。
「見てみたら二つ増えてた。片方はなんか良さそうだよ」
「おー、防魔法かぁ。雪ちゃんの時代來ちゃった?」
「しかし、これも効果が出ない可能があるのでは?」
あ、そうか…… 強化魔法と同じで無効化するかもしれないな。
試してみれば解るか。発だけなら何も消費しないみたいだしね。
よし、発してみたけど…… 何も変わったじがしないな。
おっ、効果はちゃんと出るみたいだ。自分にビンタしてみたけど全然痛くない。
「ゆ、雪ちゃん? いきなりどうしたの?」
「あ、ごめん。ちょっと発して試してみてた。これはちゃんと効果あるみたいだよー。よーし、ちょっとデコピンしてみてよ!」
「えっ、流石に無理なんじゃない……? 無茶しない方がいいよ」
「大丈夫大丈夫! ほらほら、ピンッと」
「うぅ、どうなっても知らないよ……?」
お姉ちゃんがおずおずと、握った右手を近づけて來る。
人差し指をし浮かせ、親指で押さえ付けて構えつつ確認してきた。
「雪ちゃん、ほんとに良いんだね? やっぱりやめない?」
「いいからやってみよう。それにダメならダメで、それが判るからオッケーって事で」
「うー、仕方ないなぁ。それじゃゼロで行くよ? さーん、にー」
カウントダウンれるのか。焦らされた方がちょっと怖くなる気がするんだけど。
「いーち」
あ、そういえば反対側にアヤメさんが
「ゼ
むぅ、【魔力障壁】あってもダメかー……
まぁ確かにHPダメージが基準じゃちょっとくらい減っても無駄か。
っていうかさっきの配置だと、またアヤメさんに飛び散った可能があるんだけど……
うっかりしてたなぁ。とりあえずさっさと戻るとしよう。
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