《地球連邦軍様、異世界へようこそ 〜破天荒皇は殺そうとしてきた兄への復讐のため、來訪者である地球連邦軍と手を結び、さらに帝國を手にれるべく暗躍する! 〜》第7話 破局
そしてグーシュの乗る馬車と護衛及び先発隊二百人は、儀式できらびやかな甲冑にを包んだ皇帝を筆頭とした皇族達と近衛騎士団、そして不安にかられる五十萬の民衆に見送られながら出立した。
グーシュとミルシャは馬車の中から、その景を眺めていた。
「あー、見送られる方は楽で助かったな」
ちょうど皇族一同が並ぶあたりを過ぎた頃、グーシュはミルシャに語りかけた。
「甲冑を著られて馬車から顔を見せていればいいですからね、逆にお見送りになる方々は大変です。あの甲冑で馬車が見えなくなるまで直立不とは」
「まああれも皇族の義務というやつだ。普段贅沢な暮らしをしているんだ。その上皇帝になる気も無いような奴らは、あれくらいの事はせんとな。皇族の威厳を保つ手伝いもしない奴らに皇族でいる資格なんぞない」
皇族には貴族のように貴族院で議員として活する義務も、領地を経営する義務もない。彼らに求められるのはただ、皇族という大陸を統べる一族を維持する役割のみだった。
もっとも、この事が皇帝になる気のない大多數の皇族への蔑みや危機となっているのだが。
「皇族と言えば、お著替えのときにガズルが來たそうですね。何かされませんでしたか?」
「いや、あの好男、珍しくもでないで行ってしまった。だが代わりにこれを置いていった」
そう言ってグーシュは首元の隙間を促した。そこには帝弟が渡した青い寶石の首飾りがぶら下がっている。
「相変わらず見事に絶壁ですねぇ……」
「……その絶壁に毎晩すがりつくのはどこのだれだ?」
馬車の空気が……冷たくなる。
「…………この首飾りですか? きれいなのにあの男が持ってきたと思うと気持ち悪いですね」
Advertisement
「正直わらわもそう思うが、よく見てみろ」
ミルシャが顔を近づけて覗き込むと、青い寶石の奧に何やらごちゃごちゃとした裝飾が見て取れた。何やら複雑な紋様の様なが薄っすらと見えるが、詳細はわからない。
「ご機嫌取りだかなんだか知らんが、街で出會った人がわらわ宛に渡したとか言っておった」
「びじ……」
ミルシャの表にヒビがった。グーシュというは、非常ににモテた。由々しき事態だった。
「わらわの支持者とか言っておったが正直胡散臭かった。だが突き返すにしては珍しい細工でな。つい興味深くてけ取ってしまった」
「……他意は……ございません……ので? 」
「ちょっと本當に怖いぞ……しかしこうしてお前に嫉妬されると安心するな」
そう言ってグーシュはミルシャの頭を甲冑をつけたままでくしゃくしゃとでた。
「これであの叔父はわらわにびてるつもりだろうが、卻って手出ししてきたらぐらでも蹴っ飛ばせばしは懲りる。わらわは子爵領についたらこいつをバラして、この寶石の奧の細工がどうなってるのか調べるつもり、それだけだ」
「海向こうからの使者が來ているこの時に、殿下は本當に豪膽なお方です……」
そんなやり取りをしていると、馬車が停車した。帝都の外周を出て、人里から離れた場所に予定通りついたのだ。
グーシュはここで、この死ぬほど著心地の悪い鎧をぎ、今後五日間の旅程を過ごすのだ。
休憩場所で鎧をいだグーシュはそのまま、先遣隊の近衛騎士団の兵士たちにミルシャを連れて聲をかけて回った。
というのも、いだ鎧を鎧櫃にしまうのも、鎧係による一時間ほどのパズルを経なければならなかったからだ。
Advertisement
そしてグーシュはこういった時間を見逃さず、兵士や司、にあれこれ言って回るのが好きだった。
「張しておるのか? なーにわらわに任せろ。海向こうからの使者と言っても同じ人。怖がるよりも楽しみなくらいだ」
「うん、新米か? 疲れたか、干し果実でも食うか? あまりくなってると足を痛めるぞ」
「噂ばかり信じてビクつくな、帝國騎士団ならどんとしろどんと。あんまりくなってるようなら、今夜はわらわが添い寢してやろうか? 」
こうして部隊を一巡して馬車に戻ったグーシュだったが、兵士たちと會話しているときと違って不満げだ。
「子爵領への増援。その先遣隊にしては隨分新米が多いな。噂を聞いて海向こうへの不安でくなっとるやつばかりだ」
「この部隊編は近衛騎士のイツシズでしたね……皇太子派の筆頭です。考えたくありませんが皇太子さまが? 」
