《「気がれている」と王家から追い出された俺は、自説通りに超古代銀河帝國の植民船を発見し大陸最大國家を建國する。 ~今さら帰って來てくれと言っても、もう遅い! 超テクノロジーを駆使した俺の建國史~》方針決定

そのような日々を過ごし……。

俺たち十人は今、『マミヤ』の中に存在するブリーフィングルームへと集まっていた。

一週間も一緒に過ごし、共に超古代の技へ驚き、共に各種裝置や攜帯裝備の使い方を學ぶのに苦心し、共にゲームを遊び、時にリアルファイトで語り合った仲間たち……。

今では、それなりに気心も知れつつある彼らに語りかける。

「俺たちはこの一週間、『マミヤ』の能力を知るために悪戦苦闘した……。

その甲斐(かい)もあって、今ではおおよそのところを把握することができたと思う」

皆を見回すと、いつ何時でも無表なイヴを除いた全員が自信ありげな表を浮かべ、軽くうなずく。

俺の言葉を肯定する証として、俺とバンホーたちサムライは先週とやや裝いが異なっている。

著ている服は同じ、『マミヤ』で手にれた機能的な服であるが……。

その腰には、船で手にれた『ブラスター』なる個人用火をホルスターにれ、ぶら下げていた。

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俺はブラスターだけだが、サムライたちは大小のカタナも左腰に差しているのでなかなかの重裝備である。

イヴから使い方に関しての説明をけ、その威力を実際にし攜帯するようになってなお、カタナを捨て去ることはできない。

彼らにとって、カタナは単なる刃以上の存在であるのだ。

……これを狩り集め、のきなみ破卻した皇國の所業たるや、獣人たちにとっては鬼畜以上のそれであったことだろう。

さておき、俺は全員を見回しながらあらためてこう宣言する。

「時はきた……。

今こそ、この一大事業に取り組もう。

そう――」

「――全スター手リアルタイムアタックへの挑戦、ですな」

したり顔で先の言葉を奪ったバンホーへ、深くうなずく。

「その通りだ。

大変な困難がつきまとうのは間違いない。

コントローラーをる指先の技、チャートの暗記力、失敗した際のリカバリー能力……。

全てが試されることになるだろう。

だが、何日かかったとしても、必ずや超古代人の記録を打ち破り――ちがう、そうじゃない」

思わず乗っかってしまったが、すぐさまそれを否定する。

見れば、イヴは無表に……ウルカは苦笑いを浮かべていたが、バンホーらサムライは極めて真面目な表だ。

まさかとは思うが、マジで言ったわけじゃないよな? 俺も一緒になって遊んではいたが、お前たちゲームのこと気にりすぎだろ。

ちょっと話の腰が折れてしまったので、気を取り直すため會議開始前に用意されていた緑茶を飲む。

湯呑みへ注がれたそれは、ウルカが手ずかられてくれたものだ。

この一週間、彼は炊事や洗濯などに関する設備の使い方を學んでくれていたのである。

うん……味しい!

「ふう……。

冗談はさておき、これから俺たちが取り組むのはただ一つ。

『死の大地』への本格的な植、すなわち――隠れ里作りだ」

ブリーフィングルームの特徴である、大円卓に據え付けられたキーボードとマウスをり、事前に用意していた畫像を選択した。

すると、大円卓そのものがモニターの機能を発揮し、俺が選択した畫像が映し出されたのである。

映し出された畫像は――寫真だ。

上空から見下ろした、極めて詳細な航空寫真……。

『マミヤ』が誇る三大モジュールの一人に、撮影してもらった品である。

彼に関しては、後々説明することになるだろう……。

「これが『死の大地』及び、その周辺の寫真図……。

こうして見ると、いかにここが枯れ果てた荒野であるかがうかがえるな」

寫真を見ながら、苦笑いする。

この五年間、さまよい続けた『死の大地』……。

それは上空から見下ろすと、赤黒い荒野のみで構された、大陸の空き地とでも呼ぶべき様相を呈していた。

東部は海岸地帯となっており……。

北側はファイン皇國、南東側は懐かしきロンバルド王國と面している。

西側から南西部にかけて接しているのは、ザンロの大山脈だ。

切り立ったという表現がふさわしいこの山脈地帯は、さながら大自然が生み出した巨大な壁であり……接しているとは言っても、人の足による往來は到底不可能である。

『マミヤ』に殘されていたRPGで例えるなら、空を飛ぶ乗りでなければ越えられないような地形だな。

そんな『死の大地』のへ(・)そ(・)に當たる部分は、よくよく見れば緑の點が存在しており……。

マウスを作し拡大してやると、その點は我々の現在地――キートンが作り出した緑地地帯と、その傍らへ停泊する『マミヤ』を見下ろしたものになった。

「キートンの力を知るために作ってもらった緑地地帯だがな……。

せっかく作ったのだ。これを活かさない手はない。

まずはこの場に、俺たち十人が生活していけるだけの隠れ里を作ってみよう」

「いよいよ、獨立勢力を立ち上げるための第一歩が始まるのですね?」

ウルカの言葉に、うなずく。

「そうだ……。

これは言うなれば、先々を見據えた実験だ。

この先、俺たちが目指すのは獨立勢力としての臺頭であり、建國。

そのためには人を集めることが必須であり、集めた人間が生くる場を作り出すこともまた必須。

そのようなわけで、まずは俺たち十人が暮らしていけるだけの隠れ里を『マミヤ』の外に作り出す」

ペイント機能を使い、地図上に小さな家のようなアイコンを描く。

「この試みが上手くいけば、あとは徐々に人を集め、同じように緑地を広げ隠れ里から集落へ、集落から町へ、町から國へと拡充していく……。

さながら、出世魚のごとく勢力を大きくしていくというわけですな……?」

「そうだ」

今度は真面目なことを言ったバンホーに、同意の意を示した。

余談だが、この青寫真で問題となるのは「いかにして人を集めるのか?」という部分である。

が、これに関しては二つばかりの當てがあった。

俺がこの五年間、心に描いてきた案とバンホーが提案した案である。

まあ、まずはここにいるメンバーだけでの生活基盤を築くのが先決だ。人集めに関しては今後語るとしよう。

「ともかく、どれだけ巨大な城を築くにしても、最初は一つの石を積み上げることから始まる……。

各々(おのおの)方にも、心して挑んでもらいたい」

そう言って見回せば、全員が力強いうなずきを返してくれた。

……心強いことである。

「では、さっそく取りかかるとしよう!

各自の作業分擔に関しては、あらかじめイヴに計畫を立ててもらった。

――イヴ」

「はい。

まずは、太発電システムの設置に関してですが――」

俺にうながされ、イヴがいつもの無な聲で計畫を説明していく。

しかし、その髪がいつも以上に目まぐるしく合いを変化させているのは……。

いよいよ本領が発揮できることに、喜びをじているからかもしれなかった。

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