《VRMMOで妖さん》95:説得しよう。
とりあえずびしょ濡れで重いし、服をがなきゃ。
あれ? これどうやってぐんだ? 背中側がどうなってるのかよく解んないぞ。
ごそごそやってみたけど、翅がひっかかってしまう。
「シルク、これぎ方わかんないからがせてくれないかな?」
カップに水を溜めていたシルクに聲をかけると、しビクッとしてこっちを向いた。
んー、あの顔は「お世話していいの……?」と「でもやっぱりこわい……」が合わさったじだな。
「お願い。濡れた服のままでいるのも地味につらいんだよー」
更に押してみたら躊躇しつつこわごわと近づいて來て、し震える手でがし始めた。
昨日みたいにパッと行かないのは濡れててがし辛いからなのか、単に服の仕組みの違いか。
いや、私の機嫌を損ねない様に慎重にやっているだけだろうか?
まぁとにかくになったので、再度お湯で流してしまうとしよう。
あれ、シルクはどこ行った? あぁ、服を置きに行くのか。
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「シルク、それ表に置いたらタオル持って戻ってきてねー」
む、ちょっとピクッとした。呼ばれるまで離れて待機してるつもりだったな?
そうはいかんよ。近づきたくない程に怖いんだろうけど、嫌でも近づいてもらう。
自分勝手にも程があるって思うだろうけど、慣れてしいんだ。
怯えられてる理由が完全に私の自業自得だから、余計に酷い話なんだけどさ。
というわけで、家に居る間は甘えまくってお世話させまくって、っても大丈夫な生きだって思わせるのだ。
なんか私の中の大事なが崩れ去りそうな気がするけど。
実際の所、人に見られたら恥ずかしいって事以外には問題が無いんだよね。
逆に楽すぎたり気持ち良すぎたりっていう問題はあるけどさ。
この年になって、なでなでで寢かされるなんてなぁ……
しばらくは辛い思いをさせると思うけど、我慢してもらおう。
なに、直後に水やタオルを差し出したりしてたくらいだ。恐怖で壊れてしまうほど弱くはないだろうさ。
……考え方が酷いなぁ、我ながら。
あ、戻ってきた。
服は置いてくるかと思ったら、タライにれてきたな。っていうかそんなの有ったのか。
「それじゃ、洗ってちょうだい?」
軽くシャワーでを流し、後ろを向いてお願いする。
手をし前に出す以外は力して、持ちやすいであろう姿勢になっておく。
「……シルクー?」
待ってても中々摑まれないので、呼びかけてみたらそーっと手が差し込まれた。
さっきと同じように躊躇してたのかな。
うーむ、すごい慎重な手つきでやってるな。やっぱりさっきのがす時のも怒らせない様にだったんだろうなぁ。
いっそ何か大失敗してくれれば、それを優しく許してあげるっていう手が使えるんだけどな。
基本的にお世話に関しては非の打ちどころがないんだよなぁ。やりすぎって事以外。
……と思った途端に慎重さが裏目に出る事態が発生した訳だけど。
簡単に言うとれ方が弱々しすぎて、すごいくすぐったい。
「シ、シルク、くすぐったいよ……!」
おおう…… 言われると同時にバッと離れて、泣きそうな顔で頭を下げてプルプルしてる……
これ罪悪が凄いわぁ……
「い、いや怒ってはいないよ。大丈夫大丈夫。優しすぎてくすぐったいから、もうちょっと力をれてくれると嬉しいなって言いたくてね?」
うぅ、そんな「ほんとに……?」みたいな顔しないでくれ……
「ほらほら、このままじゃ私冷えちゃうよ。お姉ちゃん達も待たせちゃってるしさ」
更に押してみたらやっと近づいてきた。口実みたいに言ったけど、待たせてるのは事実だ。
まぁ何かあればメッセージを送るだろうし、時間がしかかるのは向こうも解ってるだろう。
早くしろって言ったようなだったからだろうか、しペースが上がったおかげで早めに終わる。
