《スキルリッチ・ワールド・オンライン~レアというよりマイナーなスキルに振り回される僕~》第八章 ナンの町 1.冒険者ギルド

本編に戻ります。

何のアクシデントもなく野営を済ませた僕たちは、そのまま街道を歩いて行って、晝前にはナンの町に著く事ができた。ここでは最初に冒険者ギルドへ行って、殘りのレア素材の換金を済ませる予定になっている。

全員で冒険者ギルドの建る。素材の買い取りだけでなく、途中で盜賊の討伐があったため、関係者である僕も事聴取をける事になった。一人ずつギルドカードを確認しながらの報告だったので、思っていたよりも時間がかかった。

「……で、坊主が殺(と)ったなぁパイクとギストの二人だな?」

「名前は知りませんし、後ろを向いていた隙に手裏剣で斃(たお)しましたから、顔も判りません」

「……意外とえげつねぇな。あぁ、まぁギルドカードにはそうなってる。このうちギストってやつぁ『異邦人』らしいが、パイクはこの國の人間なんでな。賞金が出るんだが、他の連中と一纏(まと)めでいいのか?」

この件は事前にケインさんと話していたので、それでいいと答えておく。素材の売卻益も懸賞金も、盜賊達の裝備の売卻益も、全部一括した上で六等分する事になっている。そうしないと、各人の貢獻なんて一々量れないしね。ついでにし気になった事を聞いておこう。

「『異邦人』には懸賞金はつかないんですか?」

「そりゃ、お前(めえ)、ひょこひょこ生き返ってくるようなやつに一々懸賞金なんか懸けられるかよ。それに『異邦人』の連中は、こっちの住民にゃ悪さをせんからな」

なるほど。そういう事になってるんだね。

「つまり、ギストっていう盜賊については、僕らの喧嘩という事ですね?」

「あぁ、そういうこった。だから坊主の討伐記録は一件だけだな」

あぁ、PKも數にはらないと。

「ついでに言っとくと、『異邦人』の品の取り扱いは『異邦人』同士の取り決めって事になってるから、ギルドは何も関知しねぇぜ?」

「解りました。ありがとうございます」

聴取を済ませてケインさんたちと合流する。既に素材の買い取りと商品のけ取りは済ませたそうだ。

「武や裝備についてなんだが……売るよりは予備として取っておこうかという話になってるんだが……」

「あ、そういう事になったんですね」

「あぁ、シュウイ年さえよければ一応の評価額分を上乗せするから、それで了解してもらえないか?」

「僕は構いません……あ、そうだ、一応どんな裝備品があったのか教えてもらえますか?」

何か面白いものがあれば譲ってもらおうかと思っていたんだけど、大したものはなかったので、そのままケインさんの提案に乗る事にした。

「では……素材の代金と懸賞金の合計が五百二十六萬五千G、一人頭八十七萬七千五百Gになる。確かめてくれ」

どんと目の前に置かれた袋には金貨がぎっしりと詰まってる。確かめるって……コレ一々數えろっていうの?

「袋のままアイテムバッグに収納すれば、金額が表示されるから」

あ、なるほど。試しにやってみると……おぉ、本當だ。これは便利だね。

「で、シュウイ年はこの金をどうする?」

ん? どういう事?

「自分で持っていてもいいけど、ギルドに預けておく事もできるよ。利息は付かないけど、死に戻りのデスペナで失う事もないから便利だよ」

エレミヤさんがギルドの便利な使い方を教えてくれたので、早速そのサービスを利用する事にする。ギルドカードを提示すれば、どこのギルドでも引き出しが可能だそうだ。

「シュウイ君、あたしたちこれから食事に行くんだけど、よかったら一緒に行かない?」

うん。この町の事は何も知らないし、食事にかこつけて々教えてもらおうかな。

次話は金曜日に投稿します。

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