ミルシャが周囲を窺うように視線を鋭くする。そして手元に車の壁にかけていた剣を引き寄せた。
「わらわがああしてデカデカと全権大使に名乗りでてしまったからには、何かしらきを見せるかもしれんが……それはなかろう……というか無いと信じたいな」
グーシュにしては隨分と弱気な言葉だった。ミルシャは驚きながら主の方を向いた。
「なぜですか? 実際速さを優先と言って護衛をなくした上に、そのは新米ばかり。あまりに骨です」
「兄上は優秀な男だ。この海向こうのとの初めての渉という時に、全権大使を殺すなどという國益に反する事はしないだろう」
「ですが……」
「よしんば、あの兄がそんな事を考えたとしたら……」
その言葉と共にグーシュが浮かべた表を見て、ミルシャはゾッとした。
Advertisement
「國益よりも目先を優先するような愚か者だっとしたら……わらわのこの十八年はなんだったんだ……」
(「いいですか、グーシュ……父や兄はこの帝國を統べる偉大なお人……信じなさい、そして切磋琢磨して長を助けなさい……あなたはそうすれば……」)
「利でかない人間の事はわからない。母上が信じろと言った父上と兄上はわらわと同じ考えでいていた……だから今まで信じてきた……もし、もしも兄上が愚かものだったら……わらわはお前以外の誰を信じればいいのだ……」
混し、遠くを見たままのグーシュを、ミルシャは抱きしめた。
(ああ、このお方は……僕がなければ……)
「大丈夫です……大陸全てがあなたを裏切っても、僕は絶対に……」
そのまま數刻ほどした頃、最初の野営場所にたどり著いた。
馬車から降りると、グーシュはいつものように兵士たちと一緒に火を囲み、同じ食事をとった。
その様子をミルシャは、し離れたところからホッとして眺めていた。すると、不意に聲をかけられた。
「ミルシャ殿」
「ハッ、はい。どうしましたか、隊長殿? 」
聲を掛けてきたのはこの部隊の隊長を務める近衛騎士だった。その表は険しい。
「本當に皇室用天幕をはらなくてもよろしいので?」
「グーシュ殿下のご希です。非常事態ゆえ馬車の床で十分とのこと。その代わり兵士たちの疲労をしっかりとり、萬全の狀態で子爵領にたどり著くようにと仰せです」
「ならばいい」
それを聞くと、険しい表のまま近衛騎士は去っていった。ミルシャは厳しい目で近衛騎士の背後を見る。
グーシュは大丈夫と言ったが、とても安心できる狀況ではない。
グーシュは行力も判斷力もあるし、人心掌握にも長けてはいた。もっともミルシャの見た所それは、グーシュと離れた立場の者たち、一般兵士や下級吏といった存在に限られた特技のようだった。
グーシュに近い立場になればなるほど、利と益でくグーシュについていけなくなってしまう。誰も、グーシュの利と益以外の部分には気がつけない。逆にグーシュは自分が當たり前だと思う利でく事を気味悪がり、距離をとって的に行する者たちが理解できない。同じ考えを持ち、慕っていた者たちが突然豹変するのが理解できない。故に明るく、豪放磊落に振る舞ってもその実休まることがない。
ましてやそれが自のであり、同類と思っていた存在であるなら……。
(これ以上グーシュ様に皇太子様を疑うような事は言えない……なら……)
「僕がお守りするんだ……」
主と兵士たちの笑い聲が響く野営地で、は強く誓った。
翌朝、夜のうちに水につけていた干しを、そのまま付けていた水ごと溫めたを朝食にすると、一行は天幕を片付けて出発した。
ミルシャは昨日の事を踏まえて、努めて普通に振る舞おうとしていた。會話の容にも気を使う。
「わらわはなんだかんだ言って甲冑が好きだな。重くて暑苦しいが、こんなわらわでも甲冑を著込むとが引き締まる」
「初耳です。いつも諸國の姫君が甲冑を著ていると、がしたいとしか言いませんから」
「そりゃはな……裝束なら兎も角鎧では何も出來ん。だが男なら鎧を著たままがいいな。いや、いっそずっと鎧を著込んだままの男がいれば最高だな。格好いいし、中の無骨での生えたを見んですむ」
「またそのようなことを……」
余談だが、皇室の者や各國の王族、認められた甲冑を持つ権利を授けられた者だけが公式行事や會議で全甲冑を著込むことが出來る。それほどまでに甲冑の持つ価値と格はこの大陸では重んじられる。
実の所、全金屬鎧が実戦で用いられた事はこの大陸では殆どなかった。
