《「気がれている」と王家から追い出された俺は、自説通りに超古代銀河帝國の植民船を発見し大陸最大國家を建國する。 ~今さら帰って來てくれと言っても、もう遅い! 超テクノロジーを駆使した俺の建國史~》キートン

「――はっ!?

ここは誰!? 私はどこ!?」

どうやら、機に突っ伏して眠っていたのだろう……。

がばりと上を起き上がらせた俺は、同時にそうんだ。

「質問が逆になっていると解釈します。

ここは『マミヤ』の食堂で、あなたはマスター……アスル様です」

かたわらに控えていたイヴが、俺にそう説明してくれる。

からにした食類がないところを見ると、寢ている間に片づけてくれたようだ。

「そうか……俺は……眠ってしまったのか……。

――なんで?」

「おそらく、急激に栄養を摂取してが驚いたのでしょう。

その証拠にスキャンした結果、現在のマスターは萬全の狀態です。

それもこれも、私が調合したドリンクのおかげですね」

「そうか!

言われてみればが軽い……。

イヴのおかげだな!

ハッハッハッハッハ!」

「はっはっはっはっは」

俺の笑い聲に、新人役者のようなたどたどしい笑い聲でイヴが追従した。

からは不思議と活力が湧いてくるし、口の中はすごくスッキリしてるし、あれは本當にすごい飲みである。

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でも、不思議と二度と飲みたくはないゾ!

「マスターの衛生狀態及び、栄養狀態が改善されたことを確認しました。

以後の指示をお願いします」

ひとしきり笑い合った後……。

常に彩の変化する髪を揺らしながら、イヴが無表にそう訊ねてきた。

「指示……。

指示、か……」

エイヨウ、とやらが全を巡ったおかげだろう……。

冴え冴えとした頭を駆使し、考える。

「特に何もないようでしたら、用意させていただいたお部屋でお休み頂くことも可能ですが?」

「いや、イヴのおかげで疲れも眠気も不気味なくらい吹き飛んでいる。

ここは一つ、この船――『マミヤ』についてお勉強がしたいな」

「勉強、ですか」

まるで、糸にられているかのような……。

獨特のきで、イヴが首をかしげる。

「それは、どのような勉強でしょうか?

本船のスペックを知りたいのか、もしくは造船の経緯について知りたいのか……。

それとも、他の何かについて知りたいのかで、提示するデータが異なります」

「それらに関して、イヴが教えてくれるということか?」

「イエス。完璧なデータを提示します」

相変わらず表に乏しいというか、全くの無であるが……。

間髪れずに即答した姿からは、絶対の自信がうかがえた。

「そうだな……この船がどのような経緯で造られたのか……。

そして、俺のご先祖はなぜこれを眠らせたのか……。

確かに気にはなる、が……」

言葉をつむぎながら、考える。

これは、長いこと『死の大地』をさすらう中でに著けた悲しい習慣であった。

「……今は、過去よりも未來のことを考えたいな。

イヴ、あらためて聞こう。

この大空の上には、俺たちが『死の大地』と呼んでいる広大にして不の荒野が広がっている……。

それを緑あふれる土地に変えることは可能と聞いたが、的にどのようにやるのか教えてくれ」

「承知しました。

それでしたら、実際にモジュールをご覧いただくのが早道であると判斷します」

「モジュール?」

「この船に搭載された三大モジュールの一つです。

極めて便利な道、とお考えいただければ間違いありません」

「便利な道、か……」

おそらくは、魔道のようなものだろうか……。

超古代文明が作り上げた、『死の大地』をも作り変えられる道……。

こいつは、俄然(がぜん)興味が湧いてきた!

「よし、見よう。

そのモジュールとやらに、案してくれ」

「承知しました。

キートンの格納庫へと案します」

シャワールームやこの食堂へ案された時と同様……。

俺はイヴにうながされ、船を歩んだ。

--

部屋そのものが上下へ移する、エレベーターなる奇怪な乗り? などを用いてたどり著いたそこは、どうやら『マミヤ』の船腹部に存在するようだ。

「ここは……ずいぶんと広い空間なんだな?

ここまでの狹い通路が、噓みたいだ」

格納庫なる巨大な空間を見渡しながら、俺はそうつぶやく。

素早く目測してみるが、天井までは20メートル以上あるだろう……。

積はといえば、これはもうどれほどだろうか?

間違いなく、王都の大神殿が誇る講堂よりも広い。

「格納庫は空間圧を用いていますので、実際にこの大きさがあるわけではありません。

後學までに、覚えておいてください」

よく分からないが、見かけの大きさとは違うということか?

……本當に、何から何まで不思議な技で造られた船だ。

そんな船の、格納庫……。

そこには、やはり不思議なが三つばかり存在していたのである。

「鋼鉄の……巨人……」

見たままに、特徴を言い表す。

そう……。

それらは、全を見たこともない沢の金屬で形された、巨人であった。

それぞれ、特徴的な姿をしており……。

のいずれもが、片膝をつく形で靜止している。

「これらは、當船が誇る三大人型モジュールであり、いずれもマスターの目的を助ける役に立つ存在です」

腰まで屆く髪を七にきらめかせながら、イヴが俺にそう告げた。

「そして、今回のオーダーに最も沿った能力を持つのがこちら。

自立式人型地上開発モジュール。

識別ネーム『キートン』です」

イヴが三、真ん中でひざまずく巨人を片手で指し示す。

「キートン……」

俺はその巨人の名を、反芻(はんすう)するようにつぶやく。

まるで、イカに人間の四肢を生やしたかのような……。

一見すれば、そのような印象を抱く意匠である。

人間でいう顔にあたる部位は鼻と目のような部品こそ存在するものの、口と呼ぶべき部位はなく……。

頭頂はこれもイカの先端部によく似た帽子狀となっており、そこだけを見れば神かはたまた料理人かという裝いであった。

そんな風に、しげしげと観察していたその時である……。

キートンの両眼部にが燈り……。

人間に比べ明らかに可部のない首が回り、俺の方を見據えたのだ。

『オレ様がキートンだ。

よろしく頼むぜ、マスター』

「あ、ああ……よろしく。

お前も、しゃべれるんだな?」

いい加減、超古代の技にも慣れつつある俺が若干臆しながらそう答えると、それが笑いの表現なのだろうか……キートンの両目がチカチカと點滅する。

『オレ様たちの人工頭脳は特別品だぜ?

話すくらいはわけもない。その気になれば、ジョークだって言えらあ。

上手に使いこなしてくんな。マスター!』

「ああ……必ず使いこなしてみせる!」

キートンたち三大モジュールとやらは、いずれも全長9メートルほどはあり……。

さすがに握手することはかなわないので、握り拳をかかげることでその意思を示す。

それが、三大モジュールの中で最も多く働いてもらうことになる忠臣――キートンとの初顔合わせだった。

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