《スキルリッチ・ワールド・オンライン~レアというよりマイナーなスキルに振り回される僕~》第六章 ナンの町へ 1.ナントの道屋(その1)
次の町へ行く準備です。
SRO(スロウ)にログインして冒険者ギルドの前に歩いていくと、ベルさんたち三人の姿が見えた。
「お早うございます」
「「「お早う」」」
「あれ? ケインさんとエレミヤさんはまだですか?」
「二人なら買い取り所よ……素材の換金で」
「あ、あはは、ご迷をおかけします」
シュウイが引(ひ)き攣(つ)るような笑いを浮かべていると、ギルドのドアが開いてケインとエレミヤが出てきた。
「やあ、シュウイ年、お早う」
「お早うございます」
「早くから悪いね」
「いえ。換金は済んだんですか?」
「ああ、無事……というか、一応終わった」
「凄く追求されたけどね……」
「あ、やっぱり……」
「ま、それは後だ。シュウイ君は準備は?」
「あ、どうやって行くのか判らなかったので、一応持てるものだけ」
シュウイが答えると、他の皆はしまったという顔をした。
「申し訳ない、説明しそびれたな」
「途中のイーファンまでは乗合馬車で六時間くらい。そこで食糧と水を補給して、後は徒歩ね。イーファンで一泊して、明け方に出る馬車を使う手もあるけど、私たち冒険者は狩りをするのも目的の一つだから、森の中で野営する事になるわ」
「まぁ……今回は必ずしも狩りをする必要はないんだが、レベル上げも兼ねてな」
「シュウイ年はどうする? イーファンで一泊して馬車で行くかい?」
う~ん、僕のスキル構だと、野営なんてこの先いつできるようになるか判らないし、こんなチャンスを逃す手はないよね。
「ご迷でなければご一緒させて下さい。……あ、でも、野営道なんか持ってない……」
「いや、大丈夫。馬車が出るまでまだ時間はあるから、よかったら買いに行こう」
ケインの一聲で全員がぞろぞろと道屋に向かう。行った先はシュウイも知っている「ナントの道屋」だった。
「あ、ナントさんのお店なんですね」
「おや、知ってるのかい?」
「えぇ、ちょっと裝備品を買い取ってもらった事があるので」
ノービスが裝備品を売るというのはどういう事かと一瞬不思議そうな顔をした一同だったが、どうせ【落とし】が関わっているんだろうと見當を付けて、それ以上追求するのをやめる「黙示録(アポカリプス)」の面々。そのまま流れるように店にって行く。
「いらっしゃ……おや、君か。また何か戦利品かな?」
「あはは、いえ、今日は道を買いに」
「元気そうだな、ナント」
「おやおや、トッププレイヤーがこんな場末の店にお越しとは。珍しい事もあるもん……ははぁ、シュウイ君の付き添いかね」
「そういう事だ。野営用の個人裝備を一揃い見せてくれ」
それから「黙示録(アポカリプス)」の面々とナントの間で相談が始まり、購すべき裝備がさくさくと決まっていく――シュウイを置き去りにして。そして肝心のシュウイは……
(楽だなぁ♪)
自分で頭を悩ます必要がないため、嬉々としてその狀況を見守っていた。
「こっちで勝手に決めちゃったけど、これでいいかい?」
「はい。あ、そうだ、ナントさん、この剣って引き取ってもらえます?」
そう言ってシュウイが差し出したのは初期裝備の長剣であった。
「うん? まぁ、一応引き取れるけど、いいのかい?」
「はい。長剣のスキルを持ってませんし、スキル無しで上手く扱える気がしませんから」
シュウイこと巧力(くぬぎ)蒐(しゅう)一(いち)は、祖父から歌枕(かつらぎ)流という古武を習っていたが、そこでにつけた刀の理は西洋の剣とは異なっており、上手く使える自信がなかった。なので思い切りよく売り飛ばそうとしたのだが……。
「いやちょっと待って。代わりの武はどうするつもり?」
「えと……ちょっと訳(わけ)ありで武スキルを持ってないんですよ。なので短剣ぐらいでいいかなぁと……」
「いや、いくら何でも短剣だけじゃ駄目だからね」
「なら、クロスボウでも買ってくかい?」
クロスボウ!?
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