統一戦爭のし前、金屬技の発達で全金屬鎧の製造が可能になったのと、ほぼ同時に強力な石弓が普及した。
甲冑はこうなると期待の新防でもなんでも無い。ただの重くて著心地の悪い、高価な鉄の服に過ぎない。
ところがこの鉄の服に価値を見出したのが統一をし遂げたボスロ帝だった。
石弓によって軽裝鎧しか著ていない軍勢の中、行軍や実戦を度外視した全鎧を著込んだ偉丈夫であるボスロ帝は目立った。
前線での指揮はもちろん、會談や降伏を迫る際、その圧倒的な威圧は対峙するものを圧倒した。
統一戦爭の最中、薬式鉄弓が登場し、ますます甲冑の価値が下がると、逆に鉄弓を防ぐためにボスロの甲冑はますます大きくなり、やがて人間の郭がわからなくなるほど大きくなった。
やがてそんな重甲冑を著ることができるのは皇族だけとなり、鎧そのものや著る権利自を部下や屬國への恩寵とした。
だからこそ、皇族は甲冑の一族と呼ばれ、今回のような事態に際し、甲冑を著たものに応じるものは甲冑を著たものでなければならないのだ。
そんな會話をしていると、馬車が突如止まる。
ミルシャが何事か、と外に問うと、窓越しに顔を見せた隊長が、ガイス大橋を通るのでお靜かに、と言った。
ガイス大橋は帝都から一日のところにある橋で、迂回路のない子爵領と帝都を結ぶ唯一の道でもある。
下の川まで高さは50ダイス、大人の背丈50人分にもなり、もし落ちれば命はない。
しかも大橋とは言うが小さな子爵領へ向かう道のため、石が積まれたしっかりとした土臺と作りに反して道幅は狹い。
「転げ落ちるほどではありませんが、用心は必要です」
「すまんな隊長、よしなに」
「はっ。よし、隊を三班に分けるぞ! 先行、馬車護衛、後衛に……」
「いえ」
隊長の言葉を遮ったのはミルシャだった。グーシュと隊長が驚きの表を浮かべる。
「全隊で一列になって渡りましょう。萬が一に備える必要があります」
「……なるほど、襲撃を恐れておいでか? 」
「はい。ついでに言えば橋ごと僕たちを落とすことも警戒していました。あなた達が一緒なら、避けることが出來るかと……」
それを聞いて、グーシュは舌打ちをしてミルシャの肩を摑んだ。
しかし、隊長は不意に頬を引きつらせた。不自然だが、笑っているようだ。
「付き人として主を心配するその意気やよし。しかし考えが淺いですな。確かに我らがあなた達の敵対者の一員であるならば、なるほど我らごと橋を落とすことなどしますまい」
「そうです。失禮なのは承知ですが……」
「しかしもし、敵対者が不退転の決意を持っていれば我らごと落とすでしょう。もしくは我らが敵対者の仲間だとすれば、橋の真ん中で馬車を集団で落とすかも知れませんな」
「そ、それは……」
言いよどむミルシャの頭に、グーシュは拳を軽く落とした。
「馬鹿者が。兄上の裏切りの事を心配したのだろうが、この者たちが全員裏切り者ならばどのみち詰んでいるんだぞ……ごちゃごちゃ言わずにどっしり構えておれ」
「し、しかし殿下……」
涙ぐみグーシュの方を向くミルシャの頭を、グーシュは軽く抱きしめた。
「ほんとに馬鹿だな……昨日のわらわを見て考え込んでいたのか……悪いことをしたな……隊長殿、どうか気を悪く……」
「なんのなんの」
隊長は破顔して答えた。笑顔のつもりだろうが不気味だった。
「付き人の鑑(かがみ)ですよ、何を怒りましょうか。それに殿下、我ら一同気さくに接してくださる殿下を害することなどありません。事実今回の護衛は実力以上に殿下を慕うものを志願を募り集めました。ましては今は海向こうのとの初めての渉という一大事。派閥だのでくことではありません。それにですな……」
「「それに? 」」
主従の聲がきれいに重なると、隊長の笑顔は一層不気味になった。
「この大きな石橋を壊すような仕掛けなど出來ませんよ。この石橋を一気に壊すような仕掛けなど、殿下がここを通ることが決まってから用意することなど出來ませんよ」
隊長の笑い聲を聞きながら、深刻になっていたミルシャは赤面した。
結局、隊列は護衛と馬車を一度に渡した後、輜重隊を渡すことになった。
渡る前に馬車から顔を出したグーシャは、周りの兵士にお主たちも気をつけよ、と聲をかけた。ミルシャが周囲の兵の顔を見ると、なるほど、グーシュの言葉に破顔して喜びを表す兵たちばかりだった。
そしてミルシャが馬車の窓を閉じる。
それをみたグーシュは、高いところが苦手なミルシャに聲をかける。
