《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第7話 A2/AD①
「そして、第3の謎な」
七道(ななみち)璃(り)湖(こ)は、ハンガーデッキのパイプの手すりに寄りかかりながら、僕、咲見(さきみ)暖斗(はると)を指さした。
「君はをもって経験したと思うけど」
そう、僕のに起こったこと。
「MK(マジカルカレント)の、後癥候群だね」
そう答えると、七道さんは大きく頷いた。
「そう! 後癥候群の醫學的な話は逢初(あいぞめ)にでも聞いてくれ。私が謎だと思うのは、発現箇所と発現タイミングだよ。なんで、特殊な脳波を出してたからって、がかなくなるんだ? 普通頭とか神とかだろ。それに、なんで戦闘中は何も起こらない!」
七道さんは手を振りまわして力説する。
「後癥狀が出るのは決まってエンジンを切った時か、縦席隔壁(ヒステリコス)を出た時だ。まあ、縦席を衝撃から守る為のゲルダンパーが、一時的に重力子回路から出る何かをけ止めて蓄積する説や、縦席を浮かせてる重力加速度マネジメント用フローター犯人説があるけどな!」
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「正直ビビったよ僕は。ホントに首から下がかなかった。最初は何が起こったのか分からなかったからね?」
「‥‥暖斗くんはもしかすると、逸材かもしんねーぞ?」
「え、マジ?」
「だって、MKって、回路に過電圧かけて無いと起こらない現象だよ? 今回何もしてないのにDMTのエンジン出力が上がって、パイロットにMK後癥でてるとしたら、じゃあ、正規の狀態、回路に余分な電圧かけたらどうなるんだってハナシだよ。重力子エンジンの出力(パワー)が跳ね上がるんじゃね~の?」
「う~ん。どうだろ? 自分で努力したりしてないないから実ないなあ」
「ま、あんまMK使いすぎると副作用がシャレじゃ無くなるみたいだし、ほどほどにがんばれよ。新兵(ベイビイ)パイロットくん」
七道さんは無邪気に笑い、背びをしてから僕の肩をポン、と叩いた。
*****
そして、僕の意識は戦闘の場面に戻る。様々な計の作音、重力子エンジンが低く響いている。
僕のDMT(デアメーテル)は、母艦に向かったBotを、追いかけなきゃならない。
「暖斗(はると)くん。じゃあ、本格的にMK使うモードに設定変えるよ? 重力子回路の印加電圧を上げとくからね。あと、母艦からで、艦砲撃つから今は近づかないでって」
そう言ったのは麻妃(マッキ)だった。昨日の七道さんとの話の通り、こうして電圧かけておくのが、MK能力者が重力子エンジンの能力を発揮させる通常の方法だ。
そして、やがて母艦のいる方面からの轟音が響き始めた。
戦艦ウルツサハリ=オッチギンの主砲は、戦艦だけあって強力――なハズだったが。
麻妃が僕に呼びかける。
「いい機會だ。よく見といて。暖斗くん。あれが近接阻止/領域拒否、『A2/AD仕様』だよ」
戦艦に取り付こうとするBotに対して主砲が火を噴くが、花火みたいに散弾狀だった。大量のビームをその空間に撒いているじだ。パーティとかでやるクラッカーに似てるなあ。
あれならBotは艦に近づけないけど、Botのシールドも破れないだろう。
「僕が思ってたビームと全然違うね」
「紅葉ヶ丘さんでも、主砲の設定変えるコードはまだ見つけられないって言ってたもんなあ。運営の人達はよっぽど私達に人殺しをさせたく無かったみたいだねえ」
彼はしみじみと言った。
Bot駆除、掃空作業は、「ふれあい験乗艦」で僕がもともとやるはずだったメニューだ。本當はプロ軍人さんの指導、監督の元で。
だから僕も麻妃も、艦のみんなもそんなに切羽詰まった狀況ではない。Botと戦うくらいまではね。素人中學生に、そんな危険な事を運営がいきなりやらせるワケがないよね。――ま、今後はわからないけれど。
「さあ、艦のエネルギーが持たないから、そろそろ砲撃が止むよ。そしたらこっちの出番だ。サリッサ予備回転を開始」
槍の刃部、赤紫の明な多面が、ゴリゴリと石臼(いしうす)を引くようなゴツイ音を立てながら、ゆっくりと回転を開始した。
「おお? 暖斗くん。なんか、槍先がしってない? ‥‥‥‥って、コレ、回転始早くね? もう初速がついてるよ!」
言われてモニターで僕も確認した。サリッサの刃部、とんがり帽子狀のドリル――クリスタル様の多面の部が、ぼやっと青白くってるような気がする。蔵している重力子回路が、MKで活化していると、なんかを出すらしい。
「これって『旭煌(きょっこう)』では? 一説にはチェレンコフ放だとか。お~、なんかキラキラ寶石みたいでテンション上がる♪」
「‥‥麻妃(マッキ)は昔からるもの好きだよね。カラスみたいに」
「カラス言うな。キラキラしたものは子はみんな好きなの。そんなん言うならからかい返すぞ暖斗くん。今から母艦に突っ込むからね? そんなキラキラ槍と白銀ののDMTで敵をやっつけたら、艦の子がみんなキャ~!! ってなるよ? 白馬の王子様キタ~♪ってさあ」
「う! そ、そんなことね~し。俺子ウケとか興味ね~し。ホントに子が俺の事でキャーキャー言うワケないじゃん」
「はっはっはっ。どうかなあ。そういう娘が実はいるかも知んないよ? ‥‥あと、一人稱が『俺』になってるよ? 暖斗パイセン」
「うるさい。あと、このDMTの裝甲は白銀じゃなくて『A1-デンチン調(シェード)』だし」
「そやって論點をずらして‥‥って、もっとイジりたかったけど、そろそろ突撃だよ。新兵(ベイビイ)殿」
DMTのエンジンの回転數がどんどん上がる。なかなかの轟音だ。
「オイちょっと? こんなトークの直後? このタイミングで突撃? ええ!?」
「まず、艦の、向かって右に來てるヤツね。いい? カウントるよ。暖斗くん」
「容赦ないな。麻妃。ってか、僕ら余裕こきすぎじゃね?」
僕はしぶしぶ縦に集中する。
「くっそ。わかったよ。‥‥‥‥3‥‥2‥‥1‥‥突撃(アサルト)」
「!!!!!」
僕のは強烈なGで後ろに弾かれた。と、同時に、雲に浮いたような覚になる。隔壁縦席(ヒステリコス)の周囲の重力子回路が起、かかったGを相殺して浮遊させる為だ。
一瞬呼吸が潰されたので、慌てて息を整える。
「空?」
Gに耐えた直後、モニター越しに僕の目にって來たのは、木々の上から見える、一面の青い空だった。
「これが、僕のMK能力‥‥‥‥」
自分の事ながら唖然とした。
僕のDMTは、自の跳躍だけで、宙を舞っていた。
※「しかし七道さん詳しいな」と思ったそこのアナタ!!
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