《ネメシス戦域の強襲巨兵【書籍六巻本日発売!】》隊長機
戦闘は続行している。
テルキネスとの戦を終えたあとだ。コウだけですでに三機のテルキネスを倒している。
「ファミリアが支援に回っているのは通常の無人兵では、敵のAIにジャックされるからなんだ。フェンネルOSとファミリアの組み合わせでその心配はなくなる」
「かといって犠牲になっていいわけではないだろ?」
「我々は人間に寄り添うよう作られているからね。本來裝甲車両による支援は、フェンネルOSの拡張機能で遠隔作、補助ができるんだがこの時代、その機能を発現させたものはそういない」
コウは小さなビルや建に目をつけた。
跳躍し、駆け上る。運能の高い五番機と、高次元化処理をされた建があってこその蕓當だ。
「ファミリアの復舊率はどうかな。再生できるといっても前線で放置されたり撤退した戦場だと無理だろ?」
「ああ。回収が必須だ」
「わかった。なおのこと早くあれを倒さないといけないな」
コウは街の中央に向かって移するエニュオに迫っている。
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敵はこちらに向かっている。コウは若干低いビルの上でとどまり、しゃがんでを伏せた。
「本當に都市の破壊者だな。ウィスで補強された都市構造もものともしていない」
「ああ。ストーンズにとっても大きな戦力だ。あれで落とせなかった人間の居住區はない」
「しかし、無敵の化けでもないんだろ?」
「無論。力があってく機械だ」
「パワーユニットはか。それともあたりか」
師匠と話していると急通信がる。
「そこのビジターメンバーのシルエット。聞こえますか?」
若いの聲だ。メタルアイリスからの通信だ。
「こちら、機名なし。五番機のコウ」
回線を開き応答する。
畫面に金髪の白人が映し出される。びっくりするほど人で、コウは戦闘よりも張した。
「あなたの戦果すごいわね。正式にうちのメンバーになりなさい」
朗らかな聲で、場違いな勧をけた。
「スカウトしている場合じゃないだろ」
「位置から察するにエニュオ相手にするつもりね。三次元行ユニットもないのに、呆れたわ」
「資が不足している戦場は創意工夫が大事ってうちの故郷では言うんでね」
「その発想、ニホンジン、ね。なんとなくわかったわ」
通信の向こうでが笑っていた。
「私も付き合う。個人回線に切り替えて」
「クイーン相手に? 無茶だろ」
「無茶しようっていう相手に言われたくないかなー?」
個人回線を開いた。
ブロンド人が映像に映った。
「私はジェニー。メタルアイリスの隊長になります。よろしくね、コウ」
「よろしく。あの神様を止めるにはどうすればいい?」
「一番裝甲が厚い部分。部にウィスのパワーユニットがある。かといって背中に乗ろうと思っちゃだめ。あの尾に刺されるのがオチ」
「わかった。頭部を破壊する」
「なんでそうなるのよ!」
「センサーを破壊しないと、きが鈍らないだろう? いきなり弱點を狙わせてくれるもんか」
「正論ね。クイーン相手は私も初めて。援護する。でも飛躍した結論を言うのはよくないね」
「それはすまない。人と話すのは苦手でね。あと一つ言って良いか」
「何?」
「隊長が一人で突っ込むなよ」
隨伴機もいない。かなりやんちゃな隊長であることは想像付いた。
「可くない、あなた! ちゃんと援護撃ぐらいあるよ!」
図星だったのか、顔を真っ赤にしているのが通信越しでもわかった。コウは逆に、可すぎるだろ、と微笑んだ。
コウの隣に、一機のシルエットが並んだ。ジェニーが乗る隊長機だ。
バックパックユニットが大型のブースターになっている。手には両手で構えるライフル狀の武。腰に細長い剣をつけている。
「ほう。みろ。コウ。この隊長機が現時點のシルエットの一つの完形だな。シルエットは戦車にも戦闘機にもなる。ジェニーは空飛ぶ火力、さながら攻撃ヘリか」
「完形?」
「推力偏向(ベクタードスラスト)が可能なスラスター裝著による三次元行が可能だ。高火力、高近接武を裝備している。手に持っているのはアサルトライフル。腰につけているのは高周波振剣だ」
「え? 高次元投裝甲はウィス乗せて質量でぶったぎるんじゃないのか。高周波って未來すぎない」
「威力は若干低めだが、遙かに軽量だ。エネルギー消費が激しいが高周波電熱剣もあるぞ」
「えー。実剣振り回している俺なんて原始人か」
「一つの、というところがミソだ。エネルギーを喰う、けにも使えないブレードがいいか? この大剣のほうが君には合うだろうさ」
「納得した」
けの技は大事だ。五番機にも仕込んである。
またけを考慮しなくても、切りかかる相手からを守るように剣を振る技はいくつかある。けに使えない剣など、コウなら何本も折ってしまうだろう。
「そろそろ來るわ。私が先制するから、あなたはそのあと、狙いを定めて」
「了解!」
そういって隊長機はスラスターを始させる。
弧を描くように飛び、空を自在に飛んでいた。
「なんだあれ」
「シルエットは人間の能力を発展させるために生まれた。空を飛ぶ必要が、あの能力を開花させたのだね」
地面にいる敵から狙われる。だが、高度を取った隊長機には當たらない。
スラスターを発させ、前後左右巧みに移していた。
背後から確かに援護撃も飛んでいる。連攜も取れていた。
「すごいな」
「だが、それほど長くあの機はできないぞ。短時間の決戦用裝備だ」
「だろうな。俺たちも行こう」
隊長機はクイーンアント型の正面に回り込んだ。
地面にいるワーカー型やソルジャー型の攻撃を華麗に回避しながら、正面を維持している。
背面から大型ミサイルが二発放たれる。周囲のアント型のレーザー砲では迎撃できない距離だ。
エニュオの部から凄まじい轟音と発がした。
すでに隊長機は大きく距離を取っている。一瞬の出來事だ。
「何したんだあれ」
「対艦ミサイルのようなものだ。迎撃されやすいが、接することで防空網をくぐり抜けたのだろう。敵の防は元に集中している。今が狙い目だ」
確かにソルジャー型やワーカー型の警戒は元に集中している。
コウはすかさず一番高いビルまで上り詰める。
エニュオの顔がすぐ目の前にあった。ご丁寧に昆蟲のような複眼だ。
目が合った――そんな気さえした。
五番機は大振りの斬撃をクイーンの頭部に振り下ろす。鈍い金屬音とともに一撃で頭部は砕け散った。
突然の出來事で、クイーンは避けることもできない。部のパワーユニット狙いだと踏んでいたからだ。
五番機はエニュオの背中を駆け降りる。尾の部分の鋭い穂先に狙われるがそのタイミングでジャンプし、ビルの合間に逃げ込んだ。
尾の攻撃で自しないか期待したが、そこまで愚かではなかったようだ。
「グッジョブ!」
ジェニーから通信がった。
「隊長こそ、お見事」
さすがに冷や汗ものだった。大きく深呼吸した。
「油斷はだけどね。これからが本番よ。あなたのおかげで、次の手が打てる!」
「何するんだい?」
「説明している暇はないわ。とりあえずアントから離れて」
「了解!」
ジェニーの次の手がどういうものか。非常に気になるコウだった。
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