「どうも高いところは苦手でな。こっちに來て手を握ってくれるか」
それにミルシャは、気遣いを知ってか知らずか「殿下は本當に高いところが苦手ですね」と答えると、グーシュの隣に移した。主従は固く手をつないだ。
瞬間、轟音が響いた。
誰もがそれを、大量の火薬が発した音だとは気が付かなかった。
薬式鉄弓しか火薬の使いみちが無く、そもそも火薬の生産を作硝丘と呼ばれる糞尿などをかけて硝石を人工的に生産する施設に頼り、ほとんど生産量が無い大陸において、誰もが聞いたことの無い程の大音量だった。
頑強さで知られたガイス大橋は、の數秒でグーシュとミルシャ、隊長。そして輜重隊五十を除く百五十の兵と共に濁流に飲まれていった。
帝都側の街道上では、突然の慘狀に兵たちが騒いでいる。
喧騒をよそに崖下では薬を炸裂させた男たちが功を喜んでいた。
「いかな化け皇でも、火薬を大量投することの威力は知らなかったようだな。そしてその乾坤一擲の策を、実行可能な火薬を準備していた我ら。カスティ殿下と我らの帝國をする心の勝利だ! 」
喜びに湧く男たち。しかしそのうちの一人が川を見ながら懸念そうにつぶやく。
「しかしこれでは死を確認できませんな」
川は川上で起こった雨で増水しており、馬車はおろか一緒に落ちた兵士の死すら見えなかった。
「この高さに水だ。よしんば生きていても流されて助かるまい。やつが空でもとべんかぎりはな」
そういって男たちは引き上げようと撤収の準備を行う。
不意に、上の兵士たちが再び騒ぎ始めた。
「なんだ? 」
黒盡くめの男たちもその喧騒に気がつく。その時、甲高い、キィィィィィィィっという聞いたことの無い、形容しようの無い大音量があたり一面に響いた。
「な、なんだ!? 」
「あ、あれを見ろ!? 」
濁流の真上を、甲高い音とすさまじい風を撒き散らしながら、炎のように揺らめく何かが下流に向かって飛んでいった。大きさはちょっとした家ほどもあるだろう。
「一何が起きているんだ? 」
男たちはすべからず混していた。無理も無い、今起きた出來事は彼らの理解をあまりに超えていた。
一部の兵は剣や弓矢を取り出し、意味もなく周囲を警戒しだした。いや、意味はあったが、あまりに遅く、力不足だった。
「あ」
間の抜けた聲と共に、武を構えた男たちが次々に倒れだす。
隊長の男が警戒すると、何やらパシュ、パシュという音がするたびに仲間が倒れていた。
とうとう、武裝した男たちが全員倒れ伏すと、あたりに人間程の大きさの炎がゆらゆらと現れ、周囲を囲む。
次の瞬間、丸い鉄兜を被り、足首まである外套を著込んだ達が現れた。こちらに黒い長方形の箱の様なを向けている。その先端には腕ほどの長さの剣がついていて、それを威嚇するように向けてくる。
そして流暢なラト語で話しかけてきた。
「両手を上げて、地面に這いつくばれ。早くしろ」
「畜生……本當に化けが出てきやがった……気の無い聲しやがって……」
「早くしろ」
「ああ、くそ刺すなよ、畜生……」
「特務4課β2より管制ジブリール、対象を確保。これよりルニ宿営地に護送する、送れ」
『ジブリールよりβ2、了解した。カタフラクトを一機派遣する、その場で300待機、送れ』
崖下で謎のと衛星軌道の會話が行われる中、崖上の喧騒は一段落し、早馬が帝都へと報告に向かった。
翌日の朝。
帝都にグーシュリャリャポスティ以下百五十名が橋の崩落のため行方知れずという連絡が行われた。
報告を聞いた皇帝は王笏を取り落し、皇太子は呆然と立ち盡くしたという。
意見・想・誤字・字等ありましたら、よろしくお願い致します。
皆さんの閲覧、ブックマークが勵みです。
兄と妹とVRMMOゲームと
想いを幻想へと導く世界、VRMMORPG『創世のアクリア』。 蜜風望はそのゲームをプレイしている最中、突然、ログアウト出來なくなってしまう。 ギルドマスターであり、友人である西村有から『ログアウト出來るようになるアイテム』を生成すればいいと提案されるが、その素材集めに向かったダンジョンで、望は一人の青年に出會った。 青年は告げる。 彼の妹である椎音愛梨に、望のスキルを使ってほしい、と。 これは、二組の兄妹の想いが、奇跡を呼び寄せる物語ーー。 第4話以降からは、ログアウトできるようになり、現実と仮想世界を行き來することになります。 第9話と第26話と第83話と第100話と第106話と第128話と第141話と第202話と第293話と第300話のイラストを、菅澤捻様に描いて頂けました。 挿絵に使用してもいいという許可を頂けたので掲載しています。 菅澤捻様、ありがとうございます。 ☆がついている話數には、挿絵があります。 この小説は、マグネット様とノベリズム様にも投稿しています。 第二百六十八話からの更新は、一週間に一度の更新になります。
