《VRMMOで妖さん》90:安心させよう。

むぅ、これはマズい。

これ逆に、怖がられ過ぎていう事を聞いてくれない狀態まで行ってないか?

いや、多分指示は聞いてくれるな。罰を恐れてっていう理由でだけど。

要らない事をして私の不興を買う事を恐れるあまりに、指示した事しかやってくれないかもしれないが。

「シ、シルク。大丈夫だよ。何もしないから」

プルプルしているシルクに近寄り、後頭部に手を置く。

でようとしたのだが、れた瞬間に全直させてビクッと固まってしまった。

い、一応なでなでしておこう。

「ほら、叩いたりしないよ。怒ってないよ」

直は解けたけど、まだ震えてるな。

どうしたものか…… まぁ元通り優しくして、しずつでも慣れてもらうしかないか。

「レティさん、ありがとうございました。シルク、ご飯食べよ? まだ殘ってるから」

中斷してお仕置きを始めた私が言うのはどうかと思うけど、食事中だったしな。

こわごわと振り向いて、私と目が合いそうになった瞬間にサッと視線を下げるシルク。

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むぅ、睨んでないよう。

「ほら、シルクちゃん。もう白雪も怒ってないから。大丈夫だよ」

レティさんの手から離れ、臺に戻って座り直したシルクにアヤメさんが聲をかける。

別に最初から怒ってた訳ではないんだけど、変な事を言ったらもっと怖がられそうだから黙っておこう。

「そうそう。私は約束を破った事を叱っただけだから、怒ってないよ。シルクは良い子だから、もう大丈夫だよね?」

私の顔から微妙に視線を外したままだけど、首を縦に振る。

でもこれ、「破ったらまたやるからな」って言ってる様なか?

「それ、また破ったらんむっ!?」

要らない事を言おうとしたお姉ちゃんをレティさんが黙らせる。

あーもう、気づいちゃった顔してるじゃないか!

「いや大丈夫、大丈夫だよ。さっきのは叱っても聞かなかったからだから。次からはちゃんと聞いてくれるでしょ?」

さっきだって、言ってるのに捕まえようとしたり逃げようとしたりしたからああなったんだし。

いや、魔力を纏わせて近づいた時って逃げるしか無くなってたか……

私の叱り方もかなりマズかったな。留まってたら死ぬって思ったから逃げたんだろうしなぁ。

とりあえず、私も自分の分を食べなきゃな。

んー…… まだ怖がらせるだけだろうけど、近づいてみるか。

でも流石に上に乗るのは止めておこう。固まってかなくなりそうだし。

っていうか殘ってるの私達だけか。皆は最初の方を見しながら食べきってたっぽい。

冷めちゃってるけど、さっさと食べてしまおう。

あ、そういえば押し固めたのも食べないとな。とりあえず箱を吸って、と。

おぉ、けっこう固いな。ビーフジャーキーくらい、いや魚だし例えるなら鮭とばか?

どうでもいいな。

くそぅ、やれば出來る所を見せつけたというのに、私が食べる姿を見てほっこりした視線には何も変わりが無いぞ。

まぁいいか。今更マスコット枠から外れようもないし、それで恩恵をけてもいるんだしな。

いっそ開き直るしかないか。

いや、流石にあざとく私可いでしょ? って路線には行かないし行けないけど。

むしろそういう態度になったら見放されそうな気がするし。自然が一番だろう。

ふー、食べた食べた。さて、手を……っておや?

手洗い用の水のった小鉢が私の前に差し出されたぞ。

怯えながらも大丈夫そうなお世話は忘れないのか。意外と強い子だな。

ありがとう、と聲に出して禮を言って手を洗う。

【灼熱旋風】で乾かそうと思ったら、白い布が差し出された。あ、これで拭けって?

再度禮を言い、手を拭いて返す。うんうん、こういうお世話なら恥ずかしくもないし嬉しい。

良い子だね、とでようと近づいたらやっぱりビクッとされた。むぅ。

「ほらほら、大丈夫だってば。よしよし、ありがとねー」

怯えられたけど引き下がらずにでまわす。

ついでに【妖吐息】もかけておいた。げんきになれー。

叱った直後にあんまり甘やかすのもどうなのかとは思うけど、流石にあそこまで舐められる事はもう無いだろうし大丈夫だろう。

ちゃんと叱れる力が有るって解ってくれていれば良いのだ。

「さて、それじゃ準備しようか」

「そういえばさ、アヤメちゃんって【鍛冶】と【裁】やるって言ってなかったっけ? 自分の裝備の修繕が出來る様にって」

「あぁ、そういえばそうだったな」

「だから、ここは【料理】をやる私の出番でしょう」

「ミヤコ、あんた手伝ってちょっと多めに分けてもらおうとか考えてるだろ?」

「そんなことないよー?」

「それなら骨に視線逸らすべきじゃないと思うよ、お姉ちゃん……」

そうですって言ってる様なじゃないか。

「アヤメさんが【鍛冶】に【裁】で、お姉ちゃんが【料理】か。それじゃレティさんは?」

「私は【細工】や【調薬】などですね。しかし【細工】の工房はれないと聞きましたので、まずは【調薬】からでしょうか」

後頭部にシルクをはりつけたレティさんが答える。

癒してあげて懐かれたのか? アヤメさんがちょっと悔しそうだな。

「あぁ、それ作業場で騒いで追い出された人達が言ってるだけだよ。真面目にやる人ならちゃんと教えて貰えるから大丈夫」

私だけじゃなくて羊さんも居たんだしね。

「そういえば雪ちゃんは行った事あるんだっけ?」

「うん。毎日お晝過ぎに行って教えてもらってるよ。良かったら紹介しようか?」

「はい。それではお願いします」

レティさんなら騒いだりしないって思えるから、安心して紹介出來る。

お姉ちゃんは…… まぁ、テンションが上がり過ぎなければ……?

「そんじゃ私も鍛冶場を尋ねるとするかな。ミヤコは一人で買いそろえるか?」

「んもー、またそんなイジワル言うんだから。私も一応付いて行くよぅ」

まぁ確かに、これからすぐに家できな作りを始めるなら工房に行っても仕方ないだろうけどね。

それじゃ、行くとしますかー。

……シルクが私と行くのを怖がって、レティさんの所に殘るとか言い出したらどうしよ。

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