《ネメシス戦域の強襲巨兵【書籍六巻本日発売!】》最新鋭機VS舊式機

薄暗い通路は突如として終わりを告げる。

巨大な通路に出たのだ。

シルエット基準でいっても相當高い天井だ。

跡……ですね。探索者のようです」

「これが探索なら、俺はなりたくないな」

の知れない技が數多く使われている。

想像力が無い人間が探索すると、すぐに死ぬことになるだろうとコウは思ったのだ。

「なにか意外ですね。好きそうにみえました」

「未知すぎても怖いよ」

「無謀な人より好は持てますよ」

二人は目的の座標に向かって進む。

レーダーに反応があった。

「コウ! シルエットがいる。気をつけて」

エメからも通信が屆く。

「私が戦う。コウは先にアシアのもとへ」

「二人で対処したほうがよくないか」

「敵が一機とは限らない。そのときはアシア救出を最優先して。これは最後のチャンスかもしれないの」

「最後って……」

「お願い」

「わかった」

二機は歩行モードに切り替え進んだ。

目的の座標の前に、そのシルエットは佇んでいた。

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の機。質素で外連味が一切ない。

郭は、改修前の五番機に酷似していた。前方にいる機のほうが、やや細で頭部も小さい。

そのシルエットから共通回線で呼びかけがある。

「コウ」

「でるよ」

心配そうなブルーに、コウは安心させるように笑いかけた。

共通回線が開かれる。

「そこのラニウス――お前、鷹羽兵衛か」

コウの表が引き締まった。壯年の聲は、コウの知った名を告げたのだ。

ブルーも息を飲む。よりにもよって、とんでもない人と間違えられたものだ。

聲の主はバルド。デスモダスの隊長であった。

「殘念ながら、俺は兵衛さんじゃない」

返答に迷いながらも、答える。ただし、知り合いと匂わせて。念のための保険だ。

「そうか。――殘念だ。兵衛と戦いたかった」

本當に殘念そうな聲。

「何か恨みでも?」

思わず尋ねてしまう。

「いいや? 勝負に負けたリベンジだな」

簡潔に答えが返ってくる。

コウはそれだけで、好を持った。理由は自分でもわからない。

「お前もただモノじゃないな。ここは構築技士しかれない區畫だ。先に何があるかしらないが、死んでもらうぞ」

「死ぬわけにはいかないな」

何があるか、知らない。

それはコウにとって貴重な報だ。相手は構築技士としてのランクは低いのだろう。高ければ、アシアと會話できるかもしれないはずだ。

「私がさせない」

そう言いながら、コウの前にブルーが立ちはだかる。

「コウ。ここは私が。あなたは先にいって」

「しかし」

「あなたと相が悪い。あの機――」

ブルーがいい淀む。

の機SAS-F02スナイプも最新の機の一つだが、集団戦における撃に特化している。コウのことはあまりいえない。

「五番機からの畫像解析完了。TSF-R10ファルコ。接近戦特化のTSW-R1を発展、軽量化した汎用機」

エメからの迫した通信がる。

師匠から聞いたことがある。TSW-R1はすでに生産を打ち切り、後継機の生産にったということを。

目の前の敵が、その機とは。

「ラニウスの発展型だから格闘能も高い、複合駆機構。武は両手持ちの長剣と、これは――ガスト式の大口徑二連機関砲」

ファルコは二砲が特徴的な機関砲を裝備している。二門の砲にみえるが実質一門で、撃のリコイルを利用してシーソーのように互に連する型式の機関砲だ。

ガトリング砲よりも軽量で構造も単純。信頼も高い。欠點は砲壽命が短いことだが、これはウィスによる強化で解消されている。

「ラニウスから過剰な裝備を除外しコストダウンを兼ねて軽量、高速化してより洗練された機だと思っていい」

「過剰な裝備とは?」

「例えば――四肢に裝備する予定だった運強化のための補助スラスター用のコネクタを排除。部の人工筋をよりなくし構造強度はフレームへ依存度を高めてメンテナンスも向上している」

「わかった。ありがとう、エメ」

TSF-R10が何を犠牲にしたか、だいたいわかった。

確かにTSW-R1の運の追求は過剰ともいえるほど。多くのパイロットはそこまで繊細な運は必要ないだろう――しかし。その先に必要な能力だってあるのだ。

「最新鋭機、か……」

口の中で反芻した。

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