8 166ニジノタビビト ―虹をつくる記憶喪失の旅人と翡翠の渦に巻き込まれた青年―
第七五六系、恒星シタールタを中心に公転している《惑星メカニカ》。 この星で生まれ育った青年キラはあるとき、《翡翠の渦》という発生原因不明の事故に巻き込まれて知らない星に飛ばされてしまう。 キラは飛ばされてしまった星で、虹をつくりながらある目的のために宇宙を巡る旅しているという記憶喪失のニジノタビビトに出會う。 ニジノタビビトは人が住む星々を巡って、えも言われぬ感情を抱える人々や、大きな思いを抱く人たちの協力のもと感情の具現化を行い、七つのカケラを生成して虹をつくっていた。 しかし、感情の具現化という技術は過去の出來事から禁術のような扱いを受けているものだった。 ニジノタビビトは自分が誰であるのかを知らない。 ニジノタビビトは自分がどうしてカケラを集めて虹をつくっているのかを知らない。 ニジノタビビトは虹をつくる方法と、虹をつくることでしか自分を知れないことだけを知っている。 記憶喪失であるニジノタビビトは名前すら思い出せずに「虹つくること」に関するだけを覚えている。ニジノタビビトはつくった虹を見るたびに何かが分かりそうで、何かの景色が見えそうで、それでも思い出せないもどかしさを抱えたままずっと旅を続けている。 これは一人ぼっちのニジノタビビトが、キラという青年と出會い、共に旅をするお話。 ※カクヨム様でも投稿しております。
8 177ロシアンルーレットで異世界へ行ったら頭脳派の魔法使いになっていた件【三部作】
派遣社員プログラマー・各務比呂(カカミ・ヒロ)、二十六歳。天涯孤獨なヒロは、気がつくと見たこともない白い部屋に居た。其処に現れた汎世界の管理人。管理人はヒロの世界は管轄外だから帰してやれないと告げる。転移できるのは管理人が管轄している世界のみ。だが無事に転移できる確率はたった十パーセント! ロシアンルーレットと化した異世界転移に賭けたヒロは、機転を利かせて見事転移に成功する。転移した先は剣と魔法が支配する世界。ヒロは人々と出會い、様々な経験を重ね、次々と襲い掛かる困難を機転とハッタリと頭脳で切り抜けていく。気がつくと頭脳派の魔法使いになっていたヒロは、元の世界へと帰る方法を探しながら、異世界の秘密に挑んでいく。冷靜沈著な主人公が無盡蔵の魔力を手に知略と魔法で異世界を無雙する物語! ◆3月12日 第三部開始しました。109話からです。週1~2話程度のゆっくり更新になります。 ◆5月18日 タイトル変更しました。舊タイトルは[ロシアンルーレットで異世界に行ったら最強の魔法使いになってしまった件]です。 ◆7月22日三部作完結しました。 第四部は未定です。 中世ヨーロッパ風異世界のファンタジーです。 本作品の八千年前の物語 「絶対無敵の聖剣使いが三千世界を救います」(舊題:覚醒した俺は世界最強の聖剣使いになったようです)連載始めました。 URLはこちらhttp://ncode.syosetu.com/n2085ed/ どうぞよろしくお願いいたします。 以下の要素があります。 SF、ファンタジー、パラレルワールド、群、ドラゴン、振動數、共鳴、エレベータ、ボタン、たがみ、ロシアンルーレット、三千世界、結界、神、祝福、剣、モンスター、ファーストコンタクト、精霊、団子、金貨、銀貨、銅貨、商人、交渉、タフネゴシエーター、契約、古語、禁則事項、餞別、葡萄酒、エール、ギャンブル、賭け、サイコロ、ナイフ、魔法、盜賊、宿、道具屋、胡椒、酒場、マネージャー、代理人、ギルド、杜、干渉、指輪、茶、王、神官、鎖帷子、チェーンメイル、クエスト、ゴブリン、焼、炎、図書館、虹、神殿、耳飾り、闘技場、マナ、オド、復活、墓、アンダーグラウンド、眼、迷宮、地図、パーティ、ミサンガ、バリア、異世界、チート、俺TUEEE、ハーレム、謎とき、ミステリー 以下の要素はありません。 ス/テータス要素
8 167ステータス、SSSじゃなきゃダメですか?
