嬉しそうに戻っていくライサさんを見送り、訓練を始める。

とりあえず、まずは【魔力作】からだよね。

「それじゃ【魔力作】の練習から始めようか。の魔力って言われてもよく解らないだろうから、まずは【吸】で流れ込んでくるのをじ取ってみよう」

「はい。しかし、何から吸えば？」

「んーっと……　あぁ、あるある。花壇に雑草が混ざってるから、あれから吸っちゃおう。手れにもなるから、最後まで吸い取って枯らしちゃって良いよ」

「あぁ、そういえば芝生から吸っていらっしゃいましたわね」

「うん。あ、口で吸った時だけは味があるから、手で吸った方がいいと思う。大抵苦いからね」

「解りましたわ。うぅっ、本當ですわね……」

「なんで解ったって言いながら試すかな……　手で吸った時、そこからに向かって流れ込んでくるのが気で、それがの中で自分の魔力に変換されるんだ」

たぶん。

「最初はってきて消えていく様にじると思うけど、自分に溶け込むから解り辛いだけだね」

「つまり、それをきちんと把握できる様になれば良いということですわね」

「そそ。多分それが出來るようになった時點で【魔力知】が習得できてると思う。私の時は全部終わってから見たから、はっきりとは言えないけどね」

「はい。それでは頑張ってみますわ」

そうだ。時間かかると思うし、やっぱりポチは預けておこうかな。

「ごめん、付でポチを預けて來るから続けてて。すぐ戻って來るから」

「はい。……難しいですわ」

付の橫を通り抜け、表に待機してるポチの元へ。

姿勢はダラダラせずに伏せて待ってるけど、あれは完全に気を抜いてるな。

「おーい、ポチー」

ハッとして顔だけこちらへ向ける。

いや、そんな「違いますよサボってないですよ私」みたいな空気を出されても。

「おいで、中で皆に可がってもらおう」

とは言っても、付のスペースだとあんまり遊ぶことも出來ないだろうな。

まぁのんびりしててもらおう。おやつとか貰えるといいね。

付に預けて中庭へ戻る。カトリーヌさんは苦戦してるっぽいな。

とりあえず手が空いたので、私は私ででも集め……　あ。

そういえば、【魔力武】で作った容にれたがボックスにあった筈なんだけど……

あれ、多分容だけ消えてるよね。どうしよっかな。

まぁいいや。取り出そうとしたら手がべたべたになるだろうし、お風呂の時にお湯にれちゃおう。

それなら改めて手を洗う必要もないしね。

気を取り直して【施】と【採取】で集め始める。

売ったり使ったりする為に、いくつかストックしておきたいしね。

百個ほど集めたけど、カトリーヌさんは集中して吸っては移してを繰り返し続けてるな。

ふーむ、何か手助け出來ないかな？

「カトリーヌさん、試しに私が魔力流してみようか？　同じ【妖】なら大丈夫かもしれないし」

「かも(・・)なんですのね……　しかし、もし問題があったとしてもペナルティはありませんし、お願いしますわ」

まぁ試す相手なんていなかったからね。

カトリーヌさんの前に降り立ち、向かい合って両手をつなぐ。

むー、相手も度が高いからか流し込みづらいな。

まぁらなくもないのでちょっとずつ流し込もう。

「あぁ……　手の平から白雪さんに侵されていきますわ……」

「いや変な言い方は止めてくれるかな、本気で。それはともかく、はおかしくなってない？」

「今のところは大丈夫ですわ。これが白雪さんの魔力……　あら、消えてしまいましたわ」

「補助魔法かけた時みたいに吸収されちゃったのかな？　その消えていってる所に集中してみて。多分心臓の辺りに集まっていくと思うから」

続けて流し込みながら自分の魔力の流れを見て、なんとなくでアドバイスしてみる。

肩からった辺りで変換され始めてるっぽいな。

「はい。うーん……あっ、これ……これですわね！？」

いや、解んないけど。多分そうなんじゃない？

「お、いけたかな？　なんでさっきまでこれが解らなかったんだってじになるよね」

「そうですね。白雪さんの強大な魔力もはっきりとじ取れますわ」

「人をボスキャラか何かみたいに言わないでよ。カトリーヌさんも同じ【妖】なんだから、そう極端には違わないよ？」

こっちから見ても魔力の塊って言っていい位だし。

あ、そういえば細部までは形狀が解らない様になってるな。訴訟せずに済んだね。

「そうでしょうか。あ、確かに取得できていますわ」

パネルを出して確認するカトリーヌさん。

やっぱりこのタイミングで取れてるか。

「それじゃ、今度はその魔力をかす練習だね。魔力に集中してけーって念じてればなんとかなると思う」

「凄くふわっとした説明ですわね……」

「いやー、実際そんなじだし。一応補足するなら、私の時はの中でくるくる循環させたり、両腕で出來たの中を廻したりしたかな」

「ふむふむ。それではそんなじで試してみる事にしますわ。ありがとうございます」

「頑張って。私も隣で訓練してるから、出來たら教えてね」

し離れた場所で浮いたまま座禪を組んで魔力を……

ってカトリーヌさん、おぉってじで手を打って真似しなくてもいいよ。

いや、それで集中できるって言うなら止めないけどさ。

まぁいいや。自分の訓練に集中しよう。

あんまり外に出すとまた怒られるので、大人しくでかしつつ作にも挑戦してみる。

かす量や度を調整してみたり、にした腕の中を二通りのスピードで同時に回してみたり。

なんかこれ、脳が鍛えられそうだな。

「お、おぉ……？　できましたわー！」

おー、早いな。って私の時もそんなもんだったっけか。

難しいのはじ取るところだしな。

「おめでとー。これで魔法を覚える準備が出來たね」

「ありがとうございます。……ちゃんとありますわ」

あ、一応確認した。これで無かったらなんか恥ずかしいもんね。

「それじゃ、まずは一番便利な【純魔法】から覚えようか」

「どの様な魔法がありますの？」

「【魔力武】っていう、魔力を固めていろんなを作る魔法かな」

【魔力弾】は脅かすためにしか使ってないし。

「なるほど、あのの子を押し潰すのに使っていた魔法ですわね」

「いや、それは……　ってそういえば、それ見て追っかけてきたんだっけ」

「はい。よろしければ後ほど私にも」

「よろしくないからさっさと覚えようね。手の平から魔力を放出して、それをボールにしてみよう。こんなじで」

手の上に十センチほどの球を生して、カトリーヌさんに見せる。

「あ、あんまり大きいのは作らないでね。ジョージさんに怒られるから」

うん、今のもしっかり察知されてたな。

いつの間にかベンチに座って、「おい、解ってんだろうな？」って顔でこっち観てるし。

今日はまだちっちゃいのしか作ってないよ！