《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第6話 MKⅠ①
「いやだ。斷固拒否する」
僕は醫務室のベッドの上で、そうんだ。
その傍らには逢初(あいぞめ)さんがいて。
その手には、ピンクの生地にうさぎと犬のアップリケをい付けた、前かけが持たれていた。
「ね。暖斗くん。かわいいじゃない。わたしのエプロンとおそろいだよ。著けようよ。その方がパイロットスーツ汚れないし」
逢初さんがそう言うのも解る。れっきとした理由がある。パイロットスーツは2著しかないんだから。僕もそれは十分理解しているつもりだ。でも。
昨日のDMT(デアメーテル)戦の後、醫務室に運び込まれて20時間、2日目の晝を迎えていた。一晩寢て大分がくようになった僕の朝食は、おかゆとか野菜のペーストになった。
やった! 普通の食事だ。
もうミルク飲まなくていい!! って喜んだもの束の間、やっぱり自分で用に食べれる程は回復できて無かったので、逢初さんに食べさせてもらった。
う~ん。まあ、いわゆる、え~と、あの。ミルクと同じ
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「はい。あ~ん」
だったんだけど。超接近戦での、ね。
その時僕は、ぜんぜん上手く食べることができなくて。結局逢初さんに手伝ってもらうしかなかった。その結果をけて晝食では、このカワイイカワイイ、アップリケがついた前かけを著けるという、大変理不盡な罰ゲームを強要されてしまった訳だ。
*****
「結局それで、その 児(ベイビー) 的な前かけは著けたの?」
僕にそう聞いたのは、出撃準備中の麻妃(マッキ)だ。
前かけ事件から、さらに1日後、僕は人型兵DMT(デアメーテル)に搭乗して、デッキで出撃を待っていた。Bot発見の報をけての、インターセプトだ。
「‥‥‥‥聞かないでよ。報早すぎるでしょ」
「あははは。新兵(ベイビイ)がホントに赤ちゃん扱いされてるって、ウケる」
「悪い冗談‥‥イヤ悪夢だよ!」
僕は、発進OKのグリーンシグナルを確認すると、スロットルを踏み込んだ。
「暖斗(はると)くん、あそこな。マーカー付けといたから。あそこから侵して」
インカムの向こうで麻妃が言う。僕はモニターを確認して返答。
「ちょっと判りにくいから、そっちのカメラの報も寄こして。3 Dマップにしよう」
「了解!」
うまく、麻妃が付けたマーカー付近に降下できた。DMTの肩や腰など、各所の反重力裝置、フローターがり、ふわっと浮くようなじで著地する。目標のBotは、180 mほど先にいた。
回転槍(サリッサ)にエネルギーを回し、予備回転をスタートさせる。ガリガリと始音がする。
「よっし。回転數規定値をクリア。暖斗くん、先制して」
麻妃の聲を聴いた僕は、
「突撃(アサルト)!」
と短く呟くと、そのままBotに突っ込んでいく。
Botは、機にエネルギーを振り分けているようだった。かなりの速さで後進していく。前に出ながらサリッサの刺突を當てたが、逃げる敵には深手にならかなった。
森の木々が高速で傍らをすり抜けていく中、やっとBotを捕捉すると、裝甲の隙間にサリッサを突き立てた。
ガリガリガリッ!!
回転刃の刃先に十分な手ごたえがあった。部機まで屆いたようだ。そのままさらに力を込める。
ガリカリ‥‥バチッ!!
斷末魔のような音がしてBotは活停止した。槍の刃部を引き抜いたところで。
「ぬっくん!!」
麻妃がインカム越しにんだ。彼は、テンパるとよく僕を昔のあだ名で呼んでしまう。
「3機、母艦に行かれた!」
「ええ!?」
僕は普通に驚いた。母艦を守るために出撃したのに、母艦を攻められたら意味無いじゃん。
「今の1機深追いしたのがマズかった。まさかそういう罠だったとは考えにくいけど」
いつも飄々としてる麻妃も、し慌てていて。
「‥‥MK(マジカルカレント)使おう」
僕から言った。――僕は、七道 璃(り)湖(こ)の言葉を思い出す。
*****
僕は昨日、夕食後に検査をけて、自室に戻るOKをもらった。もちゃんとけるようになってた。
一旦自室に戻ってからシャワーを浴び、ハンガーデッキへ向かった。
早く自室で羽をばしたかったけど、気になる事があったから。
ハンガー、――DMTが格納されていて、その整備も行われてる所だ。艦フロア1 Fの廊下の先、艦前部。隔壁も兼ねている金屬製の分厚いドアを開けると、鉄臭さと機械油の匂いの立ち込めたハンガーデッキのエリアにる。
七道さんはすぐ見つかった。し茶がかった短い髪、背は低い方。グレーの作業著のポケットに両手を突っ込み、僕のDMTを見上げていた。
「お、『ケラメウス』君。何? メール読んだよ? タメ口でいいんだって?」
彼は、僕を見るなりそう言った。
「何? 『ケラメウス』って?」
「パイロットの正式な呼稱さね。私ら海軍中等工科學校(こうか)の機械科の界隈は、そう呼んだりするから、覚えとくといいよ」
ふ~ん。そうなのか。
僕らの國、絋國では、同級生なら、子は男子に敬語、最低でも丁寧語は使う。僕はそういう堅苦しいのが嫌いなので、フランクな言葉使いにしてもらえるよう全員用のメールに書き込んでいた。
「うん。わかった。あと、タメ口OK。ぜひそうして」
と、僕は答えた。
「なんだ、こっちからそうしてもらおうかと考えてたとこだったんだ。じゃ、今後『暖斗(はると)くん』と呼ぶぞ。変更はねーかんな?」
思えば彼は、他の子には全員にこんな言葉使いだったし、僕にも最初からこういう言葉使いだったような。そういうキャラなのか。
「もちろんいいよ。それで七道さん、ちょっと聞きたい事があるんだけど?」
「‥‥MK(マジカルカレント)か?」
「え、何で判ったの?」
「昨日一晩醫務室だったんだろ? 自分のがかなくて寢込んだら、そりゃあ、MK(マジカルカレント)がどんなもんか、知っときたくなるだろ?」
「そうなんだよね。それに、次の出撃で、そのMKの後癥が出ないように戦えないかなって、思ってさ」
僕の言葉に七道さんは大きく頷いた。
「わかったよ。MK(マジカルカレント)についてザックリ説明する。で、それについて私から一言」
「何?」
「こっからは専門的なハナシになるから、興味のない方はブラウザバックしてくれ」
「‥‥は?‥‥誰に向けての!? そういう畫の見すぎたよ」
「すまん。一回言ってみたかったんだ。じゃあ、いくぞ」
彼はそう言うと、ナゾの後癥――マジカルカレントについて話しだした。
※ 次回は 設定説明回です。興味ない人は回避を!
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