最強にして至高。冷酷にして無比。従順にして高潔。人間の間でそう伝わるのは、天魔將軍が一人《瞬刻のヴィルヘルム》。これまでにステータスオールSSSの勇者達を一瞬で敗北へと追い込み、魔王の領土に一切近付けさせなかった男である。 (……え? 俺その話全然聞いてないんだけど) ……しかしその実態は、ステータスオールE−というあり得ないほど低レベルな、平凡な一市民であった。 スキルと勘違い、あと少々の見栄によって気付けばとんでもないところまでのし上がっていたヴィルヘルム。人間なのに魔王軍に入れられた、哀れな彼の明日はどっちだ。 表紙は藤原都斗さんから頂きました! ありがとうございます!
8 157同志スターリンは美少女です!?
歴史にその悪名を知らしめるスターリンは美少女になりました。その中身は日本の元社會人ですが、何の因果か女の子スターリンの中身になりました。 なので、第二の祖國、ソビエト社會主義共和國連邦。通稱USSRを戦禍から守っていこうと思います。 やることの多いソ連ですが、まずは國內のゴミ掃除から始めましょう。 いや、割とマジで國內の腐敗がヤバイのです。本當に、頭を抱えるくらいに真剣に。 あと、スターリンの著しいイメージ崩壊があります。 *意味不明な謎技術も登場します(戦力には関係ありませんが、ある意味チートかも)
8 165出雲の阿國は銀盤に舞う
氷上の舞踏會とも形容されるアイスダンス。その選手である高校生、名越朋時は重度のあがり癥に苦しんでおり、その克服の願をかけに出雲大社を訪れる。願をかけたその瞬間 雷のような青白い光が近くにいた貓に直撃!動揺する朋時に、體を伸ばしてアクビをすると貓は言った。『ああ、驚いた』。自らを「出雲の阿國」だと言う貓の指導の下、朋時はパートナーの愛花とともに全日本ジュニア選手権の頂點を目指す。 參考文獻 『表情の舞 煌めくアイスダンサーたち』【著】田村明子 新書館 『氷上の光と影 ―知られざるフィギュアスケート』【著】田村明子 新潮文庫 『氷上の美しき戦士たち』【著】田村明子 新書館 『DVDでもっと華麗に! 魅せるフィギュアスケート 上達のコツ50 改訂版』【監】西田美和 メイツ出版株式會社 『フィギュアスケートはじめました。 大人でもはじめていいんだ! 教室・衣裝選びから技のコツまで 別世界に飛び込んだ體験記』【著】佐倉美穂 誠文堂新光社 『フィギュアスケート 美のテクニック』【著】野口美恵 新書館 『表現スポーツのコンディショニング 新體操・フィギュアスケート・バレエ編』【著】有吉與志恵 ベースボール・マガジン社 『バレエ・テクニックのすべて』【著】赤尾雄人 新書館 『トップスケーターのすごさがわかるフィギュアスケート』【著】中野友加里 ポプラ社 『絵でみる江戸の女子図鑑』【著】善養寺ススム 廣済堂出版 『真説 出雲の阿國』【著】早乙女貢 読売新聞 また阿川佐和子氏『出雲の阿國』(中公文庫)に大きな影響を受けておりますことを申し述べておきます。
8 156