《ネメシス戦域の強襲巨兵【書籍六巻本日発売!】》市街地戦
コウたちはようやく防衛ドームにった。
メタルアイリスのメンバーたちは補給に戻るらしい。彼らは先ほどの戦闘行で弾薬もほぼ盡きている。
この居住區は正式名稱はC212防衛ドームと説明をける。人類の拠點はアルファベッドと數字の組み合わせが中心とのことだった。
C212は半徑5キロの小型居住區畫だ。
メタルアイリスの作戦は市街地戦における時間稼ぎ。住民避難が優先だった。
「これまでだな。世話になった」
コウはメタルアイリスの傭兵バリーに別れを告げた。
彼は驚き問い返した。
「どういうことだ? 離れるのはいいが、せめて補給をけろ」
「戦闘は始まっているようだ。時間稼ぎすればいいんだろ? どうせ俺は剣しかない。先にいってくる」
「……すまん。謝する」
狀況を察したコウが、先に前線にでるということだった。
彼らは武弾薬が盡きている。すぐに戦力にはなれそうにない。
「また、な」
コウはそういって市街に消えた。
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ビルに隠れながら、アントワーカーに斬撃を見舞い、すぐに離する。
コウのためにあるような戦場だった。
「五番機はとくにレーダー機能、警戒に優れた頭部を採用している。設計者が周辺報を優先した結果だな」
「剣士のためのような機だ、本當にな!」
強敵といわれたテルキネスも一機葬り去っている。
「障害があるだけでこれだけ楽とは、な」
「シェルターや建、道路に供給されるウィスはとくに強いものでね。敵の目的もこのエネルギーを生み出すAカーバンクルだ。この質のコピーがAスピネルだね」
「Aカーバンクル?」
「アクシオン・カーバンクル。真の五次元エネルギー発生質であり、投をけた質の強度はAスピネルの數倍から數十倍になる。レールガンをくらっても建はびくともしない」
辻斬り殺法で建と建の間を駆け抜けているコウだが、追撃のレールガンや機関砲、レーザーは全て建に弾かれている。
「確かに。で、奪われたら元のさの無機に戻ると」
「私たちが最初にいた拠點みたいになるね。瓦礫がし殘って、あとは真っ平らだ」
「それは死守しないとな。それに援軍も多い」
縦橫無盡に、レールガンを裝備した火力支援タイプの裝裝甲車や、機関砲を裝備した閉型バギーが戦っている。
機関砲を裝備したタイプは兵員輸送車だろうか。民間人を見つけては回収している。
積極的に回収していく。
無人機であろうか。
無殘にも破壊された車両も何両か確認できた。
転がっている死。
破壊されたシルエットもそこにある。
目を背けたくなる景があちこちに広がっている。
「戦爭、か」
「そうだよ」
「不思議と今は平気だが、夢にでそうだ」
「否定はしない。五番機は君のもサポートしている。言えるのはそれだけだ」
アントソルジャー型を瞬く間に二機破壊し、周囲を警戒する。
「ふと思った。なんでこいつらは、この防衛ドームをまるごと破しないのか」
「彼らにとっても防衛ドームは資源の塊だからだよ。人含めてね」
「納得」
「ストーンズの目的は人類の殲滅ではない。資源、技の奪い合いに近いともいえる」
「殺し屋派遣してるくせにな!」
攻撃を避けながら、アント型の敵を撃破していく。
「埒があかないな。守り切れるか?」
「數は減らしたが、アレがなあ」
アレとは攻城兵であるエニュオのことだ。
「あれは無理そうだな」
「ああ。アンダーグラウンドフォースに任せよう」
引き続き、ゲリラ戦を続けることにした。
戦線は押されている。徐々にコントロールタワー方面に後退していた。
道端には死が転がっている。何度目にしても慣れることはない。目を背けた。
「容赦ないな」
「人間を捕獲する場合は、ストーンズ側についたシルエットがいる。こんなマーダーだけの総攻撃の場合は、ただの抹殺対象でしかない」
避難が遅れる場合もあれば、住み慣れた地を移拒否するものもいるらしい。
數萬人の移はすぐに行えるものではない。
味方の裝甲車群も次々と破壊されていた。
「あんなに裝甲車が壊されているのにシルエットはみないな」
「あれらの裝甲車は無人だからね。シルエットは後方で戦っているよ。避難民の退避優先だね」
アントワーカーは次々と現れる。
剣一本しかない五番機だからこそ戦えているのだ。ほかの機なら即補給に向かわなければいけない。
「……だれか助けて……」
五番機が聲を拾った。近くで子供が泣いている。
コウはすぐさま方角を確認し、その場へ向かう。
アントワーカーを見つけ、すぐに切り倒す。
索敵し、近くに敵がいないことを確認する。
カメラで子供を確認した。
「く。誰かいないのか」
そう思っていると裝甲車が現れた。戦車駆逐型ではない、機銃を裝備した人員輸送型だ。市民を回収して回っているのだ。
スピーカーから聲がする。
「はやくのりなさい」
「うん!」
子供が乗り込んで、ハッチが閉まる。
「シルエット。助力謝する」
コックピットに通信があった。パイロットの顔が表示される。
それは大きな牧羊犬だった。
「ああ。子供を頼む」
「任された。おお、同士が乗り込んでいるか。君も命を落とさないでくれたまえよ」
そういって通信が切れた。
コウは違和に気付いた。
「なあ。師匠。さっき裝甲車両は無人って言ってたよな」
「ああ」
「無人じゃないだろ? 乗ってるだろ。ファミリアがさ」
コウが気付いた違和。
人間を守るように戦っていた、數多くの裝甲車。
それらはこの防衛ドームのファミリアたちによる、支援部隊だったのだ。
「人じゃないからな。無人だ」
「釈然としないな」
「移しすぎるな。我々は停止するだけだ。死ぬわけじゃない」
「ファミリアが壊れて悲しむ人間はいないのか?」
「いないわけなかろう。悲しんでくれる人々がいるからこそ、我々にとって尊い存在になるんだ」
「彼らにとって、ファミリアも尊いってことだ」
コウは後退しつつある前線を確認しながら、エニュオへのルート計算を始めた。
ファミリアだけ死ぬのは理不盡だ。
ただ、そう思った。
「コウ。ファミリアを案じて怒るな。その気持ちだけで我々は嬉しいのだ」
「俺は人間に殺されかけてるからな。ファミリアのほうを優先したいぐらいだよ」
自分でも不思議なぐらい、怒りに駆られている。
今生きているのは師匠と五番機のおかげなのだ。彼らに命がない? 否、だ。
無殘に破壊されていい存在のはずがない。
會社の人間による小さな悪意に殺されかけたコウにとって、どちらが大切な存在かは明白だった。
「さっさと被害をなくしよう。あの化けを倒してしまえば、いいんだろ?」
「やめないか」
師匠が迫した聲をあげる。
「安心してくれ。破壊されたファミリアの多數はコアユニットさえあれば復舊できる。彼らの多くは復舊される」
「コアユニットが破壊されたら?」
「……終わりだ」
「師匠は壽命っていってたよな? コアユニットがあるなら再生できるんじゃ?」
「私はそのコアユニットが壽命なんだよ」
コウは軽く嘆息した。
「どのみち奴らは撤退しないんだろ? やれることは一つだけだ」
コウはビルの合間を走り抜け、敵機を切り続けた。
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