全をくまなくこしこしされて、髪のも用に洗ってくれた。
やっぱりおどおどしてても手際はいいんだよなぁ。
ざばーっと頭からシャワーをかぶって、カップへ……って溫めてなかった。
「シルク、まぜてー。……うん、おっけー。ありがとね」
溫める印に魔力を流しながらお願いする。
私にれろって指示じゃないからか、すぐにやってくれたな。
「とりあえず妖の服を優先して洗っておいてくれるかな? 乾かすのは私がやるからさ。上は部屋で新しく選べばいいけど、流石に下著が無いのは無理だからね」
タライを持ってきたって事はここで洗うんだろうと判斷して、指示を出しておく。
まぁ改めて洗う必要があるのかって話はあるけど。粘り気がすごかったとはいえ実質はただの水だし、それも洗い流したしね。
まぁ気分の問題だろう。
洗濯をしているシルクの方を向き、カップのふちに両腕を組んであごを乗せ話しかける。
「シルク、洗いながら聞いてほしいんだけどさー」
あ、手が止まった。
「いや、洗いながらでいいよー。それ無いと私出られないしねー。で、もう私を嫌いになっちゃってるかもしれないけど、一応聞いておいてしいんだよ」
嫌いに、の所で首を振ってくれるのは嬉しいんだけど、怖くて首振ってるんじゃないかって思っちゃうよなぁ。
いや、そんな考えじゃ駄目だな。ポジティブに行こう。
「まずは最初に、あの時はやり過ぎちゃって本當にごめんね? 私はただ、何も出來ない弱いご主人じゃないんだぞって教えたかっただけなんだよ」
うん、本心ではあるけど自分で言ってて無理がある。
まぁ力関係は解らせる事が出來たから、そこだけ見れば功なんだけどさ。
これからどれだけ甘やかしても、本気で舐められることはなくなっただろうしね。
「次に、実力行使に出たのは約束を破ったのと、私がそれを注意したのを無視したからだよ。お外じゃやめてって約束したよね?」
シルクがブンブン頷く。
「いや、そんな激しく頷かなくても大丈夫。で、逆に言うと私はシルクにお家の中でなら好きにお世話させてあげるって約束もした訳だよね?」
今度は慎重に頷く。
まぁこれ、セットになってる約束が破られてるから反故になってるも同然なんだけど言わないでおこう。
「だからシルクは家の中だったら、私がやめてよーとか言っても遠慮なくお世話してくれていいんだよ」
うん、好きにしていいって事は極端な話、「しなくてもいい」とも言えるんだけどね。
匙加減も完全に投げてるし。実際、怖い相手にわざわざ近寄って世話したくなんてないだろう。
まぁそれは困るからして貰うけどさ。
「ほんとに良いの……? 怒らない……?」みたいな顔してるので、念を押しておこう。
「ほら、約束を破った事であんなお仕置きしたんだからさ。あれだけの事をやっておいて、私が約束を破る訳にはいかないでしょ?」
正確には指示を無視した事だけどな。
怖がってる事には変わりないけど、ほんのしだけ表がほぐれた。うん、本當にしだけど。
「それにね。さっきの通り、私は一人じゃ服もげない『ごしゅじんさま』だよ? お世話して貰わなきゃ困っちゃうよー」
冗談めかして甘える様な事言ってみたけど、実際ぎ方解らなかったからな……
執務室で著せ替え人形やった時には、あんなタイプ無かったぞ。
まぁ、流石に自分で著てたら解っただろうけどさ。
うん、もういっそ開き直って表でもお世話を許そうかな。
恥ずかしさを我慢してそういうかわいらしい姿を見せつければ、相手がPCでもNPCでもきっと良い事はあるだろう。
っていうかお晝のの売り上げとか、そういう好度の高さがかなり影響してるだろうし。
拒否したらやめてって言っておけば、ちゃんと聞くだろうしね。
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