《ネメシス戦域の強襲巨兵【書籍六巻本日発売!】》救援
三機のシルエットが戦闘を行っている。
敵の多くはケーレス系統に屬するアントワーカー型。顎に模したブレードで、接近戦を得意とする、數で押すタイプだ。小口徑のレーザー砲を裝備しているが、出力は高くない。
中に混じっているのがアントソルジャー型。こちらは中口徑ライフル砲を裝備している。
指揮しているのは、アントコマンダー型。蠍のような尾にあたる部分がレールガンになっている上位機だ。裝甲も一回り厚い。
シルエットの後方で車両も二両いる。
シルエットは全機、SF-S1A1 ベアだ。裝甲の厚さが利點の、汎用の高い機だ。
二機はライフルを裝備。もう一機はレールガンと両肩にミサイルランチャーを裝備している。
燃焼式軽ガスガン機構を利用した中口徑ライフルはレールガンと近い初速を叩き出す。砲口速度の初速は秒速二キロ。初速のブレが激しいため弾速を落として調整している。
著弾すると絶大な威力を持つ一般的なシルエットの武裝だ。
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高次元投裝甲に有効な武だ。理論値では弾頭は加速できる余地を殘しているが、弾頭の初速が不安定になり、砲と弾頭そのものが持たない。
背後には支援車両二両。一臺は通信車両、もう一つは裝裝甲車だ。こちらは火砲で支援していた。
戦闘が続いているのだろう。弾切れを起こしているようだった。
「埒があかねえな。コマンダー型に近づければ」
「こっちも弾がない。接近戦闘に移行する」
ライフルに銃剣(バヨネツト)を裝備。白兵戦に備えた。
サイズ比でいえば21世紀世代の銃剣よりも先祖帰りしており、刀は長めの印象をける。
これはシルエット戦闘における白兵戦の多さを語る。
「待ってください。未確認の――シルエットが接近中です」
通信車両から迫したオペレーターの聲が響く。
「増援か?」
「敵味方識別裝置(IFF)に反応はありませんが、ストーンズ側の勢力ではなさそうですね。あれ? 傭兵管理機構《マーセナリーズアソシエーシヨン》にも登録がない……」
「敵じゃないなら放っておけ!」
「了解です。いや、救援にくると言っています」
「ありがたい! どのみちジリ貧だ。敵じゃないことを祈ろう」
それはとても奇妙な機だった。
頭部が破損しているシルエットだった。無殘に片眼のゴーグルが破壊されている。
こちらにまっすぐ向かってくる。肩を突き出すように構え、腰を落としている。撃に対してはコックピットを守ることも踏まえ、合理的だ。
TSW-R1-05。コウの五番機だ。
あっという間にこちらに合流し、大剣を振るう。
アントワーカー型が一撃で數機飛び散った。
「援護謝する!」
ベアのパイロットが通信を送った。
「お互い様だ」
それだけ、返答があった。
を低くしての斬撃が登録してあるシルエットはない。
豪快になぎ払っていく五番機は頼もしかった。
援軍を強敵と判斷したのか、アントワーカー型が五番機に押し寄せる。
鴨とばかりに次々となぎ払っていく五番機。
ベア二機も猛追する。護衛の減ったコマンダーに接近を試みる。
裝甲の厚さに任せ、押し寄せるアントワーカー型を突破する。
後ろのベアは、確実にレールガンでソルジャー型を排除していった。
「こいつららかすぎないか?」
「ああ。アントワーカー型やソルジャー型はAスピネルを搭載していない。高次元投裝甲じゃないかららかいだろうね」
「機械の標準裝備じゃないのか」
「違うよ。こいつらはバッテリータイプだ。彼らもシルエットのライフルで応戦しているだろ?」
そう話している間も、ワーカー型を切り倒している。
「あの司令っぽい奴だけが強敵か」
「侮るな。數が多いから、ちくちくダメージはける。裝甲強度が落ちないよう気をつけたまえ」
「了解!」
コウがアントワーカー型を引きつけている間に、ベアたちは突進し、銃剣を突き立てる。
側面に回り込もうにも、ベアの機力が低くてそうはいかない。
ついに一機が大顎に捕まってしまった。
「うわあ……」
腰がメキメキとひしゃげていく。そしてそのまま切斷されてしまった。
「マイク!」
殘った男が絶し、さらに猛攻を仕掛けるが、前足でなぎ払われてしまう。
倒れたところをレールガンを連続して打ち込まれた。
