《ネメシス戦域の強襲巨兵【書籍六巻本日発売!】》工廠プラットホーム『アストライア』

工廠プラットホームは大型のハンガーキャリアーが出りするウェルドックを兼ねた搬口と、側面部からのランプウェイを使ってることができるらしい。

艦尾門扉は現在閉ざされている。

「ランプウェイを使ってここからはいりたまえ」

「わかった」

コウは船の側面に移し、ランプウェイと呼ばれる傾斜架橋を使って、格納庫に五番機を移させる。

コウが近付いたら、自的に扉が開き、降りてきて橋となった。

格納庫には以前見たメタルアイリスが所有していたような、巨大なハンガーキャリアーがあった。

これだけでも大きな艦船といってもいい。戦闘艦のような雰囲気を漂わせているが、武裝はついていない。

「既存裝備で殘されているのはこれだけだ」

「ハンガーキャリアーのみ、か。兵工場のわりに兵関連は一切ないんだな」

「ああ。星間戦爭時代の兵は持ち出された。では行き止まりまで移してくれ」

行き止まりまで移し、五番機を降りる。

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師匠の後ろについて、移する。

「今から戦闘指揮所という場所に向かう。そこで全てが話せると思う」

師匠に連れられ、った大きな部屋は、暗な室にいかにもな大畫面が複數掲げられている。

コウがると同時に、畫面が一斉に映し出される。

暗い部屋を畫面の燈りを頼りに二人は進んだ。

「コウ。その椅子に座ってくれ」

「艦長席みたいだな。いいのか?」

「いいとも。私は君の膝の上に乗っているさ」

コウは指定された席に座り、師匠を膝の上に載せる。

座った瞬間、畫面に様々な文字列が浮かび上がる。

『ようこそ。モズヤ・コウ。私は兵開発統合システム<アストライア>。この施設の管理者でもあります。あなたの個人(パーソナル)データを読み取らせていただいたことをお許しください』

の聲で反応があった。不思議と機械の合音のようなじはしない。

「はじめまして。アストライア。いいよ、気にしてないよ」

『21世紀の日本人環境にあわせた最適化はすでに済んでおります。あなたが師匠と呼ぶファミリアもあわせて統合報は共有済みです。師匠、長旅お疲れ様でした』

「ああ、ようやくこの施設の所有者を見つけることができたよ。アストライア。待たせてすまなかった」

「ちょっと待ってくれ。俺がこの機工廠プラットホームってものの所有者になる? どういうこと?」

『あなたは私が管理する、この一帯全ての施設の所有者として登録されました。他AIの承認も進めます。アシア自ら選んだ構築技士(ブリコルール)たる貴方にはその資格があるのです』

「師匠?」

かしてしいとは聞いていたが所有などとは聞いていない。

いきなり巨大な工場を所有しろなどと、彼には荷が重いのだ。

「ではコウと話をするかね。アストライアは待機だ」

『承知いたしました』

師匠は目をつぶっている。貓なのでくつろいでいるようにも見える。

「君をここまで案したのは、君が構築技士の資格を持つと知ったからだ。そうでなければメタルアイリスに君を預けて私の旅は終わっていた。私は君にこの施設を引き継いでしい」

「俺は生きるのと五番機を作するのに必死で、何もできないよ」

「それでいいよ。アストライアを五番機強化のためだけに使ってもいい。見なかったことにしてここから出て行くのもいい。君次第だ」

「これ、いわば喪われた人類の……いや、例の人類転移させた超AIの産だよな」

「話が早いね」

「師匠の希は?」

「二つある。シルエットの発展。そして技の拡散だ。君を通じてシルエットが発展すればいいとは思っている。アストライアの見立てでは、人類は五十年もせずにストーンズに制圧される」

「しろと命じない理由は?」

「ストーンズを撃退したとして、拡散された技と兵で人類同士の戦爭が始まる。その重責は辛いはずだ。古來、拡散した中古兵が紛爭を招く。この時代でも変わらんよ」

コウは黙った。

ため息がでる。人間は遠い未來でも変わらないらしい、という現実を知って。

「君のような存在は他にいるかもしれない。もしくは従來の構築技士たちが頑張って発展させるかもしれない。だから、君は好きなようにすればいい」

コウは再び黙り、アストライアに聲をかけた。

「そうか。アストライア。師匠の壽命を延ばしたい。どうすればいい?」

『師匠は古いファミリアです。脳の生部品が限界にきており、いつ停止してもおかしくありません。人間でいえば凄まじい苦痛に耐えながら延命していると思ってください。それでも延命させますか?』

「師匠……」

そんなことは聞いていなかった。膝の上の師匠を思わずでる。気持ちよさそうに目を細めた。

「私はね。この施設を引き渡す相手を探していたが、構築技士に接できなくてね。あのスクラップ置き場で靜かに停止するつもりだった。最期に君に出會えたのは幸運そのものだ」

「どうすればいいのか、まったくわからないんだ」

「この施設で休眠している、セリアンスロープやファミリアもいる。彼らが君を支えてくれる」

「俺は師匠に支えてしいんだけどな」

「ふむ。子供に泣いてすがられるというのはこういうじか」

「ああ、そういう解釈でいいよ、もう」

拗ねたようにコウが言う。ますます子供っぽい。

ふふっと師匠が微笑む。

「そうかあ。――私は消滅するが、私の娘を守ってくれ。そうしたら心殘りはないんだ。これがもう一つの願いかな」

「娘?」

「私の記憶、、経験をけ継ぐ予定の娘だよ。皆と一緒に君を支えてくれるだろう。完全に私が消えるわけでもない」

「……そうか」

「悲しんでくれる者がいて嬉しいよ。ペット冥利につきる」

「喜ぶなよ……」

「はは。すまないね。だけど本當に限界なんだ。よくもまあ、ここまでけたのか、自分でもわからない。あの廃棄場でとっくに停止していたはずなんだ」

「アシアに叩き起こされたのか、俺を助けるために目覚めたのか……」

「その両方だと思ってるよ」

「ありがとう、師匠」

「どういたしまして」

師匠がいなければ生きていけなかった。

コウは別れが近付いていることを認めたくなかった。

揚陸プラットホームという揚陸施設がとても面白いのです。その機能を備えた宇宙空母、です。ようやく出せました、工廠機能付き宇宙空母。

新元號企畫第一弾として、5月6日まで二話投稿予定です!

昨日より告知している、新元號企畫第二弾も公開しました。

実際に遊べる諸元やステータスを目指して、ダイスを振るタイプのゲームも作ってみました。

作中兵の諸元やスペック、ステータスで遊んでしまおうという試みです。

あくまでおまけですので作中小説が最優先です。

下記のリンクから飛ぶことができます。

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