《「気がれている」と王家から追い出された俺は、自説通りに超古代銀河帝國の植民船を発見し大陸最大國家を建國する。 ~今さら帰って來てくれと言っても、もう遅い! 超テクノロジーを駆使した俺の建國史~》奴隷ヒロイン登場! 中編

気のせいか……。

はたまた、空耳か……。

先ほどから、「ゴゴゴゴゴ……」という音が聞こえてくる。

「あんなの、これまでのどの描寫にも存在が書かれてなかったじゃねーか!? どっから湧いて出た!?

つーか、あんながこの世にいてたまるか!」

俺は世紀末からやって來た筋覇王のごとき人――オーガを指差しながら、イヴにまくし立てた。

「マスター、それは重大なセクシャルハラスメントです。

――オーガは立派なです。

ご覧ください。あの満なバストを」

満なバストってのは、鎧のような板を差す言葉じゃねえ!

よしんば、あれがだったとしてだ!

本當にどっから湧いて出た!? 一度見たら夢にまで出てきそうなツラしてるじゃねーか!」

ツバとかまき散らしそうな勢いで問いかける俺に、イヴが涼しげな顔で返す。

「急激に長したのです。

マスターからけた恩を、返せる領域(レベル)まで」

「どんな返し方をするつもりだあああああっ!?

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これ! 俺の建國史ぃっ! モヒカンザコとか率いる覇王とか出て來られても困るの!」

俺たちがそんなことを言い合っている間にだ……。

「來るがいい! ゴルフェラニ!」

果たして、どこへ向かって聲をかけているのか……。

ともかくオーガが、何者かの名前をぶ。

すると、である。

――ヒヒーン!

どこからともなく……巨大な馬? が現れたのだ!

疑問符を付けてしまうのは、致し方のないところだろう。

その全長――おそらく六メートル以上!

キートンやカミヤの元くらいまである大きさなのだ!

面構えはまさしく、威風堂々!

にふさわしい極太の足であるが、その歩みのなんと軽やかなことか……。

見るがいい!

モヒカンザコの一人が手綱を引こうとすると、空を裂く音すら聞こえそうな恐るべき鋭さの跳び蹴りを放ってみせたのである。

もし、この巨大馬の背後に誰かが立っていたのならば……。

その者は、ただの一撃で塊へと変じていたに違いない。

「あれは……?」

に黒のたてがみを備えた巨大馬がオーガへ歩み寄るのを見ながら、恐る恐るイヴへ尋ねる。

「あの馬の名はゴルフェラニ。

オーガがい頃から苦楽を共にしてきた馬です」

「だからどこから湧いて出たあああああっ!?

これまでの! どこにも! あんな馬の存在は描寫されてなかっただろーが!?」

「現にいるのだから仕方がありません。

主の命令に忠実な、とてもいい子ですよ」

「ぜってー噓だろそれ!

俺、小さい方の兄貴が馬好きだから々教えてもらってたけど、あんなに飢えた顔した馬なんか見たことねーぞ!

間違いなくこれまでに二、三回は人殺してきてるって! あれ!」

俺が指を差せば、現にモヒカンザコの一人が上半丸ごともっちゃもっちゃと噛まれ……というか飲み込まれていた。

いや、周りの奴らも見てねーで助けろ!

駆け寄りたいところだが、明らかに自治區で戦った頭目魔より強い。勝てる気がしない。

手をこまねきながら見守っていると、オーガがどこからともなく角砂糖を取り出す。

すると、ゴルフェラニはペッとモヒカンザコを吐き出し、それをぱくつきだした。

「ふふ……(う)い奴よ。

それでこそ、この我がまたがるにふさわしい!

――者共! 続けい!」

満足げな笑みを浮かべたオーガが、重さをじさせぬひらりとした作でゴルフェラニにまたがる。

するとおお……これこそ人馬一

畫家がこれを見たならば、涙を流しながらスケッチし始めるに違いない。

そうと確信できるほどに勇壯で、まことに絵になる景が出來上がった。

――ヒャッハー!

主――いや主は俺のはずだけど――に呼びかけられたモヒカンザコたちが、やはりどこからともなく出てきたバイクへ次々とまたがる。

「いや、だからさっきから存在しないはずのもんをポンポン出すなああああああっ!

テメーら! そのバイクどっから持ってきやがった!?」

「あれは私が『マミヤ』で製造しました。

キートンが石油採掘に功したのは良かったのですが、あれは製過程で必ず全種の油を生み出してしまうため、ガソリンが余っていたのです」

「許可を取れ! 許可を!

というかお前、さっきからやけに奴らの肩を……ん?」

そこで俺は気がつく。

果たして、何をどうしたのか……。

隣にいたイヴの姿が――ない!

「オーガ、そろそろ栄養補給の時間です」

「むう……いつもすまぬな、イヴ」

「このくらいはお安いご用です」

イヴの姿は、ゴルフェラニへまたがったオーガの傍らにあった。

それのみではない……。

やはりどこからともなく取り出したバカでかいタンブラーを、オーガに手渡しているではないか!

しかも、それにっているのはただの飲み水ではない。

タンブラーから漂う、悪夢のごとき合いをした湯気……。

ここからでも、コポコポという音が聞こえてきそうなそれを放つのは、間違いない……。

すっかり存在を忘れていた――イヴの特製ドリンク!?

「ふうん!」

とても、飲みを口にするとは思えないかけ聲を上げながら……。

オーガが、それを一口で飲み干す!

すると……おお……どうしたことか……。

ミリ……ミリリ……!

……と、ここからでも聞こえるくらいの音を鳴らしながら、彼? の筋がさらに大化し厚みを増したではないか!?

「ふぅーむ。

やはり――味い!

イヴよ……貴様が作った特製ドリンクに、我が筋も喜びの聲を上げておるわ!」

「力になれたのなら、幸いです」

なるほどなるほど……。

そーかそーか……。

…………………………。

「お前が原因かあああああっ!?」

さっきからツッコミっぱなしで、俺も飲みしくなってきたが……。

殘された力を振り絞り、ぶ!

もうやだ! 小生やだ!

父ちゃん! 大兄ちゃん! ちー兄ちゃん!

俺が悪かったから! 謝るから! ざまあっぽいことしないから!

誰でもいいから助けに來てくれえええええ!

「これで萬事整った! ゆくぞ!

――我らが覇道をなすために!」

――ヒャッハー!

ゴルフェラニへまたがったオーガを先頭に、バイクに乗ったモヒカンザコたちが続く。

彼らが目指すのは、戦いの荒野に違いない……。

「いやどこへ行くつもりだお前らああああああっ!?」

つっこむ俺であるが、その聲は屆かない。

オーガたちが覇道へまい進しようとした、その時である。

『待て!

……貴様らの好きにはさせんぞ!』

彼らの前へ立ち塞がる、巨大な人影が現れたのだ。

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