至近距離だ。いくらい次元裝甲でも限度があった。
「このままでは……」
レールガンの撃が止んだ。
尾の部分の砲塔が無くなっている。
「助かった!」
彼にはわかった。援護にきてくれたシルエットの仕業だと。
「あの數は厄介だな」
コウもまた、コマンダーとの戦いに參戦していた。
後方からベアと裝甲車両の撃も加わる。
「あのカマキリよりこのアントの方が速いな!」
「耐久力はこいつが下だ。押せ!」
師匠も戦況のサポートをしてくれる。
素早く振り返った大顎の攻撃が迫る。
そのタイミングに合わせ、下段からの切り上げ。
アントコマンダー型の頭部が砕される。
コウは五番機を跳躍させる。
破壊された頭部を踏み臺に、まで駆け上がる。
剣を突き立て、そのまま自重に任せて、から飛び降りた。
鈍い音ともに、アントコマンダー型のは、大きな亀裂がる。
コウはいったん離れ、剣を構え直す。
アントコマンダー型は壊れた大顎を、突き出し、五番機を警戒した。
側面が発する。
亀裂部分にレールガンが直撃したのだ。
ほぼを両斷されかかっている。転倒していたベアも起き上がり、を攻撃する。
コウは再度、側面に回り込み、先ほど攻撃を加えたほうとは反対側に移した。
五番機の上段からの振り下ろし。本來なら當たるはずのない大ぶりの攻撃も、ダメージが大きなアントコマンダー型には回避する余力は無い。
アントコマンダー型がきを停止させた。
それを合図に殘ったケーレスも撤退を開始する。
「ありがとう。本當に助かった。俺はバリー。あんたは?」
最後まで接近戦に殘っていたベアから通信がきた。
「俺はコウ。転移者だ」
現地の人間との、初めての流だった。
クリフエッジシリーズ第三部:「砲艦戦隊出撃せよ」
第1回HJネット小説大賞1次通過、第2回モーニングスター大賞 1次社長賞受賞作品の続編‼️ 銀河系ペルセウス腕にあるアルビオン王國は宿敵ゾンファ共和國により謀略を仕掛けられた。 新任の中尉であったクリフォードは敵の謀略により孤立した戦闘指揮所で見事に指揮を執り、二倍近い戦力の敵艦隊を撃破する。 この功績により殊勲十字勲章を受勲し、僅か六ヶ月で大尉に昇進した。 公私ともに充実した毎日を過ごしていたが、彼の知らぬところで様々な陰謀、謀略が行われようとしていた…… 平穏な時を過ごし、彼は少佐に昇進後、初めての指揮艦を手に入れた。それは“浮き砲臺”と揶揄される砲艦レディバード125號だった…… ゾンファは自由星系國家連合のヤシマに侵攻を開始した。 アルビオン王國はゾンファの野望を打ち砕くべく、艦隊を進発させる。その中にレディバードの姿もあった。 アルビオンとゾンファは覇権を競うべく、激しい艦隊戦を繰り広げる…… 登場人物(年齢はSE4517年7月1日時點) ・クリフォード・C・コリングウッド少佐:砲艦レディバード125號の艦長、23歳 ・バートラム・オーウェル大尉:同副長、31歳 ・マリカ・ヒュアード中尉:同戦術士兼情報士、25歳 ・ラッセル・ダルトン機関少尉:同機関長、48歳 ・ハワード・リンドグレーン大將:第3艦隊司令官、50歳 ・エルマー・マイヤーズ中佐:第4砲艦戦隊司令、33歳 ・グレン・サクストン大將:キャメロット防衛艦隊司令長官、53歳 ・アデル・ハース中將:同総參謀長、46歳 ・ジークフリード・エルフィンストーン大將:第9艦隊司令官、51歳 ・ウーサー・ノースブルック伯爵:財務卿、50歳 ・ヴィヴィアン:クリフォードの妻、21歳 ・リチャード・ジョン・コリングウッド男爵:クリフォードの父、46歳 (ゾンファ共和國) ・マオ・チーガイ上將:ジュンツェン方面軍司令長官、52歳 ・ティン・ユアン上將:ヤシマ方面軍司令長官、53歳 ・ティエン・シャオクアン:國家統一黨書記長、49歳 ・フー・シャオガン上將:元ジュンツェン方面軍司令長官、58歳 ・ホアン・ゴングゥル上將:ヤシマ解放艦隊司令官、53歳 ・フェイ・ツーロン準將:ジュンツェン防衛艦隊分艦隊司令 45歳 (ヤシマ) ・カズタダ・キムラ:キョクジツグループ會長、58歳 ・タロウ・サイトウ少將:ヤシマ防衛艦隊第二艦隊副司令